ルーフキャリアの取り付け

ルーフキャリアの取り付け #

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APtrikes125にルーフキャリア(ベースキャリア)を取り付けた。

1人で乗っている分にはあまり必要性を感じないが、3人乗ることが多いため、荷物の積載スペースとして後部座席が使えない場合の切り札として取り付けたくなった次第だ。

リアキャリアが折れる事例が複数報告されているため、筆者はリアキャリアをあまり信用していないということもある。

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車内騒音の静音効果も若干認められ、車体内側に突っ張り棒を入れている状態でも、静音方向に変化があった。

使ったルーフキャリアはAPtrikes125への取り付け実績のある以下のものだ。

  • dualmax ルーフキャリア アルミ 乗用車 汎用 ベースキャリア ハイルーフ 2本セット

ちなみに、以下の動画によれば、ベースキャリアの上にルーフラックを取り付けた状態では空気抵抗が大きくなり、最高速が5km/h落ちたそうだ。

筆者の経験でもルーフキャリアに取り付けるものによっては空気抵抗で最高速、燃費も落ちるため、取り付けに当たってはそのことも考慮しておかなくてはならない。

また、車体上部に重量物を取り付けることは車体の安定性にも影響を与えることになるので、APtrikes125を使い込んで、走行安定性を自分で評価してから選択した方がいい。

外観的には縦長のAPtrikes125だが、意外にトップヘビーということはない。しかし、三輪であるがゆえ、無理なコーナリングをすると転倒の危険があることは心にとどめておきたい。

車体上部に重量物を取り付けることはコーナリング性能低下を招くため、運転ポリシーにも影響を与えることになる。

取り付け方法の選択 #

このルーフキャリアは、

  • ルーフに穴を開けて取り付ける方法
    • 前後間隔を広く取れる
  • ルーフには穴を開けず、ルーフ端に引っ掛けて取り付ける方法
    • 前後間隔は、開口部上辺の直線部の長さに依存する

このどちらかの取り付け方法を選べる。

車用のルーフボックスのような大きなものを取り付ける場合は、前後間隔を広く取りたいため、前者を選択。

できるだけ車体に加工を加えたくない場合は、後者を選択することになる。

筆者はできるだけ車体には加工を加えないポリシーでカスタムしているため、後者を選んだ。

取り付け手順 #

まず、ノブにナットを落とし込む。

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ノブのナット穴の奥が狭いものがあるので、ベースの金具にボルトを通し、そこにノブを締め込んで(外側のS、M、Lプレートは使わない)、ノブの底までナットが落ちるようにする。

graph TD A[ボルトを通したベースの金具] D[ナット入りのノブ] D-->A

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ノブを緩め、取り外す。

プレートL(14.5cm)に付属のクッションテープを貼る。

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今度は、

graph TD A[ボルトを通したベースの金具] B[クッションテープを貼ったプレートL] C[ワッシャー] D[ナット入りのノブ] D-->C-->B-->A

という順に組み立て、プレートL(14.5cm)の長穴の下端にボルトが来るように位置調整し、ノブを締め込む。

ノブのナット穴がユルユルになっていることがあって、蓋があると後の作業に支障が出るため、ノブの蓋はまだ取り付けない。

プレートはS(12.5cm)、M(13.5cm)、L(14.5cm)と3種類入っているが、 APtrikes125に使えるのはL(14.5cm)だけ。 それ以外だと長さが足りない。

ベースの金具の底面に付属のゴムパーツを敷いて、とりあえず取り付け場所に当てがってみる。

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プレートL(14.5cm)をそのまま使うと外に広がった状態になってしまい、APtrikes125のサイドのアルミフレームにプレートL(14.5cm)先の鉤爪が引っかからない。この広がり具合を覚えておく。

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APtrikes125のサイドのアルミフレームに鉤爪が引っかかるように、プレートL(14.5cm)を内側に曲げる必要がある。

さきほど組み立てたものを、プレートL(14.5cm)を下に向け、APtrikes125のフロアに斜めに立てる。

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撮影の都合上、写真では片手になっているが、両手でベースの金具を持ち、スコップで穴を掘るような感じで力を加え、プレートL(14.5cm)を内側に曲げる。

意外と簡単に素手でグニャっと曲がる。 プレートL(14.5cm)の角度修正に特別な道具は必要ないわけだ。

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塩梅を見ていったん取り付け、曲げ具合が足りていなければ、再度曲げる。これを四つ分繰り返してプレートL(14.5cm)の角度修正を終わらせる。

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アルミフレームを車体後方に仮に取り付ける。120cmなので、そのままだと車体からはみ出してしまう。

自分でちょうどいいと思う長さを決めて、そこに切断のための目印を付ける。筆者は布テープを使った。

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ちなみに、APtrikes125のボディは車体前方が絞られた、大げさにいえば三角形をしているので、長さを決める際は車体後方を基準にした方がいいかと思う。

