シフトチェンジサポート #

APtrikes125のシフトレバーはバイクのシフトペダルと比較するとかなり長く、そして重く、てこの原理で相対的にエンジンから生えているチェンジアクスルに強い応力がかかっている。

チェンジアクスルにはオイルシールがはまっており、そのオイルシールを通常より強くこじっていることになるので、オイルシールが抜けてきたり、オイルシールが早く劣化することでオイル漏れの原因になったりする。

- ホンダ純正 オイルシール 11.6×24×10 91208-KB4-671
- キタコ(KITACO) K-PIT オイルシール (1個入) OSH-03(11.6X24X10) [品番] モンキー(MONKEY) 70-967-41030
そんなエンジン側への負担を減らすため、あるいはシフトフィーリングをよくするために、いわゆるシフトガイドが製品化されている。
ホンダの横型エンジン用のシフトガイドはAPtrikes125に取り付け可能だ。
- Gクラフト (Gcraft) シフトガイド(横ガッチリくん) 32108

- 新品 モンキー用 チェンジアシストステー E85

モノはGクラフト シフトガイド(横ガッチリくん) の方がいいが、バックギアBOXのステープレートに干渉するので要加工とのこと。
@ap_trikes_125_bigmouse 氏の投稿
それらに加え、APtrikes125専用設計のシフトガイドが販売されているので購入してみた。売り切れが常なので、バックオーダーを入れておいた。
- シフトチェンジサポート APtrikes125 品番: G6-00253 9,800円(税別)
ホンダの横型エンジン用のシフトガイドより先の位置でサポートする設計なのを好感したため、こちらを選んだ。
シフトチェンジサポートはエンジンマウントに取り付けるもので、エンジン側のボルトをいじらずに済むので、取り付けに際しての精神的ハードルが低いということもある。
チェンジアクスルとシフトレバーの継ぎ目の外でサポートするので、シフトレバー、チェンジアクスルのギザギザが削れてユルユルになってしまうAPtrikes125あるあるトラブルの対策にもなりそうだ。

ホンダの横型エンジン用のシフトガイドとシフトチェンジサポートは干渉しないように見えるので、同時に取り付け可能であろうと思われる。
このようなシフトガイドは、よくAPtrikes125オーナーがパイプ用の両サドルを床面に取り付けてシフトレバーを拘束する形で安価に実現している。
しかし、APtrikes125のエンジンはフローティングマウントになっていて、車体側とはスプリングを介して緩くつながっているため、車体とエンジンとは別の動きをする。
車体とは別の動きをするエンジンから生えているシフトレバーを車体側に固定しては、チェンジアクスルに与える負荷は増えるばかりではないだろうか。
シフトチェンジサポートやホンダの横型エンジン用のシフトガイドはエンジン側、エンジンといっしょに動くエンジンマウント側に取り付けるものなので、似たもののようでいて全然意味が違うのだ。

製品写真 #
シフトチェンジサポートの現物は丁寧に作られ、仕上げが綺麗だと感じた。






取り付け #
取り付け方法は取り扱い説明書が示す通りだが、一応トレースする。作業は車体下に潜ったりせずにできる。
まずはサイドカバーを取り外す。


後ろ側のU字ボルトをエンジンマウントのフレームの向こう側からこちらに向けて置く。

シフトチェンジサポート本体を手前側から被せ、U字ボルトをボルト穴に通し、仮止めのためにナットを手締めする。

純正のサポートラバーを所定の位置に移動し、上からプレートを被せてボルトを締める。この位置関係を崩さないようにエンジンマウント側のU字ボルトのナットを均等に少しずつ順番に締めていく。

ただ、U字ボルトのナットはいつまでも締め込めてしまうため、ナットからのボルトの突き出し量を合わせた上で適当なところでやめ、ダブルナットで固定した方がいいだろう。

完成写真とインプレッション #
取り付けてみてシフトフィーリングはどのように変化するか?
まず感じるのはシフトレバーの振動が強くなること。アイドリング時にはあまり変化はないが、回転を上げるとシフトレバーが強く振動し、シフト操作に不愉快さを感じるときがある。

筆者はシフトレバーにシフトペダルも取り付けているが、振動が強くなったことで、ペダル操作もちょっとやりにくさを感じるようになった。
- 関連記事: シフトペダルの取り付け
しかし、サポートがあることで気兼ねなくシフトペダルを操作できるようになったのはいいことだ。

シフト操作がほんの少し重くなる。この重さはサポートラバーの抵抗によるものだろう。

シフトフィーリングがよくなるかといえば、そうとは全く感じなかった。特段悪くなったとも感じない。ただ、表現が難しいが、取り付け前より遊びが減ってダイレクト感が強くなった感じはする。例えばクラッチの繋ぎ際に以前より慎重な操作を要するようになったような感じだ。

全体的に、振動が強くなったという印象が強く、それだけを取れば付けてよかったという感想にはならないが、冒頭で述べた長い目で見たときに無理な設計の悪影響を軽減すること。
そして筆者個人の特殊な事情に基づいた感想になるが、シフトペダルを遠慮なく使えるようになった心理的な影響は大きいと感じる。

シフトチェンジサポートは、ホンダの横型エンジン用のシフトガイドをまず取り付けてみて、それから取り付けるかどうか考えてみてもいいかもしれない。

ホンダの横型エンジン用のシフトガイドはシフトのオイルシールの上に被せるように取り付けるため、オイルシールが浮いてオイル漏れするのを直接抑止する効果もある。
サポート位置がエンジンに近い(シフトレバーから遠い)ことで、シフトノブの振動が和らぐ可能性があるし、純正サポートゴム起因の重さも生じないだろう。