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【神機】「GPD WIN」キーボード付き超小型Windows 10搭載PCがAmazonで販売中

      2017/01/30

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幾度か当ブログでもお伝えしてきた、夢のパームトップPC、「GPD WIN」。

GPD WIN

5.5インチの液晶を持ち、350gのキーボード付きの小さなボディながら、CPU Atom X7-8700 Quad CoreとWindows 10を搭載したれっきとしたPC。

3Dゲームが動くゲーム機として作られたため、搭載されたx7-8700はMicrosoft Surface 3と同じハイパフォーマンスを発揮するCPU。


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これまで作られた*すべて*のパームトップPCが、その時代のPCの持つ平均的な処理速度を大きく下回るものだったのに対し、この「GPD WIN」はモバイル向けのCPUであるAtomシリーズの中では最速クラスのCPUが奢られており、非常にきびきびと動作。先入観を打ち破るスピードで動作します。

▼GPD WINを手に、街を行く筆者。この小さいボディにMicrosoft Surface 3に匹敵するパフォーマンスが秘められている。

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6,000mAhの大容量バッテリーを搭載(※)して、長時間駆動にもこだわった作り。これまで作られた多くのパームトップPCはバッテリー動作時間に難を残していましたが、本機は平均以上の動作時間を確保しています。しかも、過去のパームトップPCはACアダプタでしか充電できませんでしたが、本機はUSB Type-Cから充電できるため、安価に入手可能な大容量モバイルバッテリーで24時間連続動作すら容易に手中にできます。

※8インチWindowsタブレットのVivoTab Note 8が3,950mAh

GPD WIN

キーボード付きの小型端末を愛好する者にとって、絶対に看過できない機種です。

2016年2月にクラウドファンディングサイトINDIEGOGOで出資者を募集開始したところ、あっという間に目標額を達成。

時は流れ2016年10月、出資者の元に続々と「GPD WIN」が届き、全国のあちこちで歓喜の声が上がっているというのが今です。

そんな「GPD WIN」ですが、Amazonでも販売が始まっていました。

新リビジョン発売に伴い、購入については以下をご参照ください。

本当によくぞ発売してくれた!

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僕の手元にも届いたのですが、この手のキーボード付き小型端末といえば、最後に買ったのが2010年のIS01。今でもたまに使うNetWalkerは2009年の発売なので、発売されてから6〜7年は経過していることになります。

勢いで、過去登場したキーボード付き小型端末を10分で思い出せた限りでリストにしてみました。

キーボード付き小型端末回想リスト
発売年 機種 OS
1994年 hp 200LX MS-DOS V5.0
1995年 IBM Palm Top PC 110 DOS J7.0/VもしくはWindows 3.1など
1998年 CASIO CASSIOPEIA A-60 Windows CE 2.0
2001年 PSION 5mx Pro日本語版 EPOC32
2002年 hp Jornada 728 Handheld PC 2000
2003年 NTT docomo Sigmarion III Windows CE.NET 4.1
2003年 SONY CLIE PEG-UX50 Palm OS 5
2006年 SHARP Linux Zaurus SL-C3200 Lineo uLinux
2006年 SONY VAIO type U VGN-UX90PS Windows XP
2007年 SHARP Advanced/W-ZERO3 [es] Microsoft Windows Mobile 6 Classic
2007年 SHARP EM・ONE α Windows Mobile 6.0
2009年 UMID mbook M2 Window XP
2009年 SHARP NetWalker PC-Z1J Ubuntu 9.04
2009年 Nokia N900 Maemo5もしくはMeeGo
2009年 WILLCOM D4 Windows Vista
2010年 au IS01 Android OS 1.6
2010年 Viliv N5 Windows 7
2010年 FMV-BIBLO LOOX U/G90N Windows 7
2011年 NTT docomo F-07C Windows 7
2011年 OpenPandora GmbH OpenPandora Linux / Android
2012年
2013年
2014年
2015年
2016年 GPD WIN Windows 10

