燃料計問題の解決(要約版)

燃料計問題の解決(要約版) #

APtrikes125のメーターパネル内の燃料計はアテにならない。

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この燃料計問題はAPtrikes125の宿痾のような扱いだが、それを解決する。

症状・原因や解決の過程を詳細に説明する記事を書いたが、冗長だったため、新たに要約版を書いた。

要約版ではできるだけ情報を削ぎ落とし、問題解決のための最低限の作業にポイントを絞った。

燃料計の動作がおかしい理由は上記の記事に書いたが、

  • 燃料計
  • 燃料レベルセンサー
  • 燃料レベルセンサーから燃料計への配線

これらそれぞれ全部にAPtrikes125の燃料計がまともに動かない原因があるため、それらを打ち捨て、新しく正常動作するものを取り付ける方針を取る。

この記事でも自分の手に負えないと感じる場合は、必要な部材を揃え、バイクショップに取り付けを依頼するといいのではないかと思う。やる価値の大きい改善だ。

得られる結果 #

新しく設置した燃料計は安定して動作し、本来そう期待されるように給油管理を燃料計に頼ることができるようになる。

必要なもの #

燃料計 #

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この製品、「SINCO TECH DO611F FUEL LEVEL GAUGE」を選ばなくてはならない理由があるので、必ずこれを入手。外観が同じでも仕様が異なり、使えない製品があるため注意が必要。

  • Amazon.co.jp: オイル燃料ゲージ、燃料レベルゲージ 実用的な 52mm 高感度 8‑18 ボルト車両オートバイ用 : 車&バイク

上記が入手不可能な場合の代替の入手先:

52φメーターホルダー #

SINCO TECH DO611Fは直径52mmの円筒形をしたメーター。

これは規格品なので直径52mmのメーターを固定するパーツが販売されている。

それが必要だ。

筆者は市販品を使わず固定したため、以下は机上の検討で、未確認な点ご了承願いたい。

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粘着テープでメーター脇に貼り付ける場合:

メーター横のスペースに取り付ける場合は、ハンドルを絞るか、ハンドルをハンドルバーライザーなどで後退させて干渉を避ける必要がある。

純正そのままだと、駐車時の切り返しなどでハンドルを大きく切った際にぶつかってしまう。

  • Amazon | PIVOT ( ピボット )アクセサリーパーツ【バンドホルダー】(52φメーター用) BH-52 | メーターパネル | 車&バイク

ハンドルに固定する場合:

  • Amazon.co.jp: PIVOT ( ピボット )アクセサリーパーツ【ピラーホルダー】(52φメーター用) PH-52 : 車&バイク

ハンドル固定金具選択肢その1:

ハンドル固定金具選択肢その2:

ハンドル固定金具選択肢その3:

ブレーキレバー根本のミラー取り付け穴を利用する場合(ステーだけ使う)。

  • KEMIMOTO バイク ハンドル クランプバー 原付 マルチバー ミラーマウント 有効長さ73mm アルミ製 錆止め マルチホルダー 汎用品 ミラーに取付タイプ ミラーステー

燃料レベルセンサー #

純正の代替品として以下の燃料レベルセンサーを使う。燃料レベルセンサーからは2本の配線が出ており、配線色は大概緑と黒になっているかと思う。

燃料レベルセンサーは無極性だが、分かりやすく緑はセンサー出力、黒はアース(GND)として扱う。

配線色機能
センサー出力
アース(GND)
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  • Amazon.co.jp: uxcell 燃料レベルセンサー オートバイ スクーター 燃料タンクレベル フロート センサ 転送 ユニット ヤマハに対応ZY125用 : 車&バイク

以下のものは純正燃料レベルセンサーと出力する信号に互換性がないが、SINCO TECH DO611Fと組み合わせる分には問題ない。この燃料レベルセンサーはYAMAHA純正の燃料レベルセンサーと構造が同じで、信頼性が高いようだ。

  • タンク燃料レベルフロートセンサー 燃料タンクセンダーユニットユニバーサルスクーター原付バイクATV部品RSZ 125 ZY 125用

上記が入手不可能な場合の代替の選択肢:

↓筆者が適合を確認

配線材 #

  • Amazon | エーモン(amon) ダブルコード 0.75sq 6m 赤/黒 3467 | 車用端子 | 車&バイク
  • Amazon | エーモン(amon) 配線コード AVS0.75sq 6m 青 3465 | 電子パーツ | 車&バイク

