収納場所について考える #
APtrikes125の欠点の一つに、収納場所が少ないことがある。
自動車と違って側面が開放された構造なので、荷物の積載の際には、荷物の落下防止に気を配る必要がある。
ドライバーズシートを積載スペースとして使う #
ドライバーズシート左右の肘掛けを上に跳ね上げると、そこにバックパックの肩紐をかけることができる。

普段の荷物の持ち歩きにバックパックを使う人は、この積載方法が最もしっくりくるだろう。
リアシートに人が乗る場合も、そこにバックパックを残したままで何とか大丈夫だ。
ドライバーズシートの後ろ側に、跳ね上げた肘掛けを取っ掛かりにして、自動車の前座席背面収納を取り付けることも可能だとは思うが、筆者の使い方においてはバックパックを掛けておく場所として使うのが一番しっくりきた。
肘掛けはハンドルをノーマルのままで使っている筆者にとっては必要とは思えないので、肘掛けは跳ね上げたままで使っているし、そうしている人は多いようだ。
しかし、ハンドルを交換ないし、ハンドルバークランプポストで後退させてポジションを後傾させると肘掛けが有用になるようなので、その場合にはできない選択かもしれない。
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リアシートを積載スペースとして使う #
積載スペースの候補として次いで白羽の矢が立つのは、リアシートだ。

ただそこに荷物を乗せただけでは、前に滑り落ちて車外に放り出されてしまう。
背もたれの後ろに空間があるので、背もたれの後ろに荷締めベルトを通し、箱を共締めして滑り落ち防止を図り、その箱の中に荷物を積載するというのが、そのスペースの基本的活用方針となるだろう。
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荷物にすぐアクセスできる使い勝手の良さがあるし、積載物を移動先で積み下ろしする際に、箱ごとできるというメリットもある。
荷締めベルトを滑り落ち防止に使うため融通が効き、積載する箱の車体前後方向の奥行きが多少はみ出しても許容できるのも便利だろう。
ただし、この場所はリアシートに乗員がいる場合には使えない。
荷物を載せたままAPtrikes125から離れる必要がある際に、セキュリティを施すのが難しいというデメリットもある。
リアシート横に荷掛けフックを取り付けるのもなかなか便利だ。
- 関連記事: リアシート横への荷掛けフック取り付け
リアシート足置き付近への積載 #
リアシート乗員が足を置くスペースは、その前にあるドライバーズシートとの間に買い物かごなどを挟むことで、積載スペースとして活用できるようになる。

使う買い物かごによっては、そこにきっちり挟み込まれて、挟む以外に固定のための工夫を必要とせず、左右に滑り落ちる心配がない状態になるそうだ。
APトライクの荷物は、いつのまにか風で飛ばされがち。
— Q_Tech@apトライク (@QTech40168924) December 17, 2023
リアボックスにはフタが必要です。 pic.twitter.com/Qw5hBVrtB7
ただし、APtrikes125は上下方向の振動も大きい傾向にあるのと、巻き込み風が絶妙に荷物を巻き上げてくるため、上が開いた買い物カゴを使う場合は、カーゴネットなどによる飛び出し防止の対策は必要になる。
必要に応じてリアシート活用と組み合わせることで、大量の荷物の積載が可能。
立てたリアシート後方の積載スペース #
リアシート座面には車体前方側にヒンジが付いており、リアシート座面前側を支点として前側に起こすことができる。
すると、起こしたシートの座面が隔壁となって、その後ろ側にかなりの量の荷物を積載することが可能。

無調整段階ではリアシート座面は垂直には立てることができず、直立状態を維持できないという使い勝手の悪さもある。
これに関しては、垂直に立てるための改造を施すと使い勝手を改善できる。
関連記事: リアシートの座面を直立可能にする
積載スペースとしてはいささか横に細長い形となるため、このスペースに箱を置く場合は選択肢が狭まる。
前項に同じくこの場所はリアシートにも乗員がいる場合には使えない。
セキュリティ上の問題も前項に同じだ。
「リアシート足置き付近への積載」との組み合わせは、立てたリアシート座面がこのスペースを侵食するため、侵食を前提としたサイズの買い物カゴを選択しない限り困難になるだろう。
リアキャリア #
オプションでリアキャリアを取り付けた場合は、そこが荷物を積載可能な場所となるが、囲いがないため、実際に荷物を載せるに当たっては、荷物をカーゴネットで押さえ込んだり、箱やバッグを取り付けるなりの工夫が必要となる。


