意外な盲点が!Pebbleの新機種Pebble 2、Time 2と旧機種との性能比較表
2016/09/21
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2016/09/21
2016年5月24日に、Pebble TechnologyからPebble 2、Time 2、そしてPebble Coreの3機種が発表されました。
Pebbleシリーズは直射日光下でも見える反射型ディスプレイを搭載し、省エネルギー性能を重視。1週間から10日の電池持ちを実現し、Apple Watch、Android Wearとは全く異なる使い勝手を持ったスマートウォッチです。
新しく発表されたPebble 2、Time 2も、これまでの路線を踏襲する方向性を持っていました。
クラウドファンディングサイト、Kickstarterでの出資者募集キャンペーンが開始されましたが、目標額として設定された百万ドルはあっという間にクリア。
2016年5月26日1時時点では、その目標額の7倍の金額を獲得するに至っています。
Pebble 2、Time 2いずれにも共通した特徴は、光学式心拍数計(ハートレートモニター)を搭載し、活動量計としての用途での実用度が増したこと。
グズグズしているうちに速報がそろってしまったので、既存の記事がフォローしていない性能比較表を用意してみました。
発表された3機種のうち、Pebble 2、Time 2と旧機種との性能比較表です。ぜひバッカーになる前にご確認ください。
もくじ
公式サイトやKickstarterにはふんわりとしたスペックしか掲載されていませんが、調べてみるといろいろと発見があります。
※QR: クイックリリース
※スマートフォンなどでは、表は横スクロールします。ただし、In App Webブラウザーでは不動作の場合があります。
Pebble | Pebble 2 | Pebble Time | Time 2 | |
---|---|---|---|---|
プラットフォーム | Aplite | Diorite | Basalt | Emery |
コードネーム | Tintin | Silk | Snowy | Robert |
頭字語 | PW | P2 (未確認) | PT | T2 (未確認) |
CPU | ARM Cortex M3 64 MHz |
ARM Cortex M4 100 MHz |
ARM Cortex M4 100 MHz |
ARM Cortex M7 144 MHz |
APP RAM | 24kB | 64kB | 64kB | 128kB |
APPリソース | 96kB | 256kB | 256kB | 512kB |
外部ストレージ | 4MB〜8MB | 8MB | 16MB | 16MB |
SDK / OS | v3.12.1 (v4.0へのアップデート不能) |
v4.0 | v.3.12 (v4.0へのアップデート可能) |
v4.0 |
バンド | 22mm QR別売 |
22mm QR対応 |
22mm QR対応 |
22mm QR対応 |
大きさ | 52 x 36 x 11.5mm | 39.5(ラグを含まず) x 30.2 x 9.8mm (心拍数計の厚み込みで11.3mm) |
47.1 x 37.5 x 9.5mm | 40.5(ラグ込みでは47mm) x 37.5 x 10.8mm (心拍数計の厚みを含まず) |
重さ | 38g | 31.7g | 42.5g | 64.6g |
スマートストラップポート | × | ○ (ただし電力供給不能) | ○ | ○ |
解像度 | 144 x 168px | 144 x 168px | 144 x 168px | 200 x 228px |
スクリーンサイズ | 1.25インチ (510mm²) |
1.26インチ | 1.26インチ (471mm²) |
1.5インチ |
ピクセル密度 | 172ppi | 172ppi | 182ppi | 202ppi |
表示色 | 1 bit (白黒2値) |
1 bit (白黒2値) |
6 bit (64色) |
6 bit (64色) |
スクリーン表面 | ポリカーボネート | ゴリラガラス3 | ゴリラガラス3 | ゴリラガラス3 |
スクリーン表面 | 曲面 | 平面 | 曲面 | 曲面 |
ボディー素材 | ポリカーボネート | ポリカーボネート + 10% グラスファイバー | ポリカーボネート | 316L 船舶グレードステンレススチール |
ボディー色 | Black, White, Red | Black, White, Aqua, Flame, Lime | Black, White, Red | PVD finishes: Black, Silver, Gold |
マイク | × | ○ | ○ | ○ |
加速度センサー | ○ | ○ | ○ | ○ |
電子コンパス | ○ | × | ○ | ○ |
光学式心拍数計 | × | ○ | ○(別売のスマートストラップで対応) | ○ |
バッテリー | 最大約7日間 | 最大約7日間 | 最大約7日間 | 最大約10日間 |
防水性能 | 5ATM (50m) | 3ATM (30m) | 3ATM (30m) | 3ATM (30m) |
Kickstarter価格 | $125, 早期割引$99 | $109, 早期割引$99 | $179, 早期割引$159 | $179, 早期割引$169 |
