キルスイッチでワイパーを動かす改造

キルスイッチでワイパーを動かす改造 #

APtrikes125のワイパースイッチはちょっと遠いところにあり、操作するのが面倒だ。

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ワイパーのスピードコントロールが付いておらず常に全開で動くので、小雨のときなど、たまに動かしたいというときに特に不便を感じる。

間欠ワイパーキットを取り付ける手もあるが、キルスイッチをワイパースイッチとして機能させることで問題解決をする手もある。

キルスイッチ側の加工 #

作業の前提として、キーはオフにして電源を落としておく。

キルスイッチは使うことがないばかりか、いつの間にかキルスイッチが入りエンジンがかからなくて慌てふためくといったこともありがちなため、ワイパースイッチになってもらうことにした。

キルスイッチがなくて困ることがあるか考えてみたが、筆者個人はとくに思い当たらなかった。

キルスイッチは右側のスイッチボックスにあるため、まずは右側のスイッチボックスを分解する。

分解のためには、スイッチボックス下側にあるプラスネジを2本外せばOK。

筆者のキルスイッチは納車時から無効化されていたため、キルスイッチから出ている緑のリード線が切断されている。

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プラスネジを2本外し、スイッチを取り外す。

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元々付いていたリード線を半田ごてで温めて外し、新しく用意したリード線を付け直す。画像の矢印の向きに流れるように半田付けする。リード線は2mぐらいのものを用意した。

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元々あったキルスイッチの配線は、先端の露出部を切断して絶縁しておく。

筆者は屋外作業などを想定して、電池式の半田ごてを使っている。

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最近充電式の半田ごてを使い始めた。小型で持ち運びに便利。金属製の蓋が付いているので大変便利だ。円筒形で転がるのが難点。あらぬところに落ちても蓋ありで帳消しというのはあるが。

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またスイッチを取り付け直すが、半田付け箇所の保護のため、柱の周囲を1回転させておく。

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スイッチボックス下側のカバーを、プラスネジ2本緩めて外す。

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カバーのギザギザ部分の真ん中をニッパーで切り取り、新設のリード線の通り道を作る。

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写真のように新設のリード線を通す。元々のキルスイッチの配線は、カバーの下に隠しておく。

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スイッチボックスを元のように組み立てるが、注意点がある。それは、ハンドルの下に穴が開いていることだ。

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この穴は、スイッチボックス下側の、写真のプラスネジの頭が入るようになっている。回り止めの役目がある。

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スイッチボックスを閉じる際は、スロットルは写真の角度に合わせておく。

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スイッチボックス内の新設のリード線ができるだけ短くなるように、スイッチボックスの外側から引っ張って追い出しながら閉じる。

引っ張りすぎると新設のリード線の半田付け部分が千切れるので、そうならないように注意。

新設のリード線は、ハンドル下の隙間からヘッドライト側に通す。

ヘッドライトユニットの取り外し #

ヘッドライトユニットはプラスネジ4本外すと取れる。裏側にはナットがあるので、手を突っ込んで押さえておく必要がある。フランジ付き緩み止めナットなのでレンチはいらないと思うが、ナットのサイズは10mmだ。

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ヘッドライトユニットは作業の邪魔になるが、電球を抜けば取り外しておける。ポジションランプは、そのまま引っこ抜けば取れる。

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ワイパースイッチの繋ぎ変え #

ワイパースイッチからリード線のコネクタを抜き取る。

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適当な長さに切った新設リード線に、中サイズ(187型)の平型端子を圧着。ワイパースイッチから抜き取ったリード線と接続する。極性はないので、どっちがどっちでもOKだ。

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ただ、ワイパースイッチに使われている平型端子は厚みのあるちょっと変わったもののようで、そのままではスルっと抜けてしまう。圧着した平型端子の先をヘの字に曲げてすぐには抜けないようにし、ビニテープなどで補強する。

いろいろなやり方があると思うが、筆者は現状復帰ができる方法をできるだけ採用するようにしている。

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今回触ったリード線がステアリングを邪魔しないよう、横に渡っている黒いフレームに結束バンドなどで固定して整理しておく。ステアリングに巻き込まれると切断されたり、ショートしてヒューズが切れたりとロクなことにならないので、しっかりやっておく。

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ヘッドライト取り付けの向きに注意。爪がプラスネジの方を向いているのが正しい。

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動作テスト #

作業としては以上で終わりだが、ヘッドライトユニットを取り付ける前に動作するか確認する。

乾いた状態でやるとワイパーアームに負担をかけるので、フロントウインドウを霧吹きなどで濡らすか、ワイパーを起こしてからキルスイッチを操作する。

キルスイッチは、前側に倒した方がオンだ。

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元のワイパースイッチの直径 #

不要になったワイパースイッチ。直径は20mm程度だ。

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ドライビングライトなど、別の用途のスイッチとして使うもよし、穴だけ利用して、何か取り付けものをしてもよし。