スロットルワイヤーの調整

スロットルワイヤーの調整 #

APtrikes125のエンジンは非力。

加速が鈍く、車の流れに付いていくのに精一杯。

そのような現実を目の当たりにすると、キャブレターを交換するなどのパワーアップを検討したくなる。

そうする前に確認したいのが、アクセル一ひねりでアクセルを全開できるかどうか。

image

一ひねり、つまりアクセルを持ち替えずに一気にアクセル全開にできるかどうかが重要なポイントになるのだ。

筆者のAPtrikes125は全開にするのに一度持ち替えないとならず、普段の走行では持ち替えてまでして全開にすることがあまりなかった。

ただでさえ非力なエンジンを全力を出さずに走っているのだから、その遅さの度合いを説明するまでもないだろう。

もし、一ひねりでアクセル全開できるようになったら?

一ひねりで全開にでき、勢い全開にしている時間が長くなれば、それは実質的にパワーアップといって差し支えないのではないだろうか。

簡単なスロットルワイヤーの調整でその状態に近付けられるのでチェックしておきたい。

アクセルのアソビの確認 #

アクセルを捻ると、あるところまでは軽く回り、その先から重くなることに気付く。

image
image

軽く回る部分がアソビ。そこまではアクセルを回しても回転が上がらない。

その先の、回転が重くなる部分からやっとスロットルワイヤーが引っ張られ、エンジンの回転数が上がる。

このアソビの部分。全くないのも操作しづらさにつながるが、あまりアソビがありすぎてもアクセル全開に必要なアクセルひねり量が大きくなるだけでよろしくない。

アソビが大きいなと感じたら、次なる調整をする。

スロットルワイヤーの調整 #

アクセルの下側を見ると、スロットルワイヤーの存在が確認できる。

image

その末端近くにゴムカバーに覆われたアジャスターがあるのが分かる。

image

アジャスターは長ナットと、そのお尻にある通常のナットの2ピースで構成されている。

image

いわゆるダブルナット状態になっていて、アジャスターの位置を固定できるようになっているわけだ。

筆者のものは道具を必要とせず、手で回ったが、緩めるのにレンチが必要になる場合があるかもしれない。

このアジャスターを、車体中央方向(左方向)にずらしていくとアソビを小さくできる。

手前から奥に向けてアジャスターを回すと、アジャスターが車体中央方向(左方向)にずれていくはずだ。

image

実際に調整を始める前に、アイドリングをしていても周囲に迷惑のかからない場所に移動する。

しかる後にエンジンをかけて、アイドリング状態で調整をする。

なぜこうするのか?

アジャスターを車体中央方向(左方向)に寄せすぎると、アクセルを全閉(閉じる)していても、あたかもアクセルを少し回したかのように走り出してしまうからだ。(オートマ車のクリープ現象のような感じ)

そうなったらアジャスターを奥側から手前方向に回し、車体外側(右側)に戻す。

アクセル全閉状態では走り出さないギリギリのところになるようにアジャスターの位置を調整する。(好みによる)

アジャスターの位置が決まったらお尻のナットを締めて位置を固定。

image

元あったように、ゴムのカバーを被せておしまい。

image

筆者の場合、調整の結果、アジャスターは以下のような位置関係になった。

調整前

image

調整後

image

右側のスイッチボックス自体がガタ付いて気になる場合もあるかもしれない。

その場合は、スイッチボックスのハンドルパイプと接触する面にスポンジゴムシートを貼るなどして回り止めの対処をする。

ハイスロ化でさらにクイックなアクセルワークを #

アジャスターによるスロットルワイヤーの調整でアソビを小さくすれば、結果アクセル全開のために必要なアクセルのひねり量が減ることになるが、まだ全開まで一ひねりでは足りない場合は、ハイスロ化がおすすめだ。

image

筆者は現在、より効果の高いハイスロットルキットを取り付けている。

ハイスロ化するとクイックでメリハリの付いたアクセルワークが可能となり、シフトチェンジがやりやすくなるという副効能ももたらされる。