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「GPD Pocket」$399のMacBook風7インチ小型PCがクラウドファンディングサイトで出資者募集開始!8GBのメモリを搭載する「鬼機」

      2017/02/19

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「神機」として人気の超小型PC「GPD WIN」、Android搭載ゲーム機「GPD XD」でおなじみ中国シンセンのGPD社から、2017年中の発売が予告され話題を呼んだ新機種「GPD Pocket」。

MacBookやiPadの代替品となることを目指して開発されました。

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美しいマグネシウム合金のボディ、7インチマルチタッチ対応高解像度7インチ液晶、感圧式のトラックポイント付きQWERTYキーボード、7,000mAhの大容量バッテリーで構成された超小型PCで、重さはわずか480gと大変魅力的な内容となっています。

小型なだけではありません。USB Type-Cによる高い拡張性を備え、ここから給電も可能。大容量モバイルバッテリーで給電すれば、稼働時間は事実上無制限。

micro HDMI端子を介して4Kディスプレイを含むあらゆるディスプレイに映像出力が可能。デスクトップPCスタイルで「GPD Pocket」のパフォーマンスを最大限に引き出すこともできます。

※物理モックアップは開発中のもの

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「GPD Pocket」を一言で表現するならば、「ポケットに入るMacBook」。

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あなたはこの誘惑に抗うことができるでしょうか?

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GPD社は「GPD Pocket」をMacBookよりも美しい外観にするために、そしてSurface 3の携帯性や性能よりも優れたものにするために、クリエイティブと設計にほぼ1年という長い時間と莫大な費用を費やしてきました。

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最初期のコンセプトデザインとスケッチデザインから3Dプリンタによるモックアップ作成、構造設計を経て、プロトタイプをついに完成させました。

基本設計について

「GPD Pocket」のプロセッサーにはIntel Atom x7-Z8750(Cherry Trail)を使用。4コア4スレッドでAtomシリーズでは最高峰のスペックを誇り、Microsoft Surface 3をしのぐ処理速度が期待できます。

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ほぼ同じ構成で現在発売中の「GPD WIN」は、日常使用には全く問題ない快速で動作しています。

x7-Z8750に8GBのLPDDR 3 RAM、128GBのeMMC、7,000mAhの大容量ポリマーリチウムバッテリーを組み合わせ、携帯性、性能、放熱性のバランスが高い次元で調和されています。

これにより、この小型にして12時間ものバッテリー寿命が実現。

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銅製のラジエータパイプと大口径の熱出力パイプラインを内蔵し、「GPD WIN」より熱対策を強化。38℃を維持するようにファンの回転数を自動調節します。

このアクティブな冷却装置の能力は、Surface 3のパッシブな冷却装置よりもはるかに優れています。

「GPD Pocket」への出資者をクラウドファンディングサイトIndiegogoで募集開始!

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ゲーム用途を強く意識した「GPD WIN」に対し、ビジネスに寄せたバリエーションモデルともいえる「GPD Pocket」ですが、春節明けと予告されていたクラウドファンディングサイトIndiegogoでのキャンペーンが2017年2月15日から開始されました。

製品は、2017年6月の出荷を予定しています。

GPD社がIndiegogoで資金を調達するのは、「GPD Pocket」の金型、研究開発ならびに部品調達コストが高価であるためです。GPD社が調達した資金は、すべてこの製品の量産に使用されます。

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募集期間は2カ月。目標額は$200,000(約2,300万円)に置かれましたが、「GPD Pocket」にとっては役不足だったようで、わずか7時間でスピード達成。そして2月16日の3:00時点で目標の2倍に達する$400,000(約4,600万円)もやすやすとクリア。