市販価格 | $99.99 | $129 | $149.99 | $199 |
出荷予定時期 | 発売中 | 2016年9月 | 発売中 | 2016年11月 |
公式情報ではないものも含まれていそうですので、信ぴょう性についてはそれなりかもしれません。
CPUはTime 2にARM Cortex M7が初搭載。
Pebble 2には、Pebble Timeに搭載されていたARM Cortex M4がスライドしてきています。
全体的にスピードアップしました。
外部ストレージとは、CPUの外に取り付けられたストレージのことです。CPU内蔵のストレージもあるため、そういった表記になっています。
外部ストレージは、Time 2、Pebble 2いずれも前機種と変わらず。
APP RAMとAPPリソースは、Time 2が旧機種の2〜5倍になっています。
Pebble 2は、外部ストレージ以外はPebble Timeと同等になりました。
新機種Pebble 2とTime 2にはPebble OS v4.0が搭載。
PebbleとPebble Time用の現時点での最新OSはv3.12(Pebbleはv3.12.1)。
Pebble Timeはv4.0へのアップデートができますが、Pebbleにはv4.0アップデートは提供されないとのことです。
v4.0を使ってみたいPebbleユーザーは、新型への買い替えを余儀なくされることになります。
SDK 4.0では、ついにJavaScriptだけでウォッチフェイスなどが一から開発できるようになる予定とのことです(現在作業中)。
その代わり、Pebble.jsなど既存のJavaScriptを交えた開発環境が動かなくなりそうな気配です。
Pebble 2、Time 2でも22mmのバンド幅に変更はなく、Pebble 2には標準でクイックリリースピン付きのバンドが付属するようになりました。
Pebble Timeから採用が始まったPebbleシリーズの拡張性を担うスマートストラップポートは、Pebble 2にも備わるようになりました。ただし、Pebble 2だけはスマートストラップポートからの電源供給ができない仕様となっています。
Pebble 2は独自に電源を持ったスマートストラップ対応機器しか使えないとなると、大きな制約になるかもしれません。
PebbleとPebble 2との比較では、サイズについてはラグありとラグなしの表記なので単純比較ができません。軽くはなっています。薄くもなっていますが、心拍数計の厚みがあるので、それを含めるとPebbleとあまり変わっていません。
心拍数計の厚みが1.5mmある計算です。
Pebble TimeとTime 2との比較では、短辺、長辺ともあまり変わらず、厚さは心拍数計の分を1.5mmとすると、Time 2は12.3mmになるかもしれません。Pebble Timeから2.8mmも厚くなる?
ポリカーボネート製だったPebble Timeと異なり、Time 2はボディーがステンレススチール製で、Pebble Time Steelの後継機種としての側面もあります。従って、重さはPebble Timeよりかなり重くなっています。
ポリカーボネート製のTime 2が出ることはないとのことです。
PebbleとPebble 2との比較では、解像度、スクリーンサイズ、ピクセル密度、表示色に変わりはないようです。ppiやインチ数に少し違いがありますが、異なる情報ソースからの集約なので、単位変換誤差かもしれません。
144 x 168px系のPebbleは、表示面積が510mm²のもの(Pebbleなど)と、471mm²のものがありますが、Pebble 2がどちらに属するものかはよく分かりません。
Time 2のスクリーンサイズは、面積でPebble Timeの1.42倍になりました。解像度は144 x 168pxから200 x 228pxへと1.88倍になっています。解像度に対してスクリーンサイズがあまり大きくなっていないので、ピクセル密度が高くなりました。
機種 | 縦解像度 | 横解像度 | 縦サイズ (※) | 横サイズ (※) | 対角線長 | 面積 |
---|---|---|---|---|---|---|
Pebble Time | 168px | 144px | 2.43mm | 2.08mm | 1.26inch (3.2cm) | 5.05cm² |
Time 2 | 228px | 200px | 2.86mm | 2.51mm | 1.5inch (3.81cm) | 7.17cm² |
※: 対角線長とインチ数から算出
Time 2でも従来解像度用のウォッチフェイスやアプリはもちろん使用可能。周囲に余白を設けてスクリーンの中央に表示するベゼルモードでの対応となります。
ベゼルモードをシミュレートした画像を作成しました。ppiが上がっていますので、従来解像度用のウォッチフェイス、アプリをTime 2上で動作させた場合には、そのほかの機種で動作させた場合より小さく表示されます。
ちょっと計算してみました。計算が間違っていたら教えてください。
(144 × 168) ÷ (200 × 228) = 0.53 ← Time 2のベゼルモードで表示すると、Time 2のスクリーン面積の53%を使っての表示となる。
1.42 × 0.53 = 0.75 ←Pebble Timeより大きいスクリーンの真ん中に小さく表示されると、Pebble Timeの75%の大きさでの表示となる。
