リアサスペンションの交換 #
APtrikes125のリアサスペンションは非常に固く、乗り心地はリヤカーのような感じだ。

リアサスペンションが機能している感じはあまりない。
地面の凹凸を敏感に拾い、ガタガタとした振動を伝えてきて不愉快だ。
結論から言うと、フロントフォークにもサスペンションが付いているが、リアサスペンションを調整・交換するだけでかなり改善される。
標準状態のAPtrikes125に乗っていたころは、路面の凹凸を凝視し、少しでも平たい地面を探して走っていたものだ。
車体に伝わる振動は単に乗り心地が悪いというだけでなく、決して丈夫とはいえない車体の各部を破壊していく結果をもたらしかねない。
この固いサスペンションをどうにかするのは、APtrikes125オーナーに課された危急の課題だと筆者は考える。
リアサスペンションの仕様と取り付け状況 #
- ボルトとナットはM10
- 純正リアサスペンション上下の取り付け穴の直径は12mm
- スイングアーム側の取り付け穴は直径10mm
- 車体側の取り付け穴の直径は12mm
- 取り付け寸法は340mm

取り付け寸法とは、サスペンションの上下の取り付け穴の中心間の長さのことだ。
スイングアーム側の取り付け穴が直径12mmならボルトもM12に統一できたのだろうが、スイングアーム側の取り付け穴(10mm)に合わせてM10のボルトが使われたような格好になっている。
12mmの穴にM10のボルトが使われているのでガタガタだ。
上側はボルト、ナットをM12に交換、下側はサスペンションの取り付け穴12mmを10mmにするカラーを入れると辻褄を合わせることは可能だ。
純正リアサスペンションを調整する #
ガチガチの純正リアサスペンション。後ろに人を二人乗せるとリヤカー感が薄れ、意外にちょうどいい感じになる。
240kgの車重に対する3人の搭乗者の体重が占める割合が多いため、こういうことにもなろうかと納得する瞬間だ。
とはいっても、一人で乗ったときにガタガタではやはり困る。
そんな純正サスペンションにも調整の余地がある。
純正サスペンションでも、いわゆるプリロード調整(イニシャル調整)が可能なのだ。
後部座席下の底板を外すと、リアサスペンションに上からアプローチできる。

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太めの結束バンドを用意し、リアサスペンションのスプリングに結束バンドを巻き付け、スプリングを縮んだ状態で固定する。結束バンドを引っ張りながら車体を揺すると縮ませられるだろう。
そうするとプリロード調整用のアジャスターを回せるようになるので、できるだけスプリングが緩む(伸びる)ようにアジャスターを調整する。