この勢い、「GPD WIN」に次ぐヒット作になることは間違いありません。

「GPD Pocket」出資メニュー

メニューは下表の通り。「GPD Pocket」は搭載OSにWindows 10 HomeもしくはUbuntu 16.04 LTSが選べるようになっています。

「GPD Pocket」は、64bit Ubuntu 16.04 LTSをサポートする世界初の7インチクラスのノートPCということになります。

Ubuntu用のデバイスドライバが用意されるため、BackTrack 5r3、Nodezero、BackBox Linux、Blackbuntu、Knoppix STDなどのUbuntuベースのOSも「GPD Pocket」で動作させられることを意味します。

ただ、どちらのバージョンも本体に違いはなく、純粋にプリインストールのOSが違うだけでWindows 10 Home、Ubuntu 16.04 LTS両方のインストールイメージが別途提供されるので、Win 10搭載版を選んでおく方が付属するプロダクトキーの分得です。

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市販価格は$599を予定。Indiegogo経由で購入すれば少なくとも$200オフで買うことができることになります。

メニュー 価格 備考
Win 10搭載GPD Pocket本体 1台 $399(市販価格より$200オフ)
Ubuntu搭載GPD Pocket本体 1台 $399(市販価格より$200オフ)
Win 10搭載GPD Pocket本体 1台 + USB Type-Cハブ $409(本体は市販価格より$200オフ) 1台$399
Ubuntu搭載GPD Pocket本体 1台 + USB Type-Cハブ $409(本体は市販価格より$200オフ) 1台$399
Win 10搭載GPD Pocket本体 2台 $793(市販価格より$405オフ) 1台$396.5
Ubuntu搭載GPD Pocket本体 2台 $793(市販価格より$405オフ) 1台$396.5
Win 10搭載GPD Pocket本体 5台 $1,975(市販価格より$1,020オフ) 1台$395
Ubuntu搭載GPD Pocket本体 5台 $1,975(市販価格より$1,020オフ) 1台$395

ただ、「GPD WIN」の経緯から、中国の通販サイトでの市販フェーズに入っても実際には$200も高くならないと予想されます。せいぜい$70〜$80アップぐらいではないでしょうか。

先行する「GPD WIN」は$299から始まって、$330で販売された期間を挟み、間欠的に開催されるセール価格で現在約$360です。

日本へも無料で発送

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発送は全世界対応で、日本にも送料無料で送ってもらえます。

搭載OSによる価格差なし

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違和感を感じるのが、Ubuntu搭載版でも価格が変わらないことです。「GPD Pocket」の構成でWindows 10 Home無料の要件を満たしているのか気になります。Windows 10 Home無料化の要件をご存知でしたら教えてください。

「GPD WIN」のときはWindows 10のライセンスで一悶着あり、Windows 10 Home無料化の要件を満たしていなかったのだと推察されます。「GPD Pocket」でもその辺りの事情は変わらないと思うので、一抹の不安がよぎります。

USB Type-Cに「GPD WIN」からの改善あり?

メニューにUSB Type-Cハブのセットがあるのにも注目です。

セットのUSB Type-Cハブには、USB 2.0ポート、Micro USBポート、Micro SDカードスロット、SDカードスロットが付いています。

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「GPD Pocket」は「GPD WIN」にはあったmicroSDカードスロットがなくなった一方で、USB Type-Cハブで補うことができるという訴求なのでしょう。

ちなみに「GPD WIN」にもUSB Type-Cポートが付いていますが、挿すとキーボードが仮死状態になり(ポインティングデバイスは使える)、復活のために電源オフを必要としたり、コイル鳴きがあったり、USB Type-CからUSB Type-C経由で3A程度を供給しないとUSB Type-Cにぶら下げた機器の動作が不安定だったりと制約があります。

「GPD WIN」ではこのようなハブは直結するだけではまともに使えないので、「GPD Pocket」ではUSB Type-Cの動作に改善が施されると見てよさそうです。 → 2017年2月17日: 改善があるかGPD社に確認したところ、USB Type-Cは「GPD WIN」と同じと回答がありました。「GPD WIN」での問題は電源に起因していたものと推察されるため、電源周りの設計の違いで症状が収まるのを期待することになる感じでしょうか。