コネクタ #

  • Amazon.co.jp: PENGLIN 380個 カプラーコネクタ 平型端子110型 セット 端子ハウジング セット カプラー(ロック式) カプラーハウジング コネクター 2極 3極 4極 6極 オス メス 圧着端子 自動車 バイク トラック用 収納ケース付き : 車&バイク

圧着端子 #

  • Amazon | エーモン(amon) 圧着接続端子 AV(S)0.25~1.25sq 10個入 3326 | 車用端子 | 車&バイク

圧着工具 #

平型端子110型対応。

  • Amazon.co.jp: アイウィス(IWISS) 同時圧着ペンチ ラチェット式 ファストン端子 0.5-1.5mm2中型端子対応 SN-48B : スポーツ&アウトドア

圧着工具の使い方。

通常の電工ペンチでも可。

  • Amazon.co.jp: 【Amazon.co.jp 限定】エーモン(amon) 電工ペンチ 全長約255mm 4960 : DIY・工具・ガーデン

配線概略 #

配線は下図のようにする。

APtrikes125車体側の配線色は、アース(GND)が、こちらで用意したものについてはアース(GND)はで統一されている点に注意が必要だ。

同じく+12VもAPtrikes125車体側は、こちらで用意したものについてはで統一されている点に注意が必要だ。

+12Vアース(GND)
こちらで用意したものの配線色
APtrikes125本体側配線色
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燃料レベルセンサーの交換 #

ガソリンタンクは、リアシートを跳ね上げると見える底板の下にある。

底板は、左右にあるタッピングビスを外すと取れる。

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底板を外すとガソリンタンクが見える。

ガソリンタンクの上に付いているのが燃料レベルセンサーだ。

燃料レベルセンサーは、四隅にあるボルトを外し、配線のカプラを外すと取れる。

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純正の燃料レベルセンサーを外したら、新しく手配した燃料レベルセンサーを代わりに取り付ける。

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純正の燃料レベルセンサーを外す際、車体側のカプラが車体下部に落ちて面倒なことにならないよう、新しい燃料レベルセンサーに結束バンドなどで結び付けておく。

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もう車体側のカプラは使わないが、純正状態に戻す機会があった際に分からなくならず楽になるのでこうする。

燃料計から燃料レベルセンサーまでの配線引き直し #

前掲配線概略図のピンク文字Aの部分をやっていく。

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スピードメーター裏から、車体後部の燃料レベルセンサーまでの配線を新しく引き直す。

燃料計をハンドルバーに取り付けるものと仮定し、配線引き直しはメーター裏側から開始する。

配線には、用意した0.75SQのダブルコードを使う。

ヘッドライト、スマフォへの給電ラインなどの大電流が通る配線と近づけるとノイズを拾ってしまって狂うので、それらと近づけないようにメーター裏の配線とまとめる。

燃料レベルセンサー用の配線はフロントインナーカバー脇を通して車体後部へ。写真では既にコネクタが付いているが、燃料レベルセンサー用配線に取り付けるコネクタについては、後で解説する。今の段階ではダブルコードをただ引き回すだけだ。

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フロントインナーカバーの脇から出したダブルコードは、写真のように取り回し、左側のアルミフレームを伝わせていく。左側のアルミフレーム溝は、燃料レベルセンサーの取り回し専用とし、他の電源ラインを共に通さない。

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ダブルコードを左側アルミフレームの溝をどんどん車体後部へ向けて伝わせていく。

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アルミフレームの後端まできたら、固定金具の下を通して下へ。縦に落とす部分でダブルコードがブラブラして気になるようなら、適当な留め具で固定する。

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燃料レベルセンサーとの距離を測りつつ、若干余裕を見た長さのところで切断し、燃料レベルセンサーとの接続のために平型端子110型を取り付け。

今回用意した燃料レベルセンサーのカプラは、一般的な平型端子110型と互換性がある。

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燃料レベルセンサーには極性はないので、どちらがどちらかを悩む必要はない。

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燃料レベルセンサーと、ここまで取り回してきたダブルコードとを平型端子110型で接続し、写真のような感じで整理。

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燃料計側の配線処理 #

前掲配線概略図のピンク文字Bの部分をやっていく。

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燃料計からは3本、3色の配線が出ている。

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配線色機能
電源(+12V)
アース(GND)
燃料レベルセンサー

