バックギア周辺からのオイル漏れへの対処

バックギア周辺からのオイル漏れへの対処 #

APtrikes125では、バックギア周辺からのオイル漏れで困ることが多いのではないだろうか。

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オイル漏れをしている部分は直接見えず、外からは、バックギアユニット後ろにある隙間辺りから漏れてきているような感じで見える。

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バックギアユニット自体に問題があるのではなく、その裏にあるエンジンのカウンターシャフトのオイルシールからのオイル漏れが原因であることが多い。

ここのオイルシールが仮に抜けかかったようになると、結構派手にオイル漏れをする。

この問題に関しては、mokmok氏の動画が詳しい。

この動画を見れば基本的には解決できるのだが、筆者の方で実施する際に、動画では触れられていなかった問題に遭遇したので、その解決を加えつつ改めて解説したい。

バックギアユニットの取り外し #

まず必要になるのがバックギアユニットの取り外しだ。

奥まった場所に取り付けボルトがあるため、作業性向上のために以下のものをそろえた。

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  • SK11(エスケー11) コンパクトラチェットハンドル SRH2CH 差込角:6.35mm 1個

このほか、手持ちの差込角6.35mmのソケットレンチセットがあり、ここから8mmのソケットを使っている。

ソケットレンチとしては最も細い6.35mmにそろえたのは、狭い場所で干渉するのを避けるためだ。

フライホイールカバーやクラッチカバー周囲の8mmのボルトを緩めるのにも使う予定があったため、そのようにした。

mokmok氏のように差込角6.35mmの六角軸で揃えていれば、それでも構わないと思う。

なぜ40cmもの長いエクステンションバーを用意したかというと、これはmokmok氏が動画でやっているが、ステップボードの外からボルトを外すことができ、非常に楽だからだ。

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バックギアユニットのみならず、フライホイールカバー、クラッチカバーの付け外しでも活躍するので揃える価値は大きい。

バックギアの取り外しには、対角8mmのボルトを3本。対角12mmのナットを二つ外す必要がある。

まずは対角12mmのナットから。

この場所のナットはボルトが長く飛び出しているため、12mmのディープソケットで外せる。裏側のボルトは溶接されているため、裏側から共回りを押さえたりする必要はない。

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この場所のナット、便宜上Aとするが、これは裏側のボルトがフリーになっているため、普通に緩めようとしてもボルトが共回りし始めてしまう。

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Aの裏側はこうなっている。対角13mmのボルトが使われている。

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手伝いが呼べるならどうということはないが(ジャパンドラッグでは、ここは2人で作業されているようだった)、一人で作業せざるを得ない場合、このボルトの共回りに頭を悩ませるかもしれない。

筆者はこの共回りを止めるために、3Dプリンターで治具を作成した。データは無料で公開している。

締め、緩めどちらにも対応している。

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3Dプリンターがない場合は、ロッキングプライヤーや、以下のクローフットレンチが共回り防止に使えるのではないかと思う。実際に試したわけではないので、参考情報にとどめる。

続いて、対角8mmのボルト3本。

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最後に、バックギアにつながっているスイッチのギボシを外す。ほかの配線といっしょに結束バンドでまとめてあるので、それを切断してバラす必要がある。

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バックギアにはドライブシャフトのスパイダー(ユニバーサルジョイント)部が付いているが、引っ張ればスプライン部で外れるので、いちいち外さなくとも大丈夫だ。

ただし、後で後ろ側のスパイダー部と角度を合わせないといけないので、外す前に写真に残しておくといい。

車両を前後させることができるなら、スパイダーを分かりやすい角度に合わせておくのも手だ。

オイルシールの抜き取り #

バックギアユニットを取り外すと、ご待望のカウンターシャフトのオイルシールのお目見えだ。この付近は漏れたオイルでひどく汚れていたので、パーツクリーナーで綺麗にした。

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流れたオイルやパーツクリーナー液を受け止めるウエス(ボロ布)で下を押さえて、派手にクリーニングした。

オイルシールの抜き取りのために、ピッキングツールも用意した。

  • ピッキングツール 12本 オイルシールリムーバー 精密フック多機能 ピースフックとピックセット Oリングオイルシール フックセット 自転車/バイク/自動車/整備工具用