「GPD Pocket」の拡張性について

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「GPD Pocket」の拡張性について心配する必要はありません。「GPD Pocket」には電源を供給するためにも使えるUSB Type-C端子があるからです。

USB Type-Cの転送速度の理論値は最大5.0Gbps(500MB/秒)。

USB Type-Cで接続可能な周辺機器は多種多様。

高速データ通信が可能なだけでなく、USB Type-Cを経由してオーディオおよびビデオを出力することもできます。

そのためには、USB Type-CからHDMIまたはUSB Type-CからMini Display Portへの変換ケーブル、またはUSB Type-C対応ヘッドセットだけが必要です。

USB Type-Cハブを使用して、LANアダプタ、microSDカードリーダー、マウス、キーボード、プロジェクター、USBメモリなどの多くの周辺機器を接続できます。

同時に、「GPD Pocket」には旧来のUSB Type-A端子も実装されています。

プリンタ、USBメモリ、USBハブ、スキャナ、スピーカ、ワイヤレスキーボードなどの周辺機器を接続できます。

もちろん、「GPD Pocket」の4K映像をmicro HDMIを通してディスプレイに出力することもできます。

アップデートされた仕様をチェック

このタイミングで詳細なスペック表が公開されています。早速チェックしてみましょう。

基本情報 出荷予定日 2017年6月
製品カテゴリ UMPC
仕様 Ubuntuシステム + フルキーボード
OS Windows 10 Home もしくは Ubuntu 16.04 LTS
プロセッサー プロセッサーシリーズ Intel Atom
プロセッサー x7-Z8750(Cherry Trail)
ベース動作周波数 1.6GHz
バースト周波数 2.4GHz
L1 キャッシュ 32KB × 2
L2 キャッシュ 2MB
コア数/スレッド数 4/4
リソグラフィー 14nm
命令セット 64bit
ストレージデバイス メモリ容量 8GB
メモリ種別 LPDDR3-1600
ストレージ容量 128GB
ストレージ接続インターフェース eMMC 5.1
ディスプレイ タッチパネル 静電容量式パネル、マルチタッチサポート
サイズ 7インチ
アスペクト比 16:10
解像度 1920×1200
1インチ当たりピクセル密度(ppi) 323.45 ppi
スクリーンテクノロジー コーニング社製ゴリラガラス3
GPU グラフィックプロセッサー Intel HD Graphics 400(統合)
ベース動作周波数 200MHz
バースト周波数 600MHz
実行ユニット数 16
マルチメディア オーディオシステム Realtek ALC5645
スピーカー 内蔵ステレオスピーカー
マイク 内蔵
ネットワーク 無線LAN 802.11a/ac/b/g/n
Bluetooth 内蔵
I/Oポート I/O仕様 USB Type-C 3.0 × 1 / USB Type-A 3.0 × 1
ビデオインターフェース micro HDMI(タイプD)
オーディオインターフェース 3.5mmヘッドセットジャック
入力デバイス キーボード QWERTY
バッテリー バッテリータイプ リチウムポリマーバッテリー(取り外し不能)
バッテリー容量 7,000mAh
バッテリー持続時間 約12時間(使用条件に依存して変化)
外観 重量 480g
長さ 180mm
106mm
厚さ 18.5mm
外装素材 CNC加工マグネシウム合金
外装色 シルバー
搭載センサー 加速度センサー、磁気センサー
対応ファイルフォーマット 音声フォーマット MP3/MP4/3GP/WMA/OGG/AMR/AAC/FLAC/APE/WAV/MIDI/RA
動画フォーマット MP4/3GP/WMV/RM/RMVB/ASF/AVI/MOV
静止画フォーマット JPG/PNG/GIF/BMP/JPEG/WEBP/WBMP
アクセサリー 同梱物 GPD Pocket本体 × 1
ACアダプタ 5V/2.5A(米式コンセント) × 1
GPD Pocket保証書 × 1
GPD Pocket仕様書 × 1
保証 保証規定 国際保証サービス
保証期間 本体1年、充電器1年
窓口電話番号 +86 755 26012425
公式HP www.gpd.hk

