運転席へのシートベルト取り付け #
APtrikes125の運転席にシートベルトを取り付けた。

自動車のように3点式シートベルトを付けるのがベターだが、三つ目の足場がないため、致し方なく2点式シートベルトから選ぶことになる。
汎用の2点式シートベルトには、フォークリフトなどで使われる巻き取り式と、そうでない固定長のものがある。
- 2点式シートベルトセット Aタイプ 黒 純正タイプ シンプル ワンタッチ 内装
固定長の方はプロペラシャフト(ドライブシャフト)に巻き込む可能性がありそうだと思ったため、巻き取り式を選んだ。
いつもはAmazonで買う筆者だが、Amazonにはなぜかモノがない。
楽天ないしはAliExpressにはモノがあったが、安いAliExpressで買うことにした。
筆者が選んだのは以下のもの。フォークリフトなどで使われるタイプだ。

- アラームスイッチ付きフォークリフト用クイックリリースalr安全シートベルト2ポイント格納式安全ベルトメーカー
理由は後述するが、楽天にあるものを選んだ方がよかったかと、ちょっと後悔している。
- PA-MAN(パーマン) 自動車 シートベルト2点式 巻取式 後部座席用 FRRP6
取り付け用のネジ穴は直径12mm。

運転席の左右を確認すると、左側は座面の奥側にあるM8(P1.25)のキャップボルトが利用できそうだ。

ただし、シートベルト側のネジ穴が直径12mmなのでM8キャップボルトの頭の直径とあまり変わらない。

ここは直径18mmのM8ワッシャーを挟むことにした。


運転席の右側を確認すると、リクライニングの機構があって左側と対称の位置にボルトがない。
非対称になるが、右側は背もたれ側にあるM8キャップボルトを取り付けに利用することにした。

こちら側は元から直径の大きなワッシャーが使われているため、そのまま取り付けられる。

当初はこのように左に送り出し側、右に受け側を取り付けたが……。



後部座席の乗員を乗り降りさせるために運転席の背もたれを前に倒すとシートベルトの受け側とレバーが干渉し、一度倒したが最後、ニッチもサッチも行かなくなって難儀した。

送り出し、受け側が車と逆になっていることもあり、右を送り出し側、左を受け側に入れ替えた。

これはこれで巻き取り機構があって大きい送り出し側を背もたれ側に取り付けることになり、肘掛けを下ろせなくなるし(※)、レバーとの干渉避けも完璧ではない。
※: 筆者は折りたたみ式テーブルの支柱として使っているので肘掛けを下ろすことはないが。


楽天で売っているシートベルトなら受け側が短くなっていて、このような干渉避けを考える必要がなかったために、ちょっと後悔した次第だ。
- PA-MAN(パーマン) 自動車 シートベルト2点式 巻取式 後部座席用 FRRP6
受け側のステーに穴を開けて、取り付け位置をオフセットするしかないか。

受け側の加工 #
筆者の場合3人で乗る機会が多いため、リクライニングのレバーとの干渉がやはり気になる。受け側に加工を施すことにした。
一度当てがってネジ穴を開ける位置の目星を付け、マスキングシートでマーク。
しかる後に鉄工用のドリルで穴を開けた。切削油としてCRC 5-56を使った。

欲しい穴は直径8mm。穴開けは3.3mm、5mm、8mmといった感じで段階的に大きくしていった。

このままだと後ろ側が背もたれより飛び出てしまうので、余った部分を切断して短くした。
丸く仕上げたかったので瓶の蓋でアタリを取ったが、途中でアタリが見えなくなってしまい、あまり意味がなかった。

切断と面取りはディスクグラインダーで行なった。やはりディスクグラインダー……!! ディスクグラインダーは全てを解決する……!!

- マキタ(Makita) 9553B 100ミリディスクグラインダ
- SK11 ディスクグラインダー用 切断砥石 PRO ステンレス用 WA30P 105×2.3×15mm
シリコンオフ、ミッチャクロン、シャーシブラックという定番の塗装で仕上げたが、ちょっと失敗。


結局元の左送り出し側、右受け側ということになった。受け側を短縮したのでレバーとの干渉もなくなった。


新しく開けた穴の位置は以下の写真の通りだ。

タイトな束縛感が欲しい場合 #
普通にベルトをかけると、束縛感は戻りのゼンマイ(?)の力なりにとどまるが、一度ベルトをかけた後、手で巻き取り部に押し込むようにして巻き戻させる。
そうすると、戻ったところでストッパーが働いて固定される。結果としてベルトの束縛が強くなる。

使用感インプレッション #
巻き取り式なだけあって意外と拘束感があり、それを嫌がる人もいるかもしれないが、下半身がシートに固定されることには意外に安心感が感じられた。
人馬一体感が醸されるというと言い過ぎかもしれないが、それに近しい感覚が芽生えた。
そう、バイクでのニーグリップの代わりのような感覚だ。
また、これは筆者の個人的な事情に大きく依存するが、腰が固定されることでシフトペダルの操作がちょっとやりやすくなったというのは思ってもみなかったメリットだった。
- 関連記事: シフトペダルの取り付け
ガタガタ揺れるような場所でもシフトチェンジがやりやすくなった。
このことが気に入って、筆者は前項の「タイトな束縛感が欲しい場合」で解説したように、ベルトをかけた後、より強く縛られるようにしている。
こうするとあたかもバケットシートに座っているかのような固定感が得られ、個人的には運転にプラスになる感じがしている。
このシートベルトが安全性の向上に本当に寄与するかどうかというのは未知数だが、シートベルトの取り付けにあまり積極的でなかった筆者ですらポジティブな感想を持ち得たので、試してみられるのもいいかと思う。