ハンドルカバーで冬対策

ハンドルカバーで冬対策 #

APtrikes125はそのボディ形状から運転者は走行中に風を受けにくく(実際は巻き込み風が後頭部に当たるが)、冬に強い。

しかし、長く走っていると風が当たろうが当たるまいが外気温の影響で手が冷たくなってくる。

筆者のような実用最優先のスーパーカブ系ライダーなら、こんなときハンドルカバーを使って防寒をすることを考える。

ハンドルカバー+グリップヒーターがあれば、真冬にロングツーリングをしても何ともないばかりか、夏用のグローブでも手汗をかくぐらいだ。

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愛用しているのはコミネのネオプレン製のハンドルカバーだが、セッティングが普通とちょっと違う。

一見何の変哲もないコミネのハンドルカバーだが……。

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スイッチボックスがハンドルカバーの中だ。このアイデアはどこかの掲示板かSNSで見て取り入れたものだが、実に秀逸だ。

スイッチボックスはハンドルカバーにあいたグリップ用の穴からカバー内に入れる。一見した限りでは到底入るとは思えないが、ネオプレンの持つ伸縮性により、頑張ると入る。

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親指を動かす窓付きのスペースが設けられており、カバー越しにスイッチ類を操作する想定。製品としてはそれがセールスポイントにさえなっている。

しかし、実際にはカバー越しでは操作性の低下著しく、ホーンを間違えて押すことも多々あり、ハンドルカバーのデメリットを否応なく感じることになる。

ところが、スイッチボックスごとハンドルカバーの中に入れてしまえば操作性はカバーを付ける前と変わりなくなる。

同様のセッティングはツーリングセローでの実績もある。

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このセッティングをやり始めて7年。筆者はこれからも続けていくつもりだ。

ハンドルカバーの選択 #

APtrikes125にもハンドルカバーを取り入れ、いつものセッティングの再現を狙うので、選ぶのは実績のあるコミネのハンドルカバーだ。

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  • コミネ(KOMINE) バイク用 ネオプレーンハンドルウォーマー/ハンドルカバー ソリッドブラック フリー AK-021 345

結論としては、APtrikes125でも同様のセッティングが再現できた。

ネオプレン製のハンドルカバーに共通の欠点だと思うが、露天駐車だと紫外線で日焼けして、寿命は1シーズンにとどまる。

実用上の問題はないのだが、それぐらい経過すると白っちゃけてきてしまい、見た目が貧乏臭くなるからだ。

いつもならシーズン毎に買い直すが、後述の事情で布にも使える染めQでの染め直しを視野に入れ、差し色も、文字色も目立たない黒を選んだ。

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APtrikes125特有の事情に対処する #

APtrikes125ではシフト操作の必要性から、左手をハンドルから離すことを強いられる。

ハンドルカバーはそれほど高頻度な出し入れを想定しておらず、防寒性能向上のために出し入れ口が絞られていて、APtrikes125で使うとストレスフルになる。

この問題の解決がAPtrikes125への採用の必須条件。

筆者は出し入れ口を開放するためのフレームを3Dプリンターで作成し、それを左側の出し入れ口に縫い付けてクリアした。

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それから1年ほど付けっぱなしにしているが、とくに問題なく使えている。

3Dプリンター用のデータは以下で公開している。

3Dプリンターが使えない場合は、100均ショップでキッチン用品やPPシートとして手に入るポリプロピレン製の薄い板を短冊状に切り出し、縫い穴を開け、ホッチキス等で輪にして巻き付け縫い付けるのでどうだろうか。

セリアにもPPシートが売っているが、セリアのものは厚さが0.75mmなのでダイソーのPPシートの方がよさそうだ。

実際には試していないのであまり突っ込んだことが書けないが、ダイソーのPPシートでは強度が物足りない場合はホームセンターで手に入る塩ビシートもいいかもしれない。

このようにAPtrikes125でハンドルカバーを使うには加工が必要となる。褪色のたびに買い直すのが面倒なので、染めQによる染め直しを視野に入れて黒を選んだわけだ。

染めQによる染め直しについては以下の記事に書いた。

ハンドルカバーの取り付け #

APtrikes125固有の事情に対応を終えたら取り付けだ。

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グリップ用の穴、ブレーキレバー用の穴それぞれに差し込んでいく。

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グリップの突き当たりまで進んだら、スイッチボックスをカバー内に飲み込む。上半分を飲み込んだら下半分を飲み込む、といった感じで、上下分割してやるのがコツだ。

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といってもラクラクといくわけではなく、若干無理を通すような感じにはなる。

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このままだと手を突っ込もうとしたときにハンドルカバーも前に押し出され、なかなか手が入っていかず使いづらいので、前後に動かないように固定することを考える。

そんなときに使えるのがグリップエンドの穴だ。

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M6 x 40mm〜50mm程度のネジと化粧ナットを用意。

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左側であればKOMINEの「E」の辺り、右側なら「K」の辺りに穴を開け、ネジを差し込む。

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内側からは化粧ナットをねじ込んで挟み込み、ハンドルカバーにネジを固定する。

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固定したネジをグリップエンドの穴に差し込んで出来上がり。

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もっと確実な固定を望むなら、グリップ端をくり抜くか、グリップ交換でバーエンドキャップを取り付け、バーエンドキャップのネジとハンドルカバーを共締めするといい。

一応バーエンドキャップまで用意したものの、筆者は上記の方法でとくに困っておらず、実行には至っていない。

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グリップヒーターの必要性 #

APtrikes125はオルタネーターの発電能力がアイドリング時は約3A(14V換算42W)、約6,000回転時は5.7A(14V換算80W)と低いため、筆者はグリップヒーターを付けていない。

ちなみに、スーパーカブ110(JA44)では5,000回転時14A(14.3V換算200W)とのことだ。

APtrikes125には、スーパーカブの40%の発電能力しかない。

東京都住まいで寒冷地に行くことはないが、直接風に当たることもなく、バイクよりはかなり有利な条件なので、グリップヒーターなしでも耐えられている。