「GPD Pocket」と「GPD WIN」の比較として見るとこのようになります。

GPD Pocket GPD WIN
価格 Indiegogoでの価格$399
市販価格$599
$360近辺
もしくは5万5千円
サイズ 180mm x 106mm x 18.5mm 155mm × 96mm × 23.5mm
重量 約480g 約365g
CPU Atom x7-Z8750 Atom x7-Z8700
Atom x7-Z8750(希少種)
RAM 8GB 4GB
内蔵ストレージ 128GB(eMMC 5.1) 64GB(eMMC 4.51)
ディスプレイ 7インチIPS液晶(1920×1200)
フルラミネーションディスプレイ
ゴリラガラス3
マルチタッチ対応
5.5インチIPS液晶(1280×720)
フルラミネーションディスプレイ
ゴリラガラス3
マルチタッチ対応
液晶開角度 165度 180度
バッテリー容量 7,000mAh 6,700mAh
USB-A(USB3.0)
映像出力 micro HDMI
(タイプD)
mini HDMI
(タイプC)
音声出力 3.5mmヘッドセットジャック 3.5mmヘッドホンジャック
スピーカー ステレオ モノラル
USB Type-C ○(安定動作の予想) △(不安定)
microSDカードスロット ×
Bluetooth
WiFi 802.11 a/ac/b/g/n 802.11 a/ac/b/g/n

※スペックは変更の可能性があります

以前の取材で得た情報と差異が出てきました。

ディスプレイ解像度: 1920 x 1080 → 1920 x 1200

ディスプレイ解像度が一般的な16:9のフルHDから、少し縦に伸びた16:10の1920 x 1200に変わっています。

ppiは「GPD WIN」を大幅に上回る323.45にも達し、Windows 10としてはとてつもない高解像度となっています。

今時これぐらいの解像度が最低限だと思っている人が多いと思いますが、デフォルトのスケールでは表示が強烈に小さすぎるので使いこなしに工夫を要するはずです。

映像出力: mini HDMI → micro HDMI

事前情報、そして「GPD WIN」ではmini HDMIだったHDMI端子がmicro HDMI(タイプD)に変更されています。

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これには非常に大きな意味があります。

「GPD WIN」では、USB Type-Cケーブルをmini HDMIに誤って挿入し、mini HDMI端子を物理的、電気的に破損する事例が相次いでいるのです。Twitter上で報告されただけで実に10件にのぼりますが、micro HDMIに変更されたことでこの事故の心配がなくなったのは大きな進歩です。

重量: 365g → 480g

以前GPD社から365gと聞いていましたが、今回480gと訂正されています。

「GPD WIN」の重量を間違えて伝えられたという感じでしょうか。480gでも十分魅力的な軽さではありますが。

microSDカードスロット: あり → なし

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初期に公開されたCGモックにmicroSDカードスロットがないことをGPD社に問い正したところ、後でどこかに付ける予定という回答を得ていましたが、どうもないままで行く模様です。

「GPD WIN」のmicroSDカードスロットはSoCの機能を利用して接続されており、メディアの相性が強く出るほか、転送スピードの上限が40MB/秒と低く批判されることが多かったため、改善が不能ならばいっそ取ろうということになったのかもしれません。

内蔵ストレージが64GBから128GBに増量されましたし、USB Type-Cポートが「GPD WIN」より安定して動作するのであれば許容範囲ではないかと思います。

