CarPlay、Android Auto対応ドラレコを取り付ける #
APtrikes125にバイク向けのCarPlay、Android Auto対応ドラレコ、Changer MT7を取り付けた。

※2025年4月現在は旧機種のMT6しか買えなくなっているので注意
- Changer バイク用ドライブレコーダー CarPlay/Android Auto対応 GPS搭載 走行情報表示可能 5インチ タッチパネル バイクナビ 前後 ソニ製前後カメラ IP68防水防塵 スマホ連動 BT対応 音声案内 画面分割表示可能 メーターモード表示選択可能 エンジン連動 技適取得済み 屋外使用対応 64GBメモリカード付き 24時間駐車監視(MT6)
夏場にスマートフォンをナビに使っていると、熱による速度低下(サーマルスロットリング)でナビの動作が追い付かなくなり、困ることがあったこと。
スマートフォンを新型に買い換えたことで振動によるカメラの故障が気になったためだ。
一応制振ダンパー付きのスマートフォンホルダーにサンシェードを取り付けたので、それで凌げるとは思うのだが、CarPlayというものを体験してみたかったということもある。

スマートフォンホルダーを取り付けたクランプバーについては、以下の記事に詳細を書いている。

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CarPlay、Android Auto対応機器は車載を目的としているため、バッテリー不搭載(バッテリーは低温、高温に弱く、経年劣化がある)。
高温での速度低下が起きにくく、本体は振動に弱い光学手ぶれ補正付きのカメラ不搭載で振動にも強いといった特徴を有していることが多く、なおかつバイク対応の製品では防水性、前後のカメラ(ドラレコ機能)も備える。
そもそもスマートフォンより安価(MT7の場合、2025年4月現在で27,000円ほど)で、スマートフォンの身代わりにしても惜しくないといった特徴がある。
CarPlay、Android Autoの何がいいのか? #
CarPlay、Android Autoとは、スマートフォンに車載用の外部ディスプレイを有線・無線接続できるようにする規格のようなものだ。
筆者はiPhoneだけを使っているため、Android Autoでの動作状況は分からない。大きな違いはないと思うが、以降、CarPlayでの動作を前提に解説する。
MT7側から見た解説 #
単純な外部モニターとは異なり、映し出される画面は車載用途に再構成されており、スマートフォンをそのまま使うのより運転中の操作で便利になっている。
例えば、アプリ動作中もアプリ起動用のアイコンは脇に表示されたままで、いちいちホーム画面やアプリ切り替え画面を出さずともアプリ間の切り替えが可能。


ボタン二度押しやジェスチャーなどが不要で、面倒が緩和されるなどだ。
CarPlay側だけで操作が完結するようにもなっている。
MT7とスマートフォンとは無線で接続されるため、スマートフォンはポケットの中のままでOK。

無線接続にBluetoothを使っているため、ペアリングを済ませていればスマートフォン側では何も操作しなくともMT7側の電源が入れば自動的に接続され、連携動作が始まる。

CarPlay上ではナビゲーション(GoogleマップやYahoo!カーナビなど)や音楽アプリ(Spotifyなど)といったCarPlay対応をうたったアプリしか使えないが、スマートフォンとの接続時に自動的に前回使っていたアプリが起動したり、自動ロック機能がないためにロック解除の手間がなかったりと、細かなストレス軽減が図れる。
以下の4枚のスクリーンショットは、筆者のMT7のホーム画面だ。筆者のiPhoneにインストールしたアプリの中でCarPlayに対応したアプリの一覧となっている。




APtrikes125にMT7を取り付けると、あたかも自動車に取り付けた純正ナビのような感じで使えるようになる、というのが最もシンプルな表現になるだろうか。
スマートフォン側から見た解説 #
CarPlayで接続されている間も、スマートフォン本体は普段と変わりなく使える。
CarPlay上で動作しているアプリだけは連携動作専用のモードでの動作になる場合もある。
例えばGoogleマップでナビをさせると、スマートフォン本体では道順をリスト形式で表示。CarPlay側ではナビ画面といった感じで役割分担をするように連携動作する。

逆をいうと、Googleマップでは、CarPlay連携動作中にナビを開始した場合、スマートフォン側では通常のナビ画面を表示させることはできないようだ。
一方、SpotifyはCarPlay連携動作中もスマートフォン側、MT7側どちらも独立して使えるようになっている。

