オイル交換

オイル交換 #

メーカー(Alive Plus)によるオイル交換推奨走行距離は3,000km毎。

APtrikes125に搭載されたゾンシェン製エンジンは、数ある中国製のホンダクローンエンジンの中でも高品質だという評があるが、慣らし運転前後は、早めのタイミングでオイル交換した方がよさそうだ。

エンジンに貼ってあるラベルには、慣らし運転について中国語でこう書いてある。

1. 始動前に油量が十分であるか確認してください。

2. 慣らし運転期間中の速度は 50km/h を超えてはなりません。

3. 慣らし運転期間中は、300km ごとにオイル交換とフィルターの清掃を行ってください。

Zongshen Shell エンジンオイルの使用をお勧めします。

新車のうちはオイル汚れの進みが早く、鉄粉が混じることも多いようだ。

とはいえ、新車から300km、600kmと刻んでおけば、あとは普通でいいのではないかと思われる。

ただし、空冷エンジンであること、冷却効率が高いボディ構造ではなく、熱による劣化が早く進むと思われることから、筆者は2,000km毎の交換としている。

夏は特に過酷な走行条件でなくとも油温が140°Cを超えることがあり、オイルにとってかなり劣悪な条件。

夏の間は、1,000km毎に交換した方がいいかもしれない。

オイルが劣化すると粘度が下がり、潤滑性能が下がるため、トラブルの元になってもおかしくない。

使ってはいけないエンジンオイル #

APtrikes125はスーパーカブと同じ自動遠心クラッチを採用しており、使うエンジンオイルを間違うとクラッチ滑りが起きてしまうことがある。

一度こうなるとクラッチ板に不適合オイルが染み込んで、事後に適合オイルに交換したとしても以前の状態を回復できず、クラッチ板交換が不可欠になるという話もあるので、エンジンオイルの選択は慎重に行いたいところだ。

少なくとも、自動車用のオイルの流用は避けるべきだ。

推奨エンジンオイル #

メーカー(Alive Plus)による指定オイルは以下のようになっている。

SAE規格API分類
10W-40SE、SまたはSC

1回の交換で必要な油量は700ml〜800ml程度だ。

APtrikes125のエンジンはキャブレター時代(現行はフュエルインジェクション式)のスーパーカブやモンキー50とほぼ同じなので、スーパーカブでの利用が推奨されているオイルを使う、という方針がおすすめできる。

スーパーカブの推奨オイルはHONDA ULTRA G1(5W-30)。これはメーカー指定の10W-40とは違って、粘度が少し低い。

同社の同粘度のオイルはHONDA ULTRA G2(10W-40)となるので、これが安心して使えるオイルの一つになると考えられる。

エンジンの始動性にも影響するので、冬場は柔らかいHONDA ULTRA G1(5W-30)、暖かくなってきたらHONDA ULTRA G2(10W-40)という使い分けがいいのではないかと思う。

  • Honda(ホンダ) 2輪用エンジンオイル ウルトラ G1 SL 5W-30 4サイクル用 1L 08232-99971
  • Honda(ホンダ) 2輪用エンジンオイル ウルトラ G2 SL 10W-40 4サイクル用 1L 08233-99961 [HTRC3]

使用実績のあるエンジンオイル #

このほか、以下のオイルの使用実績がある。

筆者はエクスターを使ったことがあるが、あまり違いが分からなかった。

  • ワコーズ PRO-S40 プロステージS 10W40 高性能ストリートスペックエンジンオイル E230 1L E230 [HTRC3]
  • スズキ 純正 エクスター 10W-40 1L バイク 二輪 エンジンオイル オイル ECSTAR R5000 ノズル付 99000-21E90-017 ECSTAR 部分合成油 MA2 タイプ04

便利なアルミパック入りのエンジンオイル #

APtrikes125に適合するエンジンオイルには、アルミパック入りのものがある。

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通常エンジンオイルを注入するには、オイル缶にノズルを付けた上で、注油口側にもろうとを付けるなどの準備が必要となる。

分量を計った上で注入するなら、オイルジョッキに移し替える手間も発生する。

オイルを注入した後は、オイルまみれのノズルや、ろうと、オイルジョッキ、オイルジョッキのノズルのやりどころに困る。

ところが、このアルミパック入りのエンジンオイルは、キャップを外せばそのまま注油口から入れられ、入れ終わったらキャップを締めるだけで済むため、汚れ物が出ず、オイル注入の手間が大幅に減る。

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なおかつ、残った200ml〜300mlのオイルがそのまま補充用に回せ、積載に場所を取らないため、使い勝手が完璧なのだ。