これがあればオイルシールの抜き取りは余裕かといえば、残念ながらそんなことはない。

オイルシールには芯材として金属(多分ステンレス)が使われており、ピッキングツールで引っ掻いたところで歯が立たないのだ。

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注意したいのは、カウンターシャフトや、オイルシールのはまる窪みに一切傷を付けてはいけないということ。さもなくば、その傷がオイル漏れの原因になりうる。そして、ピッキングツールをオイルシールの抜き取りに使うことにはそのリスクがあるということ。

といっても、カウンターシャフトやその周辺に触れずに目的を達成するには、このようなツールを使うしかないような気もする。仕方がないので、薄氷を踏むような気持ちで作業に当たる。

ピッキングツールで掘り起こすための足掛かりを作るために、mokmok氏がやっているように、オイルシールにドリルで穴を開ける。

もちろん、ドリルの使用にも周囲を傷付けるリスクは伴う。慎重に事を進める必要がある。

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筆者は3mmのドリルを使ったが、まだ太い。2mm〜2.5mmのステンレス対応のドリルを使った方が安全かもしれない。

足掛かりとなる穴が掘れたら、ピッキングツールの先端が周囲を傷付けないようオイルシールを慎重に掘り起こしていく。

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オイルシールを抜き取ることができたら、カウンターシャフト、オイルシールを抜いた穴を入念にパーツクリーナーで綺麗にする。

新しいオイルシールの組み付け #

代替品にはmokmok氏が使っている20x35x7というサイズのものを選んだ。APtrikes125純正品より奥行きが長いが、ツライチまで圧入でき、問題なく使える。

到着したものは台湾のNAK製のオイルシールだった。

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NAK(茂順密封元件科技 / NAK Sealing Technologies)は台湾最大手であり、世界的なOEM供給実績も持つ信頼性の高いメーカー。

国際規格ISO 9001/14001、さらに自動車産業の厳しい品質マネジメント規格であるIATF 16949を取得しているとのことだ。

モノタロウから買っているので品質的には問題ないと思っているが、HONDA純正のオイルシールとしてはそれに近いものに20x35x8というサイズの91266-415-013がある。

ここのオイルシールが抜けかかった状態でもオイル漏れしながら走っていたので、1mm厚くても使えると思うが、結果の保証はできない。

多くの部分でスーパーカブやモンキー用の同部位用のオイルシールが使えるが、カウンターシャフトのオイルシールには互換性がないので注意だ。

新しいオイルシールの装着のために、mokmok氏の手法に従い、クリアファイルを10cm x 15cmに切ったもの。そしてシリコングリスを用意した。

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シリコングリスは一般にゴムを冒さない。筆者が敬愛するYouTuberであるひろくんが使っていたので、後にFMラバーグリスを購入し、オイルシールやOリングには、そちらを使うようにしている。

オイルシールには、絶対に傷を付けてはいけない。オイルシールを傷付けないように、グリスを塗りたくった……が、ちょっとこれは塗りすぎたかもしれない。

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同じくグリスを塗りたくったクリアファイルでカウンターシャフトを包み、その上からオイルシールを滑らせるようにして奥へ送り込み、装着した。

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圧入には8mmのソケットレンチを使い、部分的に叩きながらツライチの位置まで押し込んだが、サイズの合うパイプなどで、均等に叩き込んだ方がいいだろう。

カウンターシャフトのスプライン部をオイルシールに触れさせると傷が付き、そこからオイル漏れする可能性があるので、ここも慎重に進める必要がある。

バックギアユニットの取り付け時の注意点 #

後は元通りバックギアユニットを取り付けて作業完了となるが、ドライブシャフトのスプライン部を差し込む際に、スパイダー部の角度を、デフギア側のスパイダーと合わせる必要がある点に注意。

また、カウンターシャフトのスプライン部が、バックギアユニット裏の窪みと角度が合わず、なかなか入らなくて困ると思うが、カウンターシャフトを少し回してはバックギアユニットを当てがい、入らなかったらまたカウンターシャフトを少し回してリトライということを、入るまで繰り返してクリアする。

カウンターシャフトには、モリブデングリースや、焼き付き防止用にLOCKTITEのアンチシーズを薄く塗っておくとベスト。