在来のウォッチフェイスやアプリをTime 2のベゼルモードで動作させた場合、Pebble Timeなどで表示させた場合の75%の大きさになってしまうことになります。
Google+のPebbleフォーラムで分かりやすい比較画像を作っている人がいましたので紹介します。(画像出典)
Pebble Time Steelの写真を加工したものと思われますが、一目瞭然ですね。
Time 2もPebble Timeも、表面はゴリラガラス3で変わっていませんが、ポリカーボネート製で傷つきやすかったPebbleと異なり、Pebble 2の表面はゴリラガラス3になり、傷つきにくくなりました。
Time 2、Pebble Timeはどちらもマイク付きで、変わっていません。
マイクがなかったPebbleと異なり、Pebble 2にはマイクが搭載されるようになりました。
Pebbleでは音声がらみの機能を使うことができませんでしたが、Pebble 2はパーソナルボイスアシスタントとして使うことができます。
Time 2、Pebble Time、Pebbleのいずれにも搭載されている電子コンパスですが、Pebble 2にだけは搭載されていません。
旧機種のPebbleにもある電子コンパスが、新機種のPebble 2には非搭載なのです。
Pebble 2からは電子コンパスが削除されたのは、電子コンパスを使ったウォッチフェイス、アプリが58/13000と非常に少なく、使われていないものと判断されたから、とのことです。
Pebble用のアプリ13000のうち、ほとんどは背景に版権画像を敷いただけの粗製ウォッチフェイスで、電子コンパスを使った58のアプリの有用度は明らかにそれらより高い、ということは認識しておきたい事実です。
iOSのみの対応ですが、電子コンパスを使った優秀なナビゲーションアプリ「MapsGPS(元PebbGPS)」があり、これ一つだけでも電子コンパスの存在意義はあるので、電子コンパスの削除はとても残念です。
MapsGPSは進行方向に合わせて地図を回転させるヘッディングアップに対応しており、また道を間違えた場合のオートリルートにも対応、さらにはターンバイターンのナビゲーションにも対応していて素晴らしいアプリです。2016年5月29日のバージョンアップで画面書き換えの頻度を高める修正が入り、自転車用のナビゲーションにも無理がなくなりました。
この記事を読んで試される方がいらっしゃれば、iOS 9のバグのせいでConnect to Pebble / Disconnect from Pebbleボタンは2回押す必要があるケースがあることを覚えておいてください。
MapsGPS for Pebble – Smartwatch maps and directions
カテゴリ: Navigation
販売元: Nathan Oates(サイズ: 1.3 MB)
全てのバージョンの評価: (0 件の評価)
同様に、登録地点の方角を指すGetBackToというアプリも非常に実用的です。これでも十分徒歩/自転車用のナビゲーションになります。
電子コンパスが搭載されていないと、これらの優秀なアプリがスポイルされたり、無用のものになってしまうので、Pebble 2を選ぶ場合には注意したいところです。
Pebble 2、Time 2から本体の裏側に光学式の心拍数計が搭載されました。
Pebbleに活動量計としての機能を求めていた人には待望の機能です。
この機能が欲しい人は買い換えるほかありません。
バッテリー持続時間は、Time 2のみ最大約10日間と1段階上の性能を誇っています。
Pebble 2は従来機種と変わりません。
防水性能はPebbleのみ5ATM (50m)。それ以外は3ATM (30m)で、PebbleからPebble 2になって、防水性能は低下したことになります。
いずれも生活防水レベルで、プールでの使用が精一杯。ダイビングなどには対応不能です。
ハイスペック志向の日本人にPebble 2を買う人はあまりいないかもしれませんが、Pebble 2にはコンパスが搭載されていないことをご承知ください。
解像度が高くなったTime 2は、Time 2への対応を待たなければサードパーティーアプリがベゼルモードでの動作となり、従来機種より小さく表示されます。
Pebble 2、Time 2はBluetooth LEのみ対応で、Bluetooth LEに対応していないスマートフォンでは使えないことにもご注意が必要です。
iOS陣営はiPhone 4s以降に発売された機種はすべてBluetooth LE対応ですので、実質的に困る人はいないと思いますが、Android OS陣営は対応がまちまちですので事前の確認が必要です。
Bluetooth 4.0対応でも、Bluetooth LEには非対応という場合があります。
では、よき機種選択を!
Pebble+Androidのサイクルコンピューター、Ventooがバージョンアップして、設定したルートのトレースが可能に!
方向音痴の僕が、サイクリングやウォーキング、トレッキングをする際の強力な相棒としてPebbleが機能するようになりました。
いくつかウォッチフェイスを作っています。よろしければどうぞ。
MapsGPS for Pebble – Smartwatch maps and directions
カテゴリ: Navigation
販売元: Nathan Oates(サイズ: 1.3 MB)
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