こちらにも平型端子110型を取り付けることになるが、燃料計から出ている配線は細く、平型端子110型を圧着しづらいので、いったん0.75SQのコードを使って1mほど延長する。

燃料計の細い配線と、0.75SQのコードを繋ぐのに使うのは前出の圧着接続端子だ。

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  • Amazon | エーモン(amon) 圧着接続端子 AV(S)0.25~1.25sq 10個入 3326 | 車用端子 | 車&バイク

最初に熱収縮チューブを被せ、圧着接続端子の片側から燃料計からの配線、反対側に延長用の0.75SQのコードを差し込み電工ペンチなどで圧着接続端子を潰し固定する。

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最後に熱収縮チューブをライターなどであぶって被覆処理する。筆者は在庫のコードで燃料レベルセンサー用の配線の色を青に変えたが、ない場合は赤黒ダブルコードからの流用でOKだ。その場合は、後で取り違えないように注意する。あるいはラベルを付けて間違わないようにしておく。

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0.75SQのコードによる延長が終わったら、メーター裏に通しておく。

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メーター裏の配線処理 #

前掲配線概略図の残るピンク文字Cの部分をやっていく。

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燃料計からの赤、黒、そして燃料レベルセンサーからの1本(燃料レベルセンサーには極性がないのでどちらか片方)に平型端子110型のオスを取り付ける。

お相手は、メーター裏に出ている空きACC電源だ。

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APtrikes125のメーター裏には、緑と黒の配線がつながった平型端子110型のメスが三つ空いた状態で存在する。

これは追加の電装品の電源に使え、これを燃料計の電源に使う。極性は、前出の通り黒が+12V、緑がアース(GND)だ。

通常は黒をアース(GND)に割り当てるため、間違いやすい点に注意が必要。

平型端子110型のオス用の端子に燃料計からの赤を単独で圧着。

燃料計からの黒、燃料レベルセンサーからの1本(燃料レベルセンサーには極性はないが、ここでは黒)を2本まとめて平型端子110型のオス用の端子を圧着。

メーター裏空きACC電源コネクタの配列に合わせ、平型端子110型のオス用ハウジングに差し込む。

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最後は前掲配線概略図の残るピンク文字Dの部分をやっていく。

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燃料レベルセンサーからの片方と、燃料計の緑を接続する。

配線概略図にはコネクタを記さなかったが、ここにも平型端子110型を使って繋ぐことにする。

前掲配線概略図のピンク文字Bで燃料計からの緑の配線に0.75SQの青い配線をつないで延長した。その先に平型端子110型を取り付ける。

相手方(燃料レベルセンサーからの片方)も自分でコネクタを取り付けるので自分で仕様を決めていい。

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自分で取り付けたコネクタに合わせ、燃料レベルセンサーからの配線の片方にも平型端子110型を取り付け接続する。

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燃料レベルセンサーの配線を、大電流の流れるヘッドライトなどの配線と近づけると燃料計が狂ってしまうので、それらと触れ合わないよう、メーター裏の配線と結束バンドで共締めして隔離しておく。

燃料計の調整 #

本体の裏側に押しボタンが1つ付いており、それを3秒以上長押しするとキャリブレーションモードに入れる。

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ガス欠の位置にある下端の赤いLEDが点滅するので、まずは燃料レベルセンサーをガス欠状態にしてボタンを押す。

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実車では、ガソリンタンクから燃料レベルセンサーを抜いて、手でフロートを動かしてやるわけだ。

すると、今度は満タン位置にある上端の緑色のLEDが点滅するので、燃料レベルセンサーを満タン状態にしてボタンを押す。

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このような手順でキャリブレーションを行うことができる。

graph TD A[裏面のボタン長押し] subgraph ガス欠状態キャリブレーション B[赤LED点滅] end subgraph 満タン状態キャリブレーション C[緑LED点滅] end D[通常の使用時モードへ復帰] E[裏面のボタン短押し] F[裏面のボタン短押し] A-->|キャリブレーションモードへ|B-->E-->C-->F-->|キャリブレーションモード離脱|D

図: キャリブレーション手順

キャリブレーション結果は本体の不揮発性メモリに記録され、電源を切っても維持される。

キャリブレーションを終えると、燃料レベルセンサーのアームの動きに合わせてゲージがフルスケールで伸縮する。アームが満タン端のときには10灯全点灯。

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アームがガス欠端のときには全消灯。この当たり前の動作が欲しかった。

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