スピーカーの取り付け #
APtrikes125は走行音がうるさく、走行中は会話は難しいし、音楽をかけていてもほぼ聞こえない。
走行中に音楽を聴きたいなら、密閉型のヘッドホンや、カナル型のイヤホンが必要だが、それらを使うことは地域の条例に違反し、罰金を取られる可能性がある。
個人的にはAPtrikes125の車体に全幅の信頼を置いているわけでもなく、異音に気を配っていたいため、外界の音をシャットアウトするのに不安を感じる。
そういうわけで、たまに見るAPtrikes125にスピーカーを取り付けるカスタムにはあまり興味がなかった。
スマートフォンホルダにスマートフォンを取り付け、そこでSpotifyを流していることがあるが、信号待ち中は聞こえるし、そうやって音楽をかけていると信号待ちの退屈が紛れるのは確かで、いつしかうるさいAPtrikes125に乗っていても音楽をかけるようになっていった。
APtrikes125はバイクのようにすり抜けができないウィークポイントがあり、車同様渋滞に耐える必要があるが、そんなときにも音楽は助けとなってくれる。
しかればスピーカーを取り付けることも無意味ではあるまいと考えが変わっていった。
スピーカーの選定 #
筆者が取り付けに使ったのは、以下のパワードスピーカーだ。価格は2025年1月現在2,000円弱となっている。
- FUNLOGY Speaker(スピーカー/PCスピーカー)【VGP2024受賞 / 総合14W / ステレオスピーカー/パソコン/USB給電/重低音/AUX / 3.5mmピン入力 / 日本ブランド 】 (ホワイト)


セパレート式で、右側スピーカーの中にアンプが入っており、ミニステレオプラグ型のラインインからの入力を増幅して鳴らしてくれるものだ。
裏面にもウーハーのようなものが付いているが、これは前面のフルレンジスピーカーの振動を受けて震える振動板のようなものだ。

電源はUSBから取るようになっている。

筆者は運転席両脇に左右のスピーカーを設置したかったので、セパレート式であることを必須とした。
質が問われるような環境でもないので、音質はどうでもいいというのと、穴を開けることになるし、分解して改造することにもなるので、安いものであることを希望した。
安物は得てして分解しやすいというのも重要なポイントだ。
自作のアタッチメントを使った取り付けがしやすい形状であること、事故時にぶつかっても危なくなさそうな形状であることも条件とした。
環境に応じて音量を絞ることもあるはずなので、音量調整ツマミが前面にあることも条件にした。

スピーカーの改造 #
有線での接続、USBからの電源供給で構わなければ改造せずそのまま使えばOK。
この記事で取り上げているスピーカーを改造なしでBluetoothスピーカーとして使いたい場合は、以下の製品がうってつけだ。
- UGREEN 5.3 Bluetooth レシーバー 3.5mm 受信機 SBC/AAC 車載/AUX/iPhone/Android カーオーディオ/コンポ/スマホ/タブレットに対応 type-C充電 【TELEC認証番号:R217-220610】充電しながら使用 通信距離15M ブラック
スピーカーは簡単に分解できる。見える場所になるネジ2本、底面に貼り付けられているゴム足を剥がすと出てくるネジ2本を外せばOK。
筆者はステレオミニプラグのラインインは使わず、別途用意したBluetoothオーディオレシーバーモジュールを内蔵した。XY-BT-miniと呼ばれるモジュールだ。
- BROLEO ステレオオーディオレシーバーモジュール 5.0 レシーバーボード ステレオオーディオレシーバー ホームミュージック愛好家向け BROLEO17zqudm4go
- Bluetooth 5.0 mp3オーディオレシーバー,ワイヤレスステレオミュージックモジュール,xy-bt-mini,4.1-5v
↓ラインインのケーブルは使わないので切断した。

アンプ基板のピンアサインは以下のようになっている。

標準ではUSB(+5V)からの給電となっているが、筆者は12V仕様にしたかったため、DC-DCステップダウンコンバータモジュールを内蔵して12Vを直接入力できるようにした。
- KKHMF 5PCS MP1584EN ミニ 3A DC-DC調整可能 ステップダウン 電源モジュール

一応配線図を掲載しておく。

普通のBluetoothスピーカーはバッテリー内蔵なのが普通だが、こちらにはバッテリーが内蔵されていない。
ACC電源から電源を取れば、キーをオンにして車体から12Vが供給されると同時に電源が入り、あらかじめペアリングされたスマートフォンなどと接続される。
キーをオフにすれば当然12Vが切断され、電源が切れることになる。
ボリュームスイッチは電源スイッチを兼ねており(左に回し切るとカチっと切れるタイプ)、使いたくないときには電源を切れる。
このXT-BT-miniにはペアリングモードというものはなく、他の機器と接続されていない間はずっとペアリングモードという仕様になっている。したがってペアリングボタンを操作する必要がなく、内蔵させてしまっても問題ないわけだ。
車体への取り付け #
車体へのスピーカーの取り付けには3Dプリンターで作ったマウントを使う。
3Dプリンター用のデータは以下で公開した。商用利用は禁止とさせていただくが、利用はもちろん、改変などは自由だ。
- Speaker Mount for APtrikes125 by hitoriblog - Thingiverse
ネジも必要だ。
- M3 x 15mm x 4
- M4 x 15mm x 2
- M4 x 20mm x 2
- M4ナット x 4
取り付けにはスピーカーの側面に穴を開ける必要がある。筆者は以下の写真のような位置に取り付け用のステーを固定した。

ステーを当てがい、穴開け位置にマーキングをするとよいと思う。2.5mmの下穴を開け、そこにM3のネジを使って固定した。


本体下面の斜面部分をルーフ先端〜フロントガラスの斜面に沿わせたいため、向きは上下逆にした。


取り付け例 #
車体への固定には、左右のアルミフレームを使う。基本的にはアルミフレームのどこにでも取り付け可能だ。


筆者はルーフ付近に取り付けたが、仰角を36度ずつ調整可能なので、下からあおるように取り付けるのも可能だろう。