回らない場合は、フックレンチが必要になるかもしれない。
- HFS(R) フックレンチ 32-76mm 調整可 Mサイズ Cスパナ 車高調 リングナット 締め 緩め ロックナットサスペンション 修理 フレキシブル フックスパナ
これでちょっとはガタガタが和らぐはずだ。
前出の問題を解決するために、上側のボルト、ナットはM12に交換するとベター。
下側はサスペンションの取り付け穴を12mmから10mmに縮小するカラーを入れるとさらにベター。
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リアサスペンション交換動画 #
リアサスペンションの交換をテーマにした動画を集めた。
リアサスペンションの交換は人気のあるテーマで、たくさん動画がある。
2021/04/20 リアサス交換(mokmok-モクモク) #
2021/04/21 リヤサスペンション交換!(麺麺) #
2021/04/30 さすがにサス交換させて頂きましたが何か (๑˙ϖ˙๑ ) ?(おもてなしホステル宮島) #
2021/05/02 サスペンション交換(三人家族の三輪バイクで動画集) #
2021/05/14 サスペンション交換したら別の乗り物になったってぐらい感動した(アイルーベルちゃんねる) #
2021/06/26 カスタム!リアサス交換!! \(^-^)/(マルモリさんの日常) #
2021/08/30 無知な家族がユーチューブで得た知識でサスペンション交換に挑戦すると何か起きます(YYファミリーチャンネル) #
2023/02/01 ジャパドラマフラー&YSSの実力は!?(梅小路学チャンネル) #
2023/08/25 脱ノーマルタイヤ&サス/タイヤ交換とYSSでAPは覚醒する(梅小路学チャンネル) #
APtrikes125に使える交換用サスペンション #
社外のサスペンションに交換すると、乗り味は激変する。
前述の取り付け状況を鑑みると……。
- 取り付け寸法340mm
- 上側の取り付け穴直径12mm
- 下側の取り付け穴直径10mm
取り付け寸法は欲しいセッティングに応じて変わるが、基本的にはこのような交換用サスペンションを探すことになる。
汎用のサスペンションには大抵取り付け穴にセットするカラーが同梱されているので、それを使って取り付け穴の直径が変更できればOK。
RFY 高性能リアサスペンション 車高調整機能付き 軽量アルミボディ2本1セット 参考価格9,081円 #
定番のRFYのサスペンション。ジャパンドラッグ扱いの高性能リアサスペンションというのがRFY製だ。
- 全12色 リアサスペンション 320mm 340mm 375mm 400mm 可調整 リアショック タンク付き CNCアルミ合金製 交換 安定 強化 補強 カスタムパーツ 汎用 バイク
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ジャパンドラッグでは現在取り付け寸法350mmのものをチョイスしている。
RFYのサスペンションはプリロード調整ができるが、ジャパンドラッグでは、プリロード調整は端から10mm縮める形でセッティングしているということだ。
- 高性能リアサスペンション 車高調整機能付き 軽量アルミボディ2本1セット 350mm
2021/04/05 高性能リアサスで、快適走行!(ジャパドラチャンネル) #
2021/04/09 リアサスご購入された方への補足。(ジャパドラチャンネル) #
2021/04/29 リアサスペンションの補足です。(ジャパドラチャンネル) #
2024/02/19 リアサスって大事!(ジャパドラ チャンネル 2) #
プリロード調整については、この動画で言及。
線径7.3mmのプリロード・減衰調整可能リアサスペンション 参考価格12,800円 #
TOKUTOYOが販売しているリアサスペンションはスプリングの線径が7.3mmで柔らかめ。
調整がプリロードのみのRFYと異なり、減衰側も調整可能で高機能。
ただし、減衰側を固くしようと全閉まで締めてしまうと故障の原因になるので、弄れる分取り扱い注意だ。
TOKUTOYOから販売されているこのリアサスペンションの同等品はいろいろなブランドで販売されていて(中国製の製品にありがち)、筆者はBRAKEというブランドのものを購入した。つまり、筆者が使っているのがこのタイプのサスペンションだ。
筆者は純正リアサスペンションの固さの反動から、どうしてもリアサスペンションを柔らかくしたかったため、線径7.3mmのこの製品を選んだ。
- BRAKE バイク 汎用 340mm リアサスペンション 左右セット イエロー スプリング リアショック リアサス
- 汎用 バイク 電動バイク用 リアサスペンション ガス リアショック 340mm リヤサス 減衰力調整機能 シルバー 黒 TOKUTOYO(トクトヨ)
YSS G-series 参考価格37,800円 #
ゴツゴツ感が無く、滑らかな乗り味とのこと。上で掲載した動画にレビューあり。
- YSS ECO LINE リザーバータンク付ガスショック リアサスペンション 320mm XJR400/ R ‘93-95【RC302-320T-09-889】
オーリンズリアサスペンション(受注生産品) 価格139,700円 #
有名なオーリンズのものも選べる。
2022/12/01 オーリンズ リアサスペンション 新発売! #
2023/01/13 オーリンズリアサスペンションで 別次元の安定性 #
2023/01/18 オーリンズ リアサスペンション最高!! #
- オーリンズリアサスペンション(受注生産品)
サスペンション交換事例 #
筆者の事例を紹介。
純正リアサスペンションの固さにびっくり。
ガタピシガタピシとリアサスペンションが存在しないかのような乗り味は問題外だと感じた。
だから、リアサスペンションを交換するなら絶対に柔らかいものにしようと考えていた。
定番のRFYのサスペンションへの交換後のレビューを観察していたが、リアサスペンションを交換するよりリアタイヤを自動車用のものにする方が効果が高かった(※)、といったレビューが複数見受けられたため、RFY以外の選択肢を探していた。
※: 自動車用のタイヤはバイク用のタイヤよりサイドウォールが柔らかいため、バイク用のタイヤよりはショック吸収の効果を発揮するという理由による
筆者は既にリアタイヤを自動車のものに交換していたが、ガタピシガタピシする乗り味はあまり変わらないと感じていたため、RFYは選べないと考えた。それらの事例では一様にプリロード調整が固めだった可能性もある。
柔らかいサスペンションが欲しいというニーズに応えるのがスプリング線径7.3mmのこのサスペンションだ。恐らくRFYのサスペンションより線径が細く、柔らかいものになっていると思われる。
取り付け穴は12mmで、内径10mmのカラーが付属しているのでAPtrikes125に完全に適合する。

