ホイールスペーサーの挿入

ホイールスペーサーの挿入 #

走行安定性を増すためにタイヤ交換をするのと同一延長線上に、ホイールスペーサーの挿入というモディファイが存在する。

リアホイールの内側にホイールスペーサーという詰め物をして、リアタイヤを外に張り出させトレッド(※)幅を広げるのだ。

※: 左右の車輪間距離

コーナリングの安定性を増し、通常走行時の左右への揺れを軽減させる効果を狙う。

リアホイールを外すと、中からハブというホイールの取り付け金具が出てくる。

APtrikes125のハブのPCD(ナット座ピッチ直径)は100。ハブボルトは4本。

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ハブボルトはM14 P1.5。

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このことから、APtrikes125で使えるホイールスペーサーは以下の条件で探す。

  • PCD100
  • 4穴
  • M14
  • 5mm厚

トレッド幅がワイドであればワイドであるほど格好よく、そして安定性も増す、と考えて厚いホイールスペーサーを入れようとする気持ちは分かるが、厚いものを挟むとホイールナットのかかりが浅くなってしまうし、ボディとの干渉問題もあるので5mm厚に抑えておくのが賢明だ。

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5mm厚でもホイールナットのかかりが結構浅くなってしまうし、左5mm+右5mmで計10mmの拡幅となるので意外と変化がある。

筆者が買ったホイールスペーサーは以下のものだ。

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必要なもの #

トルクレンチは10kgf.m(98N.m)に対応しているものを選ぶ。

  • 使い捨て手袋([サンタン] ポリエチレン 手袋 使い捨て 300(枚/個) エンボス Mサイズ)
  • 緩める用
    • PWT ラチェットハンドル ソケットレンチ 首振り ロング 差込角 12.7mm 1/2インチ 9段階フレックス 長さ14インチ 90枚ギア SRH12FLSH14
  • 締める用
    • トルクレンチ(ASTRO PRODUCTS 01-09695 1/2DR プリセット型トルクレンチ TQ969 01-09695)
  • 19mmのソケット(トネ(TONE) ソケット(6角) HP4S-19 差込角12.7mm(1/2") 二面幅19mm)

ホイールスペーサーの取り付け #

ホイールナットを緩める。(緩めるだけ)

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ジャッキスタンドを用意し、屋根を両手で押して車体を傾けている間に、足でリアタイヤ前の横フレームにジャッキスタンドを押し込みタイヤを浮かせる。

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ジャッキスタンドがちゃんと横フレームにかかっているか確認。

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緩めたホイールナットを取り去り、タイヤを外す。

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ハブにホイールスペーサーを被せる。

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ホイールを取り付け、ホイールナットを手締めする。

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レンチで縦横の対角順に、繰り返し少しずつ均等にホイールナットを締めていく。(1、2、3、4、1、2、3、4……)

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ほどほどにホイールナットを締めたら、屋根を両手で押して車体を傾けている間に足でジャッキスタンドを外し、地面に降ろす。

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最後にトルクレンチで規定トルクまで締めて終わり。

締め付けトルクは108N.m(11kgf.m)が推奨されていることもあったが、その締め付けトルクでアルミホイールが割れるケースが発生。

大体69〜79N.m(7〜8kgf.m)程度で十分ではないか、ということになっている。

筆者は80N.mで締め付けた。

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取り付け前後の比較 #

5mm厚ホイールスペーサー取り付け前後が比較できる簡単な動画を作成した。たった5mmでも結構変わる。

装着タイヤはBRIDGESTONE SNEAKER 135/80R12。

5mm厚ホイールスペーサーインプレッション #

筆者には正直はっきりとした差はわからない。走りに少し落ち着きが出た感じはする。

まだ取り付けたばかりなので、長く乗ることで分かってくることもあるかもしれない。

何か感じたことがあったら追記する。

理屈の上では効果があるのは明らかなので、精神衛生上いいのは間違いない。

冒頭に「通常走行時の左右への揺れを軽減」と書いた。どういうことかというと、20cmの段差に1mの柱を渡した場合と、20cmの段差に2mの柱を渡した場合に、どちらの方が傾くかということを考えるとわかる。

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2024.3.8追記:

直進安定性が向上しているように思える。走行中にハンドルがセンターに戻ろうとする力が強くなった感じがする。

意外にもシミー現象も抑制されているようだ。いつも通る舗装の良くない裏道で片手運転をしてみてそう感じた。