アルミフレームを何らかの手段で切断する。アルミなので、金鋸で簡単に切れるだろう。

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自分は車体の幅を広げたくなかったので、多めの29.5cm切断した。(つまりフレームの長さは90.5cm)

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位置決め後、ベースの金具とプレートL(14.5cm)を車体を挟み込むように握り込みながらノブを締めて、できるだけガタがない状態で固定。

切断したアルミフレームをベースの金具に差し込み、ベースの金具の下側のボルトを手で締められるところまで締め、最後に付属のアーレンキー(六角レンチ)で締める。

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反対側のベースの金具下側のボルトを締める際には、アルミフレームを手前側に引っ張りながら締める。こうすることで、車体左右方向のガタを極力なくすわけだ。

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アルミフレーム上側の溝を塞ぐゴムのパーツを、アルミフレーム上側の溝に差し込んでいく。必要な長さより長いので、ちょうどの長さで切断する。

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ゴムのパーツを少し引っ張り、5mmぐらい手前に飛び出させた状態でアルミフレーム端の蓋を上側から被せるように嵌める。

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反対側のアルミフレーム蓋も同様にして嵌める。

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ノブの蓋を閉める。ノブの蓋は若干緩い一方、必ず(?)バリが出ているため、あえてニッパーでバリを少し残した状態で切り取って、つじつまを合わせる。

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取り付けた状態はどうなる? #

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取り付け位置をサイドのアルミフレームのカーブが始まる手前にすると、前後のアルミフレームの間隔は、外側で測ると59cm。内側で測ると48.5cm。

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アルミフレームのカバーの端から端、つまり左右の長さが92cm。(自分のカット寸法の場合)

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前側のボディーとアルミフレームのクリアランスは、運転席頭上の突起部分の一番狭い部分が2mm程度。

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後ろ側のボディーとアルミフレームのクリアランスは15mm程度。

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前側のクリアランスが狭い部分が多いため、例えば、アルミフレームの両端部分を使うなど、ベースキャリアへの何かの取り付けには工夫が必要だ。

ルーフキャリア(ベースキャリア)にルーフパレットを取り付ける #

ここから先は筆者の個人的事情のなりゆきで至った結果なので、あまり役に立たないかもしれない。しかし、部分的にでも役に立つこともあるかもしれないと思って書いた。

ルーフキャリア(ベースキャリア)だけでは役に立たないので、さらにルーフラックならぬルーフパレットを取り付けた。ルーフパレットといいつつ、その実態はすのこだ。

木のすのこを載せてもよかったが、ボディとの色合わせで樹脂製のすのこを選んだ。

前提の知識として、レールの溝の幅は20mmだ。

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まずはベースキャリアへのすのこの取り付けだが、肉抜きされ、裏側が空洞になっている構造がベースキャリアへの取り付けに不都合だったので、3Dプリンターでスペーサーを作成。

さらに、ベースキャリアにネジで取り付けるために、ベースキャリアのレール内に差し込んだナットが中で回ってしまわないようにする回り止めのパーツも必要になったので、同じく3Dプリンターでナット回り止めを作成。

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作ったデータは以下に共有しておいた。

3Dプリンターが使えない場合は、このすのこは採用しにくいと思うが、スペーサーとしての木片と、木片に鬼目ナットを打ち込んだもので代用可能ではあるだろう。

  • uxcell インサートナット ボルト ジンク合金製 M6内部スレッド 長さ8mm 20個入

あるいはもっと簡単に木ねじを使い、レールの溝に入れるのはただの木片にする手もあるだろう。

必要になったパーツ類 #

  • オノカツ 純国産SUS304 ステンレス 大ワッシャー M6用 (M6用【外径20mm, 厚み 2mm】30枚入【M6x#4】)

取り付け方法 #

まず、取り付けた2本のベースキャリアのレール間の間隔を計測する。自分の場合は521mm。

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マスキングテープを521mmに切り出し、粘着ではない側に二つに折ってセンターを出し、そこに印を付ける。

すのこの 長辺側の側面中心 に印を付ける。中心に38mm幅の梁が通っているので、その半分、19mmのところに印を付けることになる。

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すのこの長辺センターの印に合わせ、521mmのマスキングテープをすのこの長辺側の側面に貼り付ける。

マスキングテープの両端に合わせ、すのこに二つの印を付ける。

これをすのこの長辺二つに対し行うので、すのこ一つにつき、全部で四つの印を付けることになる。すのこは2枚あるので、全部で八つの印を付けるわけだ。

3Dプリンターでスペーサーを8個出力。

3Dプリンターで出力した8個のスペーサーのうち、一つだけに短辺の真ん中に印を付ける。スペーサーの短辺は30mmなので、15mmの位置ということになる。表裏あるが、印を付けるのは、角に面取りされていない方。

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すのこをテーブルや床の上に裏側にして安定した状態で置き、すのこに付けた印と、スペーサーに付けた印を合わせるようにスペーサーをすのこにセットし、スペーサーの真ん中に空いた6mmの穴に6mmのドリルを差し入れ、強く押し込んでセンターにポンチを打つ。