- BRAKE バイク 汎用 340mm リアサスペンション 左右セット イエロー スプリング リアショック リアサス
プリロード調整に加え、減衰側も調整できる機構になっている。
柔らかいセッティングにするとタイヤハウスにタイヤが擦ると考えたため、30mm延長して取り付け寸法370mmにした。この30mmのエンドアイにも内径10mmのカラーが付いていた。
注意点は、このエンドアイは2個セットではないので二つ必要なこと。

- RFY リアサス ロング エンドアイ コの字 → 丸型 変換 アダプター 30mm 延長
最初は自分で取り付けようと思ったが、謎にナットが緩まずAPtrikes125を買ったバイクショップに泣き付いて交換してもらった。

ボルトが齧っていて緩まず、ボルトカッターでボルトを切断して交換したと聞いた。
筆者の作業がまずかったのかと思ったが、筆者が手を付けていない左側のサスペンションの固定ボルトも齧っていたそうだ。
中国製のボルトなので、精度が悪かったのかもしれない。
セッティングは以下のようにした。
プリロード調整 | 減衰側 |
---|---|
端から11mm | 10段階目 |

結果的に、かなり柔らかくなって満足だ。
リアサスペンション交換後も依然揺れはするが、
- 純正リアサスペンション: ガガガガダダダダガタガタガタ
- 交換リアサスペンション: ユッサユサ……ユッサユサ
というぐらい違った。
ホイールベースが自動車より短く、また車幅も狭いのでそれ起因の揺れは仕方ない。
純正リアサスペンションではマンホールの凹凸すら忌避していたが、交換後は気にしなくなった。
フロント側はタイヤ含めドノーマルだが、リアサスペンションの交換だけで固さを感じなくなった。
柔らかいセッティング(プリロード調整で固くもできる)なので、カーブ、右左折でそこそこロールする。
個人的には「サスが動いている!」と嬉しくなった。
このような柔らかいセッティングはRFYのものでも出せるのかもしれないが、筆者は購入していないので比較ができない。
プリロードを弱くしたまま3人乗り(大人2+子供1)に対応するために、延長は必須だった。
最初は事情で340mmのまま取り付けたのだが、これで3人乗りしたところ、案の定タイヤハウスかフェンダーにタイヤが当たった。
370mmへの延長後はタイヤが当たることは一切なくなった。
リアサスペンション交換後、シミー現象が発生しやすくなった感じはある。
路面の凹凸に乗ってユッサユサと揺れるのがきっかけになってシミー現象が発生している感じがする。シミー現象に関しては、固い純正リアサスペンションの方が発生しづらかった。
シミー現象も嫌なのだが、リアサスペンションが柔らかい方が快適性は上なので、純正に戻したり、プリロードを強くしようとは思わない。
フロントタイヤを今話題の軽自動車用のものに交換して、シミー現象を解決しようと思っている。
- 関連記事: シミー現象と対策
まだフロントタイヤは交換していないが、ホイールスペーサーを挿入したところ直進安定性が増し、シミー現象が以前より落ち着いた感じがする。
- 関連記事: ホイールスペーサーの挿入