ハイスロットルパイプの取り付け #
APtrikes125のアクセルは、全開にするのに一度持ち替える必要があるほど広角の操作余地がある。

APtrikes125のエンジンは非力で、全開にしたところで強い加速をするわけでもなく、言ってみればアクセルの全域が常用範囲になっている。
その常用範囲を使うのにアクセルを持ち替える必要があるのがもどかしく思っていた。
そんな折、アイルーベルちゃんねるから以下のような動画が公開されているのを見つけ、それを参考にスロットルパイプのハイスロットルタイプへの交換(ハイスロ化)をやってみることにした。
ハイスロ化すると、アクセル全閉から全開までアクセルを持ち替えることなくできるようになるため、操作性が向上する。
筆者所有の車両はノーマルキャブだが、ノーマルキャブでもメリットはある。
ハイスロ化で必要になるグリップ交換に関しては、マルモリ氏、三人家族氏も動画をアップしている。
ハイスロ化後の操作感 #
ハイスロ化することで、アクセルを持ち替えずとも全開にできるようになった。
勢いアクセル全開にする機会が増えるので、以前よりキビキビとした運転になった。
アクセル操作次第ではあるが、恐らく燃費は低下する傾向になるかと思われる。
APtrikes125のシフトアップは、アクセルを思いっきり閉じて間隙を作ってやるとスムーズにでき、ガタン!というショックが出づらくなる。
ハイスロ化でアクセルをクイックに全閉できるようになったため、シフトアップがやりやすくなった。
シフトダウン時のブリッピングも鋭くなったので、こちらもやりやすくなった。
- 関連記事: APtrikes125のシフト操作
ハイスロ化で低速時の微妙なアクセルワークがやりづらくなる懸念があったが、筆者個人はそんな印象は受けなかった。
ハイスロ化の弊害にアクセルが重くなるというものがあるが、筆者個人の一乗車当たり10km、20kmという移動の範囲では大きな変化は感じなかった。ただし、長距離走ると違いが出てくるかもしれない。
必要なもの #
ハイスロットルタイプのスロットルパイプ。APtrikes125のハンドルパイプはφ22.2なので、それに対応したものが必要だ。



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φ22.2、長さ120mmのバイク用グリップ。φ22.2用といっても、バイクの場合はアクセル側のグリップの内径はφ22.2ではない。(従って、自転車用のグリップは使えないので注意。「バイク」と検索しても自転車用のものが交じる)

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パーツクリーナー。
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そのほか、カッター、プラスのドライバーが必要になる。
取り付け #
グリップの取り外し #
まずグリップをカッターで切って取り外す。引っこ抜いて再利用を考えるかもしれないが、辛い作業になる可能性が高いので、悪いことは言わないので交換用のグリップを用意し、素直にカットして外した方がいい。
(後で気付いたが、純正のスロットルパイプを予備として車載しておくなら、スロットルパイプ側のグリップは付けたままにしておいた方がよかった)



右側スイッチボックスの分解 #
スロットルパイプの交換のために、右側スイッチボックスを分解する。
スイッチボックスの下側にある2本のネジを外す。
1本目はこの位置。

2本目はこの位置。

2本のネジを外せばスイッチボックスを開くことができるはずだ。

スロットルパイプからタイコ(スロットルワイヤーの末端に付いている丸い留め具)を外してハンドルパイプからスロットルパイプを抜き取る。

純正スロットルパイプとハイスロットルのスロットルパイプの比較 #
外した純正スロットルパイプ(左)と、ハイスロットルパイプを並べてみた。長さは同じだ。

純正スロットルパイプとハイスロットルパイプを重ねてみた。タイコの位置がより外周に寄っているのがわかる。
スロットルワイヤーが通る外周の溝の直径がハイスロットルパイプの方が大きくなっているため、同じアクセル開度でも、ハイスロットルパイプの方がより多くアクセルワイヤーを引っ張ることになるのがわかるだろう。

スロットルパイプの交換とスイッチボックスの組み立て #
まずスロットルパイプをハンドルパイプに通す。

しかる後に、スロットルパイプにタイコを取り付け、スイッチボックスを組み立てる。

ここで注意したいのが、ハンドルパイプの下に開いた穴の存在と、それに対応したスイッチボックス内の飛び出たネジの存在だ。

飛び出たネジが、ハンドルに開いた穴にはまるように取り付ける。

要するにスイッチボックスの回り止めになっているわけだ。

APtrikes125ではスロットルパイプが割れて走行不能になるトラブルが散見されるので、外した純正スロットルパイプは予備パーツとして車載しておくことにした。
スロットルワイヤー切れが契機となってスロットルパイプ割れに至っているケースもあるようなので、スロットルワイヤーを国産のものに交換しておくのもありだ。
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グリップの取り付け #
最後にグリップをはめて完成だ。
バイク用のグリップは、右側・アクセル側用の内径が大きく、左側用の内径が小さい。

グリップの内部にたっぷりパーツクリーナーを吹き付け、乾燥する前に一気に差し込む。

渋いようならハンドルパイプ側にも吹き付ける。
筆者の場合、130mmのグリップを買ってしまい、端が余ったので切り落とした。


さらにバーエンドキャップを被せた。

貫通型のグリップを使う場合に必要になるバーエンドキャップは、自分で買っておいてなんだが、以下のようなタイプより……。
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ゴムを圧縮して固定するタイプの方が位置の自由度が高くオススメだ。
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アクセル側のグリップとバーエンドキャップとのクリアランスが調整しやすいからだ。

各種採寸 #
どのグリップがAPtrikes125に使えるかが事前に分からず、適合情報が欲しかったので、それぞれで好みのグリップが探せるよう採寸してみた。
一度グリップを外さないと採寸できないが、採寸できる頃にはグリップは使える状態ではなくなっているというジレンマがある。
ちょっと気になるのがマルモリ氏の動画で130mmのグリップが適合するという解説をされているところだ。
自分のAPではそれでは長すぎた。初期のAPではグリップが長かった可能性がある。
そこで、グリップを外す前にどの長さのグリップが適合するか判断できるように、純正グリップの外形の寸法を記載した。
測るのを忘れたものもあるが、わかるものだけでも掲載する。
ハンドルパイプ #
外径22.2mm。

内径18mm。

左側スイッチボックスからハンドルパイプ末端まで約115mm。

純正グリップ #
外形の全長約124mm。

内部の深さ約120mm。

グリップ部の太さ約33mm。

左側内径約22.4mm。

右側(アクセル側)内径約26mm。

純正スロットルパイプ #
右側スイッチボックスからスロットルパイプ末端約120mm。

ハイスロットルタオイプのスロットルパイプ(スーパースロットルパイプ) #
外径約26mm。

内径約23mm。

右側スイッチボックスからスロットルパイプ末端までは純正と同じ約120mmと思われる。