Tweetbotの開発者がTwitter対抗サービス用のクライアントを開発中か
2016/04/30
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2016/04/30
もくじ
ひとりぶろぐのmoyashi (@hitoriblog) です。
Twitter社が発表したAPIに関する新しい施策が、波紋を呼んでいます。
モバツイ開発者のえふしんさんの考察が、恐らく一番実態に近いものと思います。
F’s Garage @fshin2000 :Twitter api ver1.1、痛いところ、痛くないところ |
今回の施策でTwitter社の競合カテゴリと位置づけられた、Twitterクライアント系列と自動キュレーション系制。
APIの制約により、プロダクトの成長にキャップをはめられた開発者の胸中はいかばかりか。
Twitterのプラットフォーム戦略のディレクションをするTwitter社のRyan Sarver氏の以下のツイート。
To clarify a little, @storify and @favstar in in the upper-right quadrant but we mean to call them out as good examples. hope that helps 🙂
— Ryan Sarver (@rsarver) August 16, 2012
これは、Twitter社から先般公開されたTwitter API Version 1.1に関するブログエントリに登場する、Twitter APIを使った各種サービスのマトリックスに対する補足です。
右上の領域を担うサービスのよい具体例としてStorifyとfavstar.fmを挙げています。
このツイートに、我らの大好きなクライアント、Tweetbotの開発者、TapbotsのPaul氏がMentionを投げています。
https://twitter.com/tapbot_paul/status/236249295920185344「では、名の挙がらない我々が開発するTweetbotは悪い例だと?」
Tweetbotを愛する我々としては、胸を裂かれんばかりです。Twitter社のRyan氏は、TapbotsのPaul氏に返信をしていません。(続きは[Read More]から)
これに対し、エントリでは言及があります。
That upper-right quadrant also includes, of course, “traditional” Twitter clients like Tweetbot and Echofon. Nearly eighteen months ago, we gave developers guidance that they should not build client apps that mimic or reproduce the mainstream Twitter consumer client experience.” And to reiterate what I wrote in my last post, that guidance continues to apply today.
僕の中学レベル(以下)の英語力で読み取るならば「右上の領域には、もちろんTweetbotやEchofonのようなトラディショナルなTwitterクライアントが含まれる。18カ月前に、メインストリームのTwitterクライアントを模倣したクライアントを作るべきでないという開発ガイドラインを出している。今回それを繰り返し書くことで、そのガイダンスが今日継続されることをはっきりさせておきたい」となります。
Twitter社は、トラディショナルなTwitterクライアントは作るなと、はっきり意思表示しているのですね。
「メインストリームのTwitterクライアント」というのが公式クライアントを指すのかはっきりしませんが、「トラディショナルなTwitterクライアントは作るな」と併せて読むと意図が伝わってきますね。
18カ月前に開発ガイドラインで警告があったとはいえ、魂を込めてクライアント作りをしてきたTapbotsのPaul氏の胸中は穏やかではないでしょう。
こうしたTwitter社の施策に対し、新天地を求める人も出てきました。
Twitterがなるはずだった姿(ソーシャルプラットフォーム)を目指すApp.net:海外速報部ログ:ITmedia オルタナティブ・ブログ |
そうした動きから開発が始まった代替TwitterともいうべきサービスがApp.netです。
App.netは利用が有料である代わりに、サードパーティーの自由をうたっています。
そんなApp.netに、TapbotsのPaul氏が意味ありげなテスト投稿をしています。(via @Sakurina)
この投稿は、経由(via)がTestとなっており、何らかのクライアントを使ったことが明らかです。
瞬く間に、App.net用のクライアントからの投稿ではないかという詮索をする、たくさんの返信が集まっています。
今回のTwitterの示した指針への反発というまでの強い気持ちがあるかは分かりませんが、因果関係のある行動だと見て間違いありません。
Tweetbotに課された制約を憂う人へ。たった一つの解決策は、今すぐTweetbotを買うことだ! とまで言っていますから。
But really, if you are worried about caps, there’s only one solution.
— Paul Haddad (@tapbot_paul) August 17, 2012
BUY Tweetbot NOW!!!
Tweetbot ― 個性派Twitterクライアント (for iPhone)
カテゴリ: ソーシャルネットワーキング
価格: ¥250
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今回のTwitter社の施策に対し、@jigen_the3 さんが以下のような印象的なツイートをしていました。
俺たちはTwitterやるためにtwicca使ってるんじゃねー
— じげん (目には目を埴輪には埴輪を) (@jigen_the3) August 17, 2012
twiccaが使えるからTwitterやってんだ!
iPhoneを、そしてTweetbotのようなサードパーティー製Twitterクライアントをこなよく愛する人は、このような思いに共感するのではないでしょうか。
サードパーティー製Twitterクライアントでは最大派閥であろうTweetbotの開発者Paul氏がApp.net用のクライアントを発表したら、その求心力で耳の早い人がTwitterからApp.netへの移住を始めてもおかしくありません。
知人のSakurina君によれば、既にMac系のブロガーに人気とのことです。この時期にアカウントを取得して、存在感を出しておこうというブロガーとしての戦略でしょうか。
@hitoriblog: Twitterっぽいのサービスです。アメリカのMacブロガーさんに人気です、でも50ドルの年会費がある。http://t.co/SOU0xXgA
— Yanik Magnan (@Sakurina) August 17, 2012
App.netは広告ではなく、利用料金を徴収することでサービスを維持することをコンセプトとしていますが、現在掲げられた$50は、Kickstarterよろしく、投資、投票の意味もあってこの金額なのだと思います。
正式にサービスインする際には、恐らく料金はそれより安くなるでしょう。
スマートフォン、ソーシャルゲームの分野では、フリーミアムのビジネスモデルが勝利しています。完全有料のWebサービスで、成功している例をすぐに挙げることができません。
ですから、有料のApp.netに分は無いと考えるのが普通でしょう。
しかし、Twitter社がサードパーティーに与えた夢、自由がTwitterの成功を牽引したと考える僕は、App.netが自由を武器に、Twitterの戦略に影響を与えるほど成長してくれることに期待したいと思います。