dynabook AZにUbuntu 11.10 Daily Buildをインストールしたらいい感じだった件
2016/03/16
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2016/03/16
AC100ことdynabook AZが、Ubuntuを開発するCanonicalから動作環境として公式にサポートされています。
既にdynabook AZにインストールできるUbuntu 11.10のイメージが公開されて話題となっています。(続きは[MORE]から)
ARM/TEGRA/AC100 – Ubuntu Wiki |
もくじ
遅ればせながら自分もインストールしてみました。
これまでのモバイル機器向け代替OSへの先入観を払拭する完成度です。
このUbuntu 11.10、
といったステータスで、環境や用途次第では実用が可能なレベルとなってます。
しかしながら、デフォルトの状態では動作がモッサリ気味で、またWi-Fiが不安定だったり、一度サスペンドをすると再起動するまでWi-Fi、Bluetoothが死んだりと、実用するにはまだ辛い部分もあり、発展途上のものと受け止めました。
Wi-Fi、Bluetoothが不安定なのはいただけないと、しばらく間を置いてからまた試そうと思っていたのですが、オフィシャルリリースされているイメージ以外にも、AC100用の12.04LTSとされるDaily Buildのイメージも存在することに気付きました。
Ubuntu 12.04 LTS (Precise Pangolin) Daily Build |
こちらをインストールしてみたところ、オフィシャルリリースのものより具合がいいようです。
12.04LTSという名目ですが、ブートロゴには11.10とありますし、カーネルは2.6.38ということで、12.04LTSではなさそうですが、どうなんでしょうか。
このDaily Build、気付いたところでは、
といった違いがありました(Ubuntu2Dでの比較)。
Daily Buildなので毎日新しいイメージが上がっており、日によっては調子の悪いものも出てきそうですが、自分が試したタイムスタンプが2011年11月03日のものは、現在のオフィシャルリリースである2011年10月13日付けのubuntu-11.10-preinstalled-desktop-armel+ac100.tar.gzよりは状態がいいようです。
Daily Buildもオフィシャルリリースのものとインストール方法は同じですが、ブートイメージもDaily Buildのものを使わないとなりません。つまり、
ubuntu-11.10-preinstalled-desktop-armel+ac100.bootimg の代わりに、
precise-preinstalled-desktop-armel+ac100.bootimg を使い、
ubuntu-11.10-preinstalled-desktop-armel+ac100.tar.gz の代わりに、
precise-preinstalled-desktop-armel+ac100.tar.gz を使うということです。
Daily Buildは若干オフィシャルリリースのものより動作が軽い感じですが、基本的にはもっさりです。
特に、ソフトウェアアップデートをアップデートマネージャから実行するとハングアップしたようになるので、これはコマンドラインから実行します。
$ sudo aptitude update $ sudo aptitude safe-upgrade
もっさり動作で一番辛いのは、文字入力やカーソル移動。
キーバッファがたまったようになって、例えばカーソルキーを押しっぱなしにすると、離した後もしばらくカーソルが動き続けます。
これは、ウインドウマネージャを入れ替えると軽減されます。もっさり自体も、かなり軽減されます。
ただし、ウインドウマネージャによってはサスペンドが効かなくなったり、ネットワークに繋がらなくなったりします。
試した中で一番デメリットが少ないのがXfceでした。2ちゃんねるのdynabook AZスレでおすすめされており、インストールしたものです。
[Android2.2] 東芝 dynabook AZ part6 [Tegra]
$ sudo aptitude install xfce4 xfce4-power-manager
ログイン画面にある歯車アイコンを押すと、Xfceを選べます。
インストール時に自動ログインを選択してしまうと選べませんが、いったんログアウトして選択し直すか、アカウント管理で自動ログインをオフにします。
このほかのウインドウマネージャでも設定をすれば使えるようになると思うのですが、対処方法がよく分からないので、当面はXfceを使おうと思っています。
素早くタイプすると文字が消えてしまう標準のibus-anthyの挙動が気に入らなかったので、ibus-skkに変えました。
$ sudo aptitude install ibus-skk
変換動作が軽く、気に入っています。
デフォルトでインストールされているという話ですが、このページの「zram compressed swap」を一応設定してあります。効果のほどは、よく分からず。
キーボードは、そのままでは入力できないキーがあるので、設定の必要があります。また、Ctrlは正しくAの横にします。
remove Lock = Caps_Lock remove Control = Control_L keysym Control_L = Caps_Lock keysym Caps_Lock = Control_L add Lock = Caps_Lock add Control = Control_L keysym Delete = Muhenkan keysym XF86MenuKB = Zenkaku_Hankaku keycode 81 = backslash bar keycode 84 = backslash underscore