このように、連携動作の内容はアプリ側の作りに任されているようで、統一された動作モードのようなものはない。
「APtrikes125にMT7を取り付けると、あたかも自動車に取り付けた純正ナビのような感じで使えるようになる」と書いたが、スマートフォンがポケットの中のままだと、MT7との連携動作中は普段よりバッテリー消費が多い状態になっている点に注意が必要だ。
大型のiPhoneのようにバッテリー容量に余裕のある機種で、なおかつ短距離の移動であれば気にするほどではないが、スマートフォンはポケットの中のままでも、給電はしておくなどスマートフォン側のバッテリー消費にも気を遣う必要がある。

ドラレコとバックモニター #
MT7取り付けの目的として、バックモニターを兼ねさせたいということもあった。
APtrikes125は真後ろが見えず、バック時に気を遣う。
前後カメラ付きのドラレコなら、バックモニターの役も兼ねさせることが可能ではないかと考えた。
後方カメラの憂鬱 #
後方カメラの取り付け場所の候補となるのは、リアウインドウ室内側の中央上端。

もしくは車外ナンバー灯の上辺りだろう。

後方カメラは、ドラレコ用の録画、通常運転時の後方視界の確保という目的においては、カメラの向きは水平に近い方が最適。

後方カメラを後退時に使うバックカメラとして期待するなら、カメラの向きが水平だと近くが見えず不適切。車体近辺を写し込むよう下向きがいい。しかし、そうするとドラレコや通常運転時の後方視界の確保という点では不適切。

この二律背反の問題を認識すると頭を抱えてしまう。
この問題は、特に室内リアウインドウ内側上端に取り付けた場合に顕著。
後方カメラをリアウインドウ内側上端に取り付けた場合でも、風景の水平線(消失点)を画面のセンターから上側に外してセットする(要するに少し下向きにする)とかなり近傍をカバーできるが、まだ不足している感はある。

カメラを下向きにせず、後退時のバックカメラとしても機能させたいなら、できるだけカメラの取り付け位置を下にする方がいい。

例えばナンバー灯の上辺りにすれば、車体付近の地面も写し込むことが可能となる。
これで両方の目的を果たすことができるようになって万々歳かと思いきや、カメラの取り付け位置を下にすると、後続車のヘッドライトのカットラインの下になってしまい、夜間の眩惑という問題が浮上する。
最も懸念しなければならないのは、後続車のナンバーがドラレコに記録できなくなる可能性が高くなるということだ。
このような考察から、自動車においてバックカメラとドラレコの後方カメラが別になっていることの合理性に思いを馳せることになる。
筆者はAPtrikes125にサイドカバーを取り付けていることもあり、車体脇から後ろを覗き込んでの運転ができず、バックカメラとしての機能も重要だと考えている。
- 関連記事: EV-TUK TUK用サイドカバーの利用
このことから、バックカメラはバックカメラで画角は最適化されていてほしいため、別途取り付ける判断とし、後方カメラは防眩効果が期待できるリアウインドウ室内側上端に取り付けることにした。
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オルタネーター(発電機)が貧弱なAPtrikes125において、バックモニターという電装品を増やすことに抵抗はあるが、バック時のみ12Vが出力される空き端子が運転席下にあるので、それを活用すればバックモニターが消費する電力はほとんど気にしなくていいのではないかと考えている。

製品概要 #
筆者が買ったChanger MT7は中国製の製品。
スマートミラーのような横型で、視界を遮りにくい。

全体的に質感が高く、3万円を切る値段で買えるものとしては満足感が高い。

MT7には前後カメラに加え、ワイヤードリモコンが付いている。

本体からは一本太いケーブルが出ており、そこに四つ又のケーブルを接続。
四つ又のケーブルの先はJuletコネクタが付いていて、それぞれ、
- 電源ケーブル
- 前方カメラ
- 後方カメラ
- リモコン
を接続するようになっている。
ケーブルだけで結構な物量となり、これをどう収めるかを考えるのがなかなか大変だ。