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使い切ったアルミパックは、そのまま捨てられる。

APtrikes125との適合も問題なく、筆者が今使っているのがこれだが、クラッチ滑りの症状は出ていない。

ダメ押しで安価。モノタロウで買うと1本799円だ(ちょっと前までは649円だった)。

ただし、モノタロウは3,500円以上購入しないと送料500円が無料にならないため、合計が3,995円になる、5本まとめ買いを検討することになる。

Amazonからも買うことができるが、少し割高だ。

セラーの「スーパーセンター ニシムタ」は送料880円だが5本までまとめ買いができ、その場合でも送料は880円で済む。この場合の1本当たりの価格は996円。

10本まとめ買いで送料が無料になるはずだが、5本以上はカートに入れられなかった。

オイルレベルの確認方法 #

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APtrikes125はよくオイル漏れがある車種で、その有無を確認するためにも、定期的なオイルレベルのチェックが不可欠だ。オイルが劣化するより、オイルが入っていないことの方が重篤なトラブルにつながりうるためだ。

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  • エンジンが冷えている場合は3〜5分アイドリングしてエンジンを温める
  • エンジンを止めて2〜3分エンジンを冷やす
  • オイルレベルゲージを抜き、一度ウエスで付着したオイルを拭う
  • 再度オイルレベルゲージを差し込むが、このとき、オイルレベルゲージを捻じ込んではいけない。あくまでも給油口に当てがうだけで、捻じ込んではいけない
  • オイルレベルゲージを引き抜き、オイルが規定量入っているか確認

このような手順でオイルレベルの確認が可能だ。

オイルレベル確認の裏技 #

オイルレベルゲージを抜くには、サイドカバーが邪魔になる。

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これを外すのが面倒で、ついついオイルレベルの確認を怠りがち、というのがAPtrikes125あるあるになるだろうか。

しかし、オイルレベルを確認するだけなら、運転席の座面を起こすと、サイドカバーの内側からオイルレベルゲージにアクセスできることを知っていると役に立つ。

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サイドカバーの下からも手が届くが、オイルレベルゲージを抜き取るのが困難かもしれない。

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オイル交換の方法 #

通常オイル交換は、エンジン下部のドレンボルトを外してオイルを抜き、注油口から新しいオイルを入れるいわゆる「下抜き」の手順で行う。

このほか、オイルチェンジャー(オイルポンプ)を使って注油口から古オイルを抜き、同じ注油口から新しいオイルを入れる「上抜き」という手法がある。

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この方法だとドレンボルトを外す必要がなく、上手にやれば手を全く汚さずに楽にオイル交換ができるため、筆者はこちらの方法でオイル交換をしている。

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「上抜き」はオイルの底に沈澱するスラッジ(沈積物)が完全には排出できない(諸説あり)という理由で忌避されることもあるが、「下抜き」であってもスラッジが完全に排出できるとも限らず、個人的には「上抜き」で楽をして精神的負荷を下げ、オイル交換の頻度を上げる方がエンジンのためにいいのではないかと考えている。

「上抜き」ならドレンボルトを触らないため、使い捨てになるドレンワッシャーを用意しなくていいし、ドレンボルトに関係するトラブルを起こさずに済む。

  • デイトナ(Daytona) バイク用 ドレンワッシャー M12 厚さ1.5mm ドレンボルトガスケット 3枚入り 96731

普段は自分で「上抜き」でオイル交換をし、何回かに一回はバイク屋さんで「下抜き」スタイルでオイル交換をしてもらうといったやり方もあるだろう。

ドレンボルト型オイルチェンジャーを使った「下抜き」の方法 #

ドレンボルトの代わりにドレンボルト型オイルチェンジャーを装着すると、ワンタッチで古オイルを「下抜き」できるようになる。

  • L-001 オイルコック・ジョイント L型 EZ101〜EZ125まで適用 オイルチェンジャー

オイル交換を楽に済ませたいなら、これを使うのも一つの手だ。ドレンボルト型オイルチェンジャーにホースをつなぐこともできるので、オイル受け皿を経由せず、ポンプ型オイルチェンジャーのように直接容器に受けることも可能だ。

オイル交換とクラッチ滑り #

オイル交換したては、クラッチが滑ることがある。

オイル交換をきっかけに始まったクラッチ滑りは、100km〜200km程度走っていると症状が治まる可能性が高い。

廃油の処理 #

筆者の住む世田谷は、普段のゴミ出しで廃油を出せない。

そんな世田谷はセルフオイル交換のハードルが高い。

廃油ガソリンスタンドで引き取ってもらえる場合があるが、その場合はサービスメニューにオイル交換があるガソリンスタンドであることが最低条件になる。意外とオイル交換をやっていないガソリンスタンドが多い。

オイル交換をやっているガソリンスタンドの検索は、gogo.gsですると便利だ。

バイク用品店の2りんかんでは、無料で廃油の引き取りをしてもらえるほか、不要であれば空き缶も引き取ってもらえる。

同じバイク用品店のナップスでも、廃油の引き取りを行なっているところがあるそう。

オートバックスでも廃油の引き取りをやっているとのことで、一番近所で見つけやすいスポットかもしれない。