iBusの設定でEnableをZenkaku_Hankaku、DisableをMuhenkanに設定して、
[IME OFF][ SPACE KEY ][IME ON]
こんな感じでMacのJISキーボードライクな操作性を実現します。
今がどっちのモードかを把握する必要が無くなるので生産性が向上します。
Ubuntu 11.10をインストールしたdynabook AZにiPhoneをUSB接続すると、NautilusではiPhoneのファイルシステムがマウントされて見えます。
何と、ファイル共有が有効になったiOSアプリケーションのアイコンが並んだマウントポイント(?)もあり、各種アプリケーションのDocumentsフォルダの中身を自由に操作できます。
例えば、GoodReaderのDocumentsフォルダの中にファイルをコピーしたり、既にあるテキストファイルを直接編集、などということができます。
従って、「アプリケーションメニュー>ファイルマネージャ」への関連付けは、Nautilusを選択しました。
デフォルトのUbuntuだとiPhoneを接続したときにShotwellが起動して、画像の取り込みができますが、Xfce環境だと自動的には起動しません。
手動でShotwellを起動すると画像の取り込みができます。
ちなみに、インターネット共有が有効になったiPhoneとでは、Bluetooth PANによる接続は成功しますが、Wi-Fi経由ではどうもつながりません。
JailbreakされたiPhoneでsshdを起動していれば、tcprelay.pyを使ってUSB経由でトンネルを掘ることができます。
$ sudo aptitude install sysv-rc-conf bum
「アプリケーションメニュー>設定>BootUp-Manager」、「アプリケーションメニュー>設定>セッションと起動」から不要なサービスを無効化。
UbuntuソフトウェアセンターからSynapticパッケージマネージャーをインストール。自分の場合は不要だったAnthyをアンインストール。
僕はアンチエイリアスの効いたフォントが大嫌いなので、輪郭のくっきりしたビットマップフォントを導入します。
小さい文字でもボケボケにならないので、表示文字数を増やすことができ、特に画面が必ずしも大きくないdynabook AZでは有効です。
上記を参考にNFモトヤシーダとCodingFontTobiを入手。
フォントは、Nautilusでブラウズした後、フォントをダブルクリックすると起動するフォントビューアーにある「フォントをインストールする」ボタンを押してインストールしました。
GNOME端末ではNFモトヤシーダ 等幅1の10に設定。
Xfceでは「アプリケーションメニュー>設定>外観>フォント」をNFモトヤシーダ 1の10に設定。一度ログアウトしないとアプリケーションメニュー、メニュー、ウインドウタイトルなどがガビガビになると思います。
Emacsでは、日本語部分にNFモトヤシーダ、英数にCodingFontTobiを指定しています。
.emacs.elの設定:
(set-frame-font "CodingFontTobi") (set-fontset-font (frame-parameter nil 'font) 'japanese-jisx0208 (font-spec :family "NFモトヤシータ゛1等幅" :size 14) )
Emacsついでに、SKKをインストールしています。
iBusで日本語入力をしようとすると劇もっさりなので、ElispネイティブなSKKを導入します。
sudo aptitude install ddskk skkdic
パッケージをインストールしさえすれば、特に設定無しにC-x C-jでSKKが使えます。
KDE/Qtベースのアプリケーションのビットマップフォント化はうまくいっていません(Qt4 設定、Qt3 Configration、KDEシステム設定をインストールして設定してもうまく反映されない)。うまくいったら教えてください。
たまに、液晶を閉じてもサスペンドに移行しないことがあります。
「アプリケーションメニュー>設定>電源管理」の設定次第ですが、その場合でも電源ボタンでサスペンド移行できるようです。
電源ボタンでのサスペンド移行を習慣づけた方がいいかもしれません。
たまに、サスペンドからの復帰に失敗することがあります。
電源が切れているかのようになりますが、実際にはハングアップしているので、電源ボタン長押しで電源を強制的に落とし、そこから起動させることで復帰できます。
僕はMacBook Airを持っているので、正直dynabook AZにUbuntuをインストールしても使い道がありません。
それでも、なかなかに使えるので無駄に持ち出してみようかという気になっています。実際オープンソースカフェに持ち込んでこのエントリを書きました。
とにかく、Ubuntuをインストールしたモバイル機器でサスペンドが動作するというのは、とても素晴らしいことだと思います。
一方で、現状では相手次第でWi-Fiがつながらなかったり、Bluetooth PANがブツっと切れて、ログアウト/ログインしないと再度つながらなくなったり(これはどうやらBTStackをアンインストールしたら治まった模様)と、ネット端末として使う場合に辛い部分もあります。
ちなみに、Wi-Fiに関してはこんな改造を施す人もいるようです。不具合はソフトウェア的なものだと思うので、効果のほどは定かではありませんが。
Wifi Fix |
この先の展開への期待値が高いので、不具合解消の経過自体も楽しむつもりでDaily Buildのページをはてなアンテナに登録して監視しています。
新しいビルドが出たら試してみようかと思っています。
人柱志向の方は、ぜひどうですか?
開発の進捗などを追いたい人は、このMLをウォッチしているといいかと思います。
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