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リアキャリアは強度に問題があり、リアキャリア取り付けボルトのある車体下部付近が折れる事例が複数報告されている。
リアキャリアを使用する際は、破損する可能性があることを頭に入れておく必要がある。
オーナーによっては、自分で溶接して、あるいは鉄工所に依頼してリアキャリアの修理・補強をしている人もいるぐらいだ。
普段から重量のある箱などの負荷となるものを取り付けて使用すること、そして重量物の積載には、リスクが伴うと考えておいた方がいいだろう。
その点で、このような心配とは無縁のリアシートへの荷物の積載には安心感がある。
ルーフキャリア(ベースキャリア) #
製品を選ぶと、APtrikes125にはルーフキャリア(ベースキャリア)を取り付けることが可能だ。
- 関連記事: ルーフキャリアの取り付け

ルーフキャリアを取り付けるに当たっては、ルーフに穴を開けて取り付けるか、開けずにルーフサイドに挟み込んで取り付けるかという選択が生じる。(上掲の写真は後者)
すべての場合に共通するのは、1mという車幅の狭いAPtrikes125に適合させるため、バーの切断がマストになるということだ。
だから、特定車種専用のルーフキャリアはもちろん、バーにあらかじめ取り付け用の穴が開いていて、そこから使用穴を選択するようなタイプのルーフキャリアは使うことができない。
少なくとも、バー上をスライドさせて支柱が自由に移動できるタイプの汎用品である必要がある。
ルーフに穴を開けて取り付ける場合 #
取り付け位置の自由度が増し、車体の前後に大きく間隔を広げてルーフキャリアを取り付けることができ、大きなルーフボックスを取り付ける際に安定するほか、特定のバー間隔を必要とする取り付け物に対応しやすくなる。
また、汎用のルーフキャリアから適合品を見つけるのがやや簡単になる。
ルーフサイドに挟み込んで取り付ける場合 #
ルーフキャリア取り付け位置は、車体横開口部の上辺直線部分の両端と必然的に決まってくる。

ルーフに穴を開けて取り付ける場合と比較し、前後方向の間隔が狭まるため、大きなルーフボックスを取り付けるのが困難になる。
APtrikes125の特殊なボディ形状においても取り付けられる汎用ルーフキャリアは限られてくるので、慎重な製品選択を要する。
固定爪が、ルーフからサイドのアルミフレームまでを挟み込める製品を選ばなくてはならない。
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ルーフ裏カーゴネット #
特殊なパーツを必要とするが、ルーフ裏にカーゴネットを取り付けることも可能だ。

両サイド開口部のアルミフレームにカーゴネット用のフックを取り付け、そこにカーゴネットを引っ掛ける。
筆者が設計した3Dプリンター用のデータを無料で公開している。
- Roof cargo net hook for APtrikes125
当然頭上の空間を侵食するので、頭と干渉することもありうるが、手回り品を収納するのに最適な、雨に当たらない収納スペースとなるので便利に使っている。
ドライバーズシート下収納 #
ドライバーズシート下には標準状態では何も収納がないが、工夫でいくばくかの収納を設けることが可能。

- 関連記事: 運転席下収納
ドライバーズシートを起こすと出てくるシートフレーム。
ここにダイソーで売っているトレーをはめ込み固定することで収納スペースにできる。

写真では後ろ側が自作のトレーになっているが、ダイソーで買えるトレーにちょうどのサイズのものがある。
また、ドライバーズシートの裏側に、A4判のファイルをタッカーなどで固定すると、書類入れにできる。

リアシート下収納 #
リアシートの座面を起こすと出てくる底板を外すと、燃料タンク前に空きスペースがあるのが分かる。

ここに箱を埋め込み、底板をそのスペースに合わせて切り抜き、ヒンジを取り付けて開閉可能にすると、比較的大きな収納スペースになる。


やや取り付け加工が大変だが、その価値はとても大きい。
- 関連記事: 後部座席の下に収納を作る
リアシート背もたれ裏の収納スペース #
リアシート背もたれをワンタッチで付け外しできるようにし、その裏のデッドスペースを収納化可能だ。
- 関連記事: リアシート背もたれ裏を収納化する