電源の配線 #
MT7は、ACC電源、アースのほか、常時電源(バッテリー直配線)も必要とする。
ACC電源だけの配線ではダメで、常時電源も繋いでおかないと起動しない。
筆者は待機電流によるバッテリー上がりを恐れて常時電源は繋ぎたくなかったため、常時電源、ACC電源の配線を両方ACC電源に繋ぐことにした。
これでMT7は起動し、それで困っていない。
電源系の配線はダッシュボードとボディとの隙間からヘッドライト裏に回し、そこにある空きACC電源から電源を取った。
- 関連記事: 配電盤の取り付け


後方カメラの取り付け #
購入する前に一番気になったのが、後方カメラのケーブルの長さが足りるかどうかだ。
結論から言うと、リアガラスの上に取り付けるなら何とか足りた。
後方カメラのケーブルは右のアルミフレームの上を渡し、後部座席上のルーフとリアボディとの継ぎ目の部分にケーブルを伝わせ、リアガラスの中央に至ったところで垂直に下ろす。こんな感じの取り回しなら長さが足りた。






右アルミフレームが途切れる後部座席上部分のケーブルの取り回しは、曲げられる柔らかい1メートルのケーブルカバーを、3Dプリンターで作成したパーツでボディー継ぎ目の部分に引っかけるように固定して、ケーブルが剥き出しになるのを避けた。
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ケーブルカバーを後部座席上のルーフとリアボディとの継ぎ目の部分に引っ掛けるパーツの3Dプリンター用データは以下で共有している。
- Changer MT7 Mount Kit for APtrikes125 by hitoriblog - Thingiverse"
リアガラスの下側に取り付けようと思う場合は、ケーブルの延長が必要になる。
後方カメラケーブル途中のコネクタはJuletの4ピンで、国内ではAmazonで入手が可能だが結局中国からの発送になるのと割高なので、筆者はAliExpressで中継ケーブルを購入した。

- ジュレ電動自転車 Cable2 3 4 5 6Pin 変換変換ライン防水延長ケーブルスロットルディスプレイ Ebrake ライト

ただし、MT7のJuletコネクタはロックリング付きで、通常のJuletコネクタとはちょっと仕様が異なっている。
通常のJulet4ピン中継ケーブルが使えるかどうか検証してみた。
結果、MT7本体のオスコネクタと中継ケーブルのメスコネクタは接続できたが、カメラのメスコネクタと中継ケーブルは中継ケーブルのオスのハウジング(外側の樹脂囲い)がキツくて入らない。
中継ケーブルのオスのハウジングに切り込みを入れると使えるようになると思うが、既に書いた通りMT7の後方カメラの設置位置は現状維持することに決めたので延長の必要がなくなり、それ以上は試していない。

MT7付属のカメラのマウントは水平面に取り付けるのが前提の作りで、リアガラスに貼り付けることになるAPtrikes125の場合は付属のマウンタでは都合が悪い。

垂直面に取り付けるためのマウントを3Dプリンターで作成してリアガラスに貼り付ける形で取り付けた。



貼り付けには日東の両面テープを使った。
- 日東 再剥離可能強力両面テープNO5000NS 15mm×20m 5000NS15
リアカメラ取り付け用のマウントの3Dプリンター用データは以下で共有している。
- Changer MT7 Mount Kit for APtrikes125 by hitoriblog - Thingiverse"
積層方向の関係で、強度を出すため、接着剤で貼り合わせる作りとなっている点に注意。
筆者は接着剤としてアクリサンデー接着剤を使用している。
- アクリサンデー アクリル接着剤 注入器付 30ml 14-3201
樹脂を溶かして貼り合わせるため、強度が出やすい。筆者は3DプリントにPETGフィラメントを使ったが、アクリサンデー接着剤はPETGにも使える。
本体と前方カメラの取り付け #
本体は、メーターパネル上への取り付けを考えた。
筆者には車体への穴開け、粘着テープを使っての固定を回避するというポリシーがある。
以前取り付けたクランプバーに、さらに二つのクランプバーを親カメ子カメのように継ぎ足し、メーター上にクランプバーを位置させた。

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そこへ取り付けることにした。
すべてボルトオンなので、いつでも純正状態に戻すことができる。
前方カメラも、このクランプバーに取り付けることにした。
付属のマウントは水平の平面に取り付ける作りであるため、ここにも使うことはできない。

