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ミュージシャンが14カ月かけて作った手作り自動演奏機械の出来が想像を超えていた

      2016/04/27

自動演奏機械の見事な働きにご注目

久々に感動の動画に巡り合ったのでご紹介。

合板で作ったフレームや歯車で構築された謎の機械。これは一体何なのでしょう?

Wintergatan marble machine 00001

機織り機のようにも見えるこの機械の名前は「マーブルマシン」。2,000個のボールを循環させて音楽を奏でる自動演奏機械なのです。

演奏者が手回しハンドルを回して動かし始めると、2,000個の金属製のボールが観覧車の乗客のごとく掬い上げられ……。

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機械の上の踊り場のようなところへ運ばれていきます。

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運ばれたボールはオルゴールのドラムのような部品で制御されたボールストッパーの開閉に伴って落下。ドラム部分にはレゴ テクニックのパーツが使われているようですね。

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落下したボールは機械に組み込まれた楽器をたたき、音を奏でます。

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落下したボールはラッパのような部品で回収され、また機械上の踊り場に運ばれて循環します。

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組み込まれた楽器は、ビブラフォン、ベース、バスドラム、スネアドラム、ハイハット、クラッシュシンバルの6種。これを一人で演奏できるのです。クラッシュシンバル以外はレバーの操作で楽器ごとにミュートが可能。

Wintergatan marble machine 00023

自動演奏はオルゴールのように有限長のループですが、前出のレバーを操作して一部の楽器をミュートしたり、はずみ車を一時的に外すブレイクダウンレバーで停止させた後、手動での演奏を挿入して変化を付けたりと、テクノ系のDJがブースで披露するシーケンサーやサンプラーのリアルタイム操作をほうふつとさせるパフォーマンスで楽曲の展開を作っています。

Wintergatan marble machine 00020

ベースフレットの押さえは演奏者がやっています。グリッサンドやスライドなどのテクニックが使われていてエモーショナル。弦の方はボールがたたくので、スラップ奏法になっているのが面白いですね。

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実際の動作の様子は動画でご確認ください。音がスタジオ録音のように綺麗ですが、これは収音用マイクまで組み込まれ、背面に取り付けられたPA機器で整音されているため。正真正銘、この機械から出ている音です!

画像出典: Wintergatan – Marble Machine (music instrument using 2000 marbles)

これを作ったのはだれ?

この自動演奏機械「マーブルマシン」を作り、動画中で演奏しているのは、スウェーデンの4人組インストゥルメンタルバンドWintergatan(ウィンターガタン)のマーティン。

マーティンは、Wintergatanのすべての楽曲の作曲と、ミュージックビデオを手がけるリーダー格。

この映像だけを見ると新曲のプロモーションのために作ったハリボテなのかと思ってしまうところですが、これ、ガチでマーティン本人が一から作っています。

実に製作には14カ月もの時間がかかっているということです。

ここに至るまでのメイキング動画が公開されています。この偉業のとてつもなさがじわじわと実感できるので、併せての視聴をおすすめしますよ。

公式チャンネルには、メイキング動画以前に作業経過報告としてアップロードされた詳細な動画が多数あります。こちらも必見!

Wintergatanの作品にオルゴールが登場することは多く、過去作からも「マーブルマシン」に至る筋道が見えてきます。

この「Sommarfågel」という曲は、なかなかの名曲。オルゴールとピチカートによる憂いのあるフレーズにタイトなドラムが乗って盛り上がってきた後、アコーディオンが加わって展開。ストーリーを感じさせますね。

あとがき

一見して先日話題になった東北芸術工科大生の卒業制作「書き時計」を思い出しました。ソフトウェアの時代ですが、こういう機械には惹きつけられるものがありますね。

Bjorkをはじめ、北欧系のアーチストが元々好きなこともあって、この「マーブルマシン」抜きでもWintergatanは個人的に非常に好みのアーチストです。

物作りのMakers界隈にも興味があるので、一気にファンになってしまいました。

「マーブルマシン」の動画は2016年3月1日に公開されたばかりですが、視聴回数は既に100万回を超えています。この動画を通して新たなファンが獲得できるのは間違いないでしょうね!

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