これをすのこ一つにつき4回繰り返し、ポンチを打ち終わったら、6mmのドリルですのこ一つにつき4つの穴を開ける。これをすのこ2枚に対し行なう。

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3Dプリンターでナットの回り止めを8個出力。

回り止めにナイロンナットを圧入する。

下記のような順序で開けた穴にセットし、ねじを手で回るところまで締めておく。ナイロンナットは、ナイロンリングが外側に向くようにする。

graph TD A[ステントラス小ねじ] B[すのこ] C[スペーサー] D[20mmワッシャー] E[回り止めに圧入したナット] A-->B-->C-->D-->E

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APtrikes125に取り付けたベースキャリア左右のキャップを外し、レール上側にスライドインしたゴムをいったん外す。

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外したゴムをカットする。何のためにカットするのか?

すのこは端の部分四点で固定するが、中央部分が遊んでしまい、振動でビビリ音が出ないとも限らないので、中央部にセットするためだ。

それと、レール端に取り付けるキャップはゴムなしでは緩くて外れてしまうので、キャップ固定のためにレール端に差し込むためにもカットが必要になる。

つまり、中央部分を埋めるために4本。

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レール端のキャップ固定用に4つ必要になるわけだ。

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ゴムのカットが済んだら、まずは一つ目のすのこをレールのサイドから差し込んでいく。ネジは緩めておく。

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レールの位置関係は以下のようにする。

graph TD style D fill:#fc822B A[ステントラス小ねじ] B[すのこ] C[スペーサー] D[レール] E[20mmワッシャー] F[回り止めに圧入したナット] A-->B-->C-->D-->E-->F

つまり、スペーサーと20mmワッシャーの間にレールが来るようにする。

奥側の二つを差し込んだら、中央に来るカットしたゴムをレールに差し込む。すのこをカットしたゴムといっしょに奥にスライドさせていく。

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奥側のレールのキャップ二つを取り付ける。キャップ用に短くカットしたゴムをレールに差し込み、キャップを被せる。

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一つ目のすのこをレールに差し込んだら、二つ目のすのこも同様に差し込んでいく。

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すのこを二つ共差し込み終わったら、手前側のキャップも被せる。

車体の前方から差し込んだ二つのすのこの位置を調整し、センターが出たと思ったらねじを締めて固定する。

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これにツーリングネットを組み合わせると最低限の積載が可能になる。

  • バイク用品 荷物固定 カーゴネット バイクネット65cm×65cm ツーリングネットブラック

使っているとフックがネットから外れて何とも使いづらいと感じると思うが、結束バンドで固定したら外れなくなって使いやすくなった。

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ルーフラックの作成と取り付け #

ルーフパレットを取り付け後、より使いやすくするためにその上に取り付けるルーフラックをG-funというアルミフレームシステムで作り、ルーフパレットの上に取り付けた。

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ルーフパレットは二つ合わせて800mm x 800mmというサイズなので、それに合わせて作った。

ルーフラックはそれより小さく780mm x 780mmというサイズになるよう決めた。

G-funは太さが3種類選べるが、できるだけ軽量にしたかったので細い19mmのSシリーズを選んだ。

用意するフレームの長さはフレーム左右のジョイントと縦のフレームで食う分32mm x 2を引くと、780mm - 64mm = 716mmという計算になり、一辺につき上下2本 x 4辺で716mmのフレームを8本用意した。

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ジョイントは16個必要になる。

縦のフレームは65mmに設定した。これをもちろん4本用意。

縦のフレームの天地にそれぞれキャップが必要になるので、キャップを8個用意。

G-funをホームセンターで購入すると、1箇所50円程度でカットしてもらえるので、自分で切断するのが面倒なら実店舗で買うといいだろう。

G-funの扱いのあるホームセンターの一例としてはDCM、ケーヨーデイツーがある。

AmazonではXPRICEという業者がG-funシリーズを網羅的に扱っており、送料が880円とあるが、以下をXPRICE扱い分で揃えてカートに入れたら送料が無料になり、合計7,280円となった。

ルーフパレットへのルーフラックの固定には片サドルを使った。

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左右3つずつ、前後2つずつの計10個使用した。

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片サドルの固定に使ったネジの詳細を記録しておくのを忘れて長さが分からないが、M4のステントラスネジを使った。

フレームがアルミなのに対し、片サドルがステンレスなので、電蝕対策で直接触れないようにクッション材を挟んだ。

ルーフラックの底面にはビビリ防止でクッション材を貼った。

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固定に荷締めベルトを使っていた時期もあった。付け外ししたい場合はそちらの方がいいだろう。

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フレーム外寸78cm角に対し、ツーリングネットは65cm角のものを使用した。フックが8本、予備が4本付いていたので、位置を変更してフック12本仕様に変更。

  • バイク用品 荷物固定 カーゴネット バイクネット65cm×65cm ツーリングネットブラック

フックがよく外れて使いづらいので結束バンドで固定した。

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写真集 #

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