外装素材: 航空機グレードのアルミニウム合金 → マグネシウム合金

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以前の情報では外装はアルミニウム合金とされていましたが、それがマグネシウム合金になりました。

マグネシウム合金はアルミニウムにマグネシウムを添加して強度を高めたもの、ということであまり使い勝手には影響しなさそうでしょうか。

キーボードレイアウト変更

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入力デバイスであるキーボードの設計には、指とキートップの接触面積を増やす人間工学を取り入れています。

レッドドット・デザイン賞2009年最優秀賞を受賞したチクレットキーボード(アイソレーションキーボード)がそれです。

従来のキーボードと比較するとキーの間隔が広く取られ、より正確なキーストロークと、より快適なキーボード入力が可能となります。

新しく公開されたキーボードレイアウトは、以前のものと変わっていました。

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Esc、Tabの位置関係が比較的自然になり、〜(チルダ)が見つけやすい位置に移動。

Fキーがなくなり、数字キーと共用に。マルチメディアキーの一部が増え、PrtScn、[](ブレース)、\(バッククオート)、-(ハイフン)と脳内リマッピングがやりやすそうな配置に。

PrtScnがアプリケーションキーに。ブレースのあったところに右Altと右Ctrlが新設。

悪くない配列になったと思いますが、「GPD Pocket」に「VAIO type P」代替を望む方々が求めるのは「まず本体の横幅を伸ばして」でしょうか?

Aの横に小さくてもCapsがあるのは助かります。SHARP NetWalkerにはここに何もなくて往生しました。

増えたマルチメディアキーには半角/全角などを割り当てることになりそうです。

技適マークについて

以前のGPD社へのインタビューでは、初期ロットから技適マークが付くという回答を得ていましたが、Indiegogoのページにある断り書きは「日本の電波法および電気通信法の認定など、正式に市場に出回ったときに提供される場合がある」と初期ロットには技適マークが付かないとも取れる表現になっています。

ここは確認の必要がありそうです。 → 2017年2月17日: 改めて技適マーク付きで出荷されることをGPD社に確認しました。

eMMCのバージョン

今回のスペックシートには記載がありませんが、以前の情報ではeMMCのバージョンは5.1ということだったことを補足しておきます。 → 2017年2月17日: 改めてeMMC 5.1であることをGPD社に確認しました。

SamsungのeMMC 5.1の製品のスペックを見るとシーケンシャルリード250MB/秒、シーケンシャルライト125MB/秒ということですので、同等品が採用された場合、「GPD WIN」より1.8〜2倍ほどの増速になるかもしれません。

GPD Pocket GPD WIN
容量 128GB 64GB
バージョン eMMC 5.1 eMMC 4.51
内蔵eMMC
シーケンシャルリード
250MB/秒
(参考値)
138MB/秒
(実測値)
内蔵eMMC
シーケンシャルライト
125MB/秒
(参考値)
76MB/秒
(実測値)

プロセッサーについて

当初、プロセッサーにx7-Z8700の採用が予定されていましたが、メモリの8GBへの増量が決定された2017年2月16日にx7-8750への変更が決定されました。

GPD社のWade Wang氏がIndiegogoに残した出資者の質問に、より高性能なx7-8750への変更も真摯に検討したいとコメントしていたことが現実になりました。

「GPD WIN」にも、ごく僅かながらプロセッサーをx7-Z8750に換装したものが出荷されていますが、「GPD Pocket」では標準搭載となりました。

8GB!積載メモリ容量について

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当初積載メモリは4GBとアナウンスされ、改造で8GBのメモリを搭載することができるとされていましたが、問い合わせが多いということで2017年2月16日15:00ごろスペックが変更され、8GB搭載しての出荷が決定されました。

しかも、Indiegogoでの$399という価格、メモリの種別LPDDR3-1600には変更なし、とのことです。

スペック上のメモリ容量は4GBですが、GPD社のWade Wang氏がIndiegogoに残したコメントによるとRAMを取り付けることができる場所は二つあり、その一つが埋められた状態で出荷されるということです。

残りの一つは空いたままなので、ここに4GBのLPDDR3-1600を取り付ければ最大8GBまで拡張できることになります。

we are leaved two place for additional RAM.So if you can add it by your own,It is welded.