※ツッコミが多いので補足しますが、10分ほどで作ったリストであり、厳密さはありません。いつまで同種の端末が発売されていたか? ということを示す性質を帯びているため、シリーズ最終機種をチョイスしたつもりです。モバイルギア、VAIO Type Pサイズは大きさの点で除外していますが、実のところ僕は乾電池駆動Windows CEモバイルギアコレクターでもあります。リブレットがないのもシリーズ末期がカテゴリーから外れたためです

2008年のiPhone 3G登場以降破竹の勢いでスマートフォンとタブレットの台頭が進み、小型キーボード付き端末が絶えて久しいところへ彗星のように現れたのが「GPD WIN」。ここ数年の断絶から救ってくれました。

この空白の時間に老眼が進んで、もはや小さい画面は見えないのでは、という心配は当然ですが、最近のWindowsは高ppi向けの設定が可能です。

NTEmacs64の25.1をインストール。「親指タイプ」で原稿書きをする筆者。「固定キー」機能を使えば、Emacsのマルチストロークも親指2本でこなせる。

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GPDは元々Android OSを載せたゲーム向けのハンドヘルド端末を作っているメーカーとして実績があり、今回PCゲームを外に持ち出す目的をもって作られたのが「GPD WIN」なのですが、PCともなれば使い方は自由です。

▼ゲーム用に一体化されたコントローラーをJoyToKeyを使ってPC操作のためにカスタマイズ。実に、キーボードに加えて24ボタン分のカスタマイズ領域を備えることになる。ゲーム用途が想定されていなければ、このようなカスタマイズの余地はなかった。

▼「GPD WIN」には3G/LTEでの通信機能が搭載されていないが、工夫次第でそれを意識せずに済む。

僕としてはそれとは違う文脈で期待を寄せていました。こうして実物を手にすることができて感激しています。

▼GPD WINはHDMI端子を備え、外部ディスプレイに接続して使用することもできる。HDMIは1.4なので、4K/30fpsまで表示できるとのこと。

ASUS PB278Qにて、2560×1440の表示が確認されている。

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過去のキーボード付き小型端末といっしょに並べてみました。

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このような端末は日本のメーカーが得意としていて、かつてであればSHARPやSONY、NECやTOSHIBAが作っていたはずのものですが、今やどのメーカーもPCから撤退して、このようなニッチな端末を作る余力はどこにもありません。

日本の落日をまざまざと実感させられますが、肩代わりしてくれるメーカーが出現したことを素直に喜びたいと思います。

▼この小ささでUSB-Aが付いているので、Happy Hacking Keyboard ProがUSBケーブル1本で直結可能。MacBookが裸足で逃げる拡張性も。

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それは置いておいて、「GPD WIN」は素晴らしい! スケジュール通りにちゃんと出たというのもプロジェクトの始動から出資者の手元に届くまで2年を要したOpenPandoraの騒ぎを思えば本当に凄いことですし、過去に発売されたキーボード付き小型端末が時代遅れになる中、最新の内容が盛り込まれたということも本当に奇跡。

▼処理の重い4,600万画素のデジカメのRAWデータの現像も意外にあっさりこなす。

小さなボディにMicrosoft Surface 3と同等のチップを搭載し、非常にパワフル。

ポインティングデバイスがタッチパネルとアナログスティックしかない、キーボードにバックライトがないといった気になる点もあるのですが、おいおいレビューしていこうと思っています。

「GPD WIN」、どこのメーカーが作ってるの? GPD? 聞いたこともない、と訝しげに見る人も少なくなさそうですが、今回作ったリストに出てくるような機種を使っていた人にとっては、唯一無二の「神機」になりえますよ。

「GPD WIN」には、使い込んで、使い倒して自分のものにする価値があります。当ブログでは、今後「GPD WIN」の活用について継続的に研究していこうと思っております。

新リビジョン発売に伴い、購入については以下をご参照ください。

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