3Dプリンターで作ったマウントを使用してクランプバーに固定した。


マウント用の3Dプリンター向けパーツデータは以下で公開している。
- Changer MT7 Mount Kit for APtrikes125 by hitoriblog - Thingiverse"
嵩張るケーブルは、クランプバーに固定したり、クランプバーのキャップを外し、その中に詰め込んだりして何となく収まりを付けた。



有線リモコンの取り付け #

付属の有線リモコンは、後方カメラとアプリの画面を交互に切り替えるのに使えたりと便利。


アクセルのない左グリップの根元に巻き付けるように取り付ける前提となっているが、グリップを握る位置が外側にずれることになるので筆者はそれを回避したかった。

そこで、有線リモコンを22mmのパイプに取り付けるためのアダプタを3Dプリンターで作成した。



3Dプリンター向けパーツデータは以下で公開している。
- Changer MT7 Mount Kit for APtrikes125 by hitoriblog - Thingiverse"
有線リモコンは、M10のミラー穴に短い直径22mmのクランプバーを取り付け、そこに取り付けた。ここに使うボルトは「細目ねじ」というピッチの細かいものだ。
通常はピッチ1.5mmのところ、細目は1.25mmだ。ホームセンターにはあまり置いていないので、二輪用品店を当たるといい。
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実際の使い勝手 #
スマートフォンをポケットや鞄から出してこなくとも勝手にMT7と無線でつながり、ナビや音楽アプリが使えるようになるのは便利に感じる。
スマートフォンを直接使う場合は、ホルダーに固定したりホルダーから外したり、必要に応じて自動ロックの解除をしたりといった手間があるが、MT7は最初から車体に固定され、画面は付きっぱなしなのでそのような面倒もない。
スマートフォンホルダーからスマートフォンが落ちて損傷する心配もない。
MT7単体でGoogleマップなどを起動し、使用できるが、スマートフォン本体で使うのよりレスポンスは落ちて使い勝手は悪くなる。
ただし、スマートフォン本体で目的地を設定してナビを開始した状態でMT7と接続すると、既に目的地が設定された状態でGoogleマップが起動するため、MT7で苦労して操作する必要はない。

APtrikes125に乗り込むまでに目的地設定をしておけばいいわけだ。
スマートフォンがポケットや鞄の中なら、振動でカメラが壊れたり、直射日光によるサーマルスロットリングで動作速度が低下してナビが使い物にならなくなることもないのは安心だ。
MT7にはスピーカーが付いておらず、音はスマートフォン本体から出るため、スマートフォンを鞄などにしまったまま使う場合は、音を聞こえるようにするための工夫が必要になる。
筆者はAPtrikes125にBluetoothスピーカーを取り付け、APtrikes125のキーをオンにすると自動的に接続されるようにしたのでMT7の使い勝手が上がった。

- 関連記事: スピーカーの取り付け
スマートフォンをポケットや鞄の中に入れたままMT7を使う場合は、スマートフォンのバッテリーは減りっぱなしになるため、移動が長時間にわたる場合はスマートフォンへの電源供給を考えないとならない。
スマートフォンの本体保護の目的がスポイルされるが、MT7の横にスマートフォンホルダーを固定し、そこにMT7と並ぶようにスマートフォンを固定すると、MT7ではナビ、スマートフォンではSpotifyなどの音楽アプリを同時使用できるようになって便利だ。

左グリップの有線リモコンでアプリ画面と後方カメラからの映像を交互に切り替え可能。


APtrikes125では自分の頭や後部座席乗員の存在が邪魔になってルームミラーが機能せず、真後ろの視界が得られない。
後方カメラがあると真後ろが見られるようになるのは便利だ。
一方、後方の窓ガラス上端に後方カメラを水平に取り付けたため、車体後方近辺の地面の様子があまり見えず、バックカメラとしては心許ない。
後方カメラはあくまでもルームミラーや後方ドラレコとして機能するだけだ。
一部の高級車にあるように、後方カメラをサーボやステッピングモーターでで上下に動かしてバックカメラとしても使えるようにするアイデアもあるが、それよりは3,000円ほどで買えるバックカメラ&モニターセットを取り付ける方が現実的かつ便利だろう。
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総じてMT7を取り付けたことに後悔はない。前後カメラにバックモニター用のカメラも加えた3カメラ仕様だったらと思わなくもないが、元々バイク用ゆえ、それを求めるのは無茶というものか。