Yes,we are leaved two place for additional RAM.So if you can add it by your own,It is welded.you can extend the RAM to 8GB.

ただし、これは半田付けができる場所があるというだけで、簡単には増設ができません。

しかし、これはロマンのある話です。ヤフオク辺りで8GBに増設したものを売る人が出てきそうですね。

「GPD Pocket」に関する疑問点についての質疑応答

Indiegogoのページをつぶさに確認した上で疑問に感じたことをGPD社に質問しました。

必見の内容になっています。

  • Q: 製品の出荷は2017年の末と考えていいでしょうか?
    • A: Indiegogoの出資者向けの予想製品出荷時期は2017年6月になるはずです。
  • Q: 「GPD WIN」のUSB Type-Cは少々不安定ですが、「GPD Pocket」のUSB Type-Cは改善されるのでしょうか?
    • A: 「GPD Pocket」のUSB Type-Cは「GPD WIN」のものと一緒です。「GPD WIN」のUSB Type-Cは十分安定しているはずです。
  • Q: 「GPD Pocket」のUSB Type-CはUSB PDに対応していますか?
    • A: 「GPD Pocket」のUSB Type-CはUSB PDと互換性があります。
  • Q: 「GPD WIN」にスリープ死の問題があることを認識していますか? 「GPD Pocket」では、このスリープ死に対する対策は施されるのでしょうか?
    • A: 認識しています。「GPD Pocket」では決してスリープ死は発生しません。
  • Q: 「GPD Pocket」で使用されているポインティングデバイスは感圧式であるIBMのトラックポイントと同じですか? それとも光学式ですか?
    • IBMのトラックポイントと同様、感圧式のものが採用されています。
  • Q: 「GPD Pocket」の広報写真に登場する素敵な女性はGPD社の社員ですか?
    • A: 彼女は社員の一人です。
  • Q: Ubuntuプリインストール版の「GPD Pocket」とWindowsプリインストール版の「GPD Pocket」の価格が変わりませんが、「GPD Pocket」はWindows 10無料化要件を満たしているのでしょうか?
    • A: Windows 10のライセンスのことを言っているのであれば、もちろんそうです。弊社は「GPD Pocket」でも「GPD WIN」と同様プロダクトキーを無償で提供します。
  • Q: Ubuntuプリインストール版の「GPD Pocket」とWindowsプリインストール版の「GPD Pocket」との間に、ハードウェアやBIOSの相違点はあるのでしょうか?
    • A: 両者の間に相違点はありません。同一のハードウェア、同一のBIOSです。
  • Q: Ubuntuプリインストール版の「GPD Pocket」にWindowsをインストールしたり、Windowsプリインストール版の「GPD Pocket」にUbuntuをインストールすることはできますか? Windows用、Ubuntu用のデバイスドライバーは無料で公開されますか?
    • A: OSのインストールのために、Windows 10およびUbuntuのフルのファームウェアを提供します。従って、ユーザーは自身の利便のためにそれを使って再インストールができます。
  • Q: eMMCのバージョンは5.1で間違いありませんか?
    • A: 相違ありません。
  • Q: 映像出力端子は、mini HDMIからmicro HDMIに変わったのですか?
    • A: micro HDMIに変わりました。
  • ACアダプタは米式のものが付属するということですが、日本向けに出荷されている「GPD WIN」と同じものを添付することはできますか?
    • 一般的に、付属するACアダプターは米式です。
  • Q: Indiegogoの断り書きの部分を読むと、「GPD Pocket」の初期ロットには必ずしも技適マークが付くわけではないと受け取れるのですが、初期ロットには技適マークは付かないのでしょうか? 以前は初期ロットから技適マークが付くという話をされていたと思いますが。
    • A: 「GPD WIN」がそうであるように、すべてを技適マーク付きで生産しますので、心配無用ですよ!

