2017年1月以降もHTTPS非対応サイトへのiPhoneからのアクセスは激減しない
2016/06/17
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2016/06/17
現在Appleが開催している開発者向けイベントWWDC 2016に関連して、App Storeで配布されるiOSアプリのセキュリティ設定に関する問題が話題になっています。
App Transport Security(ATS)というセキュリティ機能を2016年12月までに有効にせよ、というAppleの方針が発表されたことに端を発するもの。
ATSが有効にされたiOSアプリでは、Webサービスとの通信は、HTTPでなくHTTPSの使用を強いられることになります。
HTTPSは暗号化されているため安全なのはいいのですが、実際には暗号化されていないHTTPがまだ多くを占めています。
例えば、このブログだってHTTPです。ATS有効化が必須となる2017年1月以降は、このブログもiOSから読めなくなってしまうのでしょうか?
App Storeから配布されている代表的なアプリ、Google Chromeを例に取ります。
Chrome – Google のウェブブラウザ
カテゴリ: Utilities
販売元: Google, Inc.(サイズ: 64.0 MB)
全てのバージョンの評価: (6,894 件の評価)
例えばGoogle Chromeで本当にHTTP通信ができなくなってしまったら見られないサイトがたくさん出てしまい、全く役に立たないものになってしまいます。
しかし、心配はいりません。iOS 10.0以降には、iOS 9.x.xにはなかったATSに関する新しい設定が追加され、Google Chromeのようなアプリでも支障がないように考えられています。
具体的には「NSAllowsArbitraryLoadsInWebContent」という設定キーで、これを設定しておけば、App Storeで配布されるサードパーティーのアプリ内Webブラウザで現状と同様のWebブラウジングが可能になるはずです。
これは開発者がアプリをApp Storeに提出する前に設定するもので、アプリを使うユーザーは気にする必要はありません。
Information Property List Key Reference
The NSAppTransportSecurity key is supported in iOS 9.0 and later and in OS X v10.11 and later, and is available in app extensions. The NSAllowsArbitraryLoadsInWebContent and NSRequiresCertificateTransparency subkeys are supported in iOS 10.0 and later and in OS X v10.12 and later.
Security and Privacy Enhancements
The new NSAllowsArbitraryLoadsInWebContent key for your Info.plist file gives you a convenient way to allow arbitrary web page loads to work while retaining ATS protection for the rest of your app.
ATSが有効にされたアプリをiOS 10.0以前で使った場合の挙動がどうなるのかが気になるところですが、常識的にはアプリ内WebブラウザでHTTPS非対応サイトが見られなくなることはないと考えていていいのではないかと思います。
WWDC 2016に参加している株式会社はてなの id:niwatako さんがAppleの方にこの問題を直撃してくれました。
まだ仕様が固まっておらず、Apple内でも情報が錯綜している状態のようですが、ユーザー的には現状と変わらない使い勝手が維持されると見てよさそうです。ただし、開発者は変わったルールに則するために、相応の労力を払わなければならないかもしれません。
じゃあ、まだHTTPでまだまだ行けるぜ! というサイト運営者の方は、Googleが示すHTTPSページを優先的にインデックスする方針のことを忘れてはいけません。
Webを取り巻く様々な要因がHTTPSへの移行を促している現状から、今のうちに移行を済ませておいた方がよさそうですよ。
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