GPD社について

一応、GPD社についておさらい。

GPD社は中国深センのゲームハードウェア開発に注力している会社で、GPDはそのブランドの略称。そのフルネームはGamePad Digital。

かつて、GPD社は主要なゲームプラットフォームと完全な互換性のあるゲーム機を開発しようとしました。その経験を礎に、Android OS搭載携帯ゲーム機「GPD XD」を開発。これは非常に成功し、PSP、Nintendo DS、アーケードゲームを好むゲームプレイヤーの肯定的評価を得ました。

Steamの台頭に代表されるPCゲーム市場拡大の動向が顕著な一方、Windowsベースの携帯ゲーム機市場が空白であることに着目。

Windowsベースの携帯ゲーム機でどこでもPCゲームをプレイできる環境を提供できれば、全く新しい体験を生み出すことができると考え、2016年末に「GPD WIN」を発売開始しました。

この「GPD WIN」もローンチに成功。大成功といえるほどの販売成績は残せていませんが、「GPD WIN」の成功は、アップグレード展開に着手する自信を与えてくれました。

このような経緯から「GPD Pocket」プロジェクトの立ち上げに至っています。

断り書き

最後に、Indiegogoのキャンペーンページの末尾に記載されている断り書きを紹介。

  • 出資者は、最初に製品を手にすることができます
  • 最高の性能を保証するために、資金調達の過程で仕様が変更される可能性があります
  • 搭載OSはデュアルブートではなく、Ubuntu 16.04 LTSとWindows 10 Homeのどちらかを購入時に選択する方式です
  • 出資金には、International Expressの送料と遠隔地で必要な割増料金が含まれています
  • 本製品に必要な国際認定の一部は、日本の電波法および電気通信法の認定など、正式に市場に出回ったときに提供される場合があります
  • 約束の期限までに出資者特典、つまり製品の発送を試みます。しかし、品質保証のために遅れる場合がありますので、ご了承ください

クラウドファンディングですので、製品をただ購入するのとは違う心構えが必要です。

しかし、GPD社は今現在も製品を製造・販売している実績のあるメーカーですし、日本のAmazonでも製品を買うことができます。

「GPD WIN」のときは予定の遅れなしで出荷までこぎつけています。プロジェクトが頓挫するような事態になる可能性は低いでしょう。

2年にわたってわくわくさせてくれる機種を送り出してくれるGPD社に感謝

大分出遅れてしまいましたが、公開されたIndiegogoのページを参考にしつつ記事にしてみました。

こんなものを読むまでもなく、買うべき人は既にバッカーとなっているでしょうが、「GPD WIN」ユーザーならではの気づきを補足したつもりです。

神機「GPD WIN」に引き続き、多くの日本人を魅了するであろう「GPD Pocket」まで矢継ぎ早に送り出すGPD社のフットワークの軽さには感服です。

このUMPCというジャンルの製品を投入したメーカーは歴史上ロクな結末を迎えていないのが気がかりですが、普通に売れた(?)「GPD WIN」に引き続き、GPD社を潤す結果をもたらしてほしいと切に願います。

製品が耐えて久しいUMPC、ハンドヘルドPCというジャンルでこんなことが起こるとは本当に奇跡です! 1台と言わず、2台、3台と買って布教用、保存用に回してください。

いくつかはっきりさせておきたいことが出てきたため、GPD社への質問への回答を得次第、追記予定です。時間を置いてまた読みにきてもらえるとうれしいです。2017年2月16日: 追記完了しました。GPD社に追加質問する場合がありますので、GPD社に聞きたいことがあったらとりあえずコメントに書いておいてください。

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