電子書籍自炊界の斬鉄剣?断裁機Durodexスタックカッター200DXを買ってみた
2016/05/24
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2016/05/24
もくじ
ついに電子書籍の自炊に手を染めてしまった、ひとりぶろぐのmoyashi (@hitoriblog) です。
きっかけは、年末の大掃除です。本棚に無造作に詰んだ本で部屋が狭くなってきており、これを片付けないことには先が無い。そう観念し、電子書籍自炊環境の整備に手を付けたのです。
電子書籍自炊の定番製品が入れ替わったこともいいきっかけになりました。
長らくFUJITSU ScanSnap S1500と、断裁機のプラス 断裁機 PK-513Lの組み合わせが鉄板だったのですが、FUJITSU ScanSnap iX500とDurodex スタックカッター200DXの組み合わせに刷新されたのです。(2015年現在もiX500と200DXが鉄板の組み合わせ)
iX500は在来機種より高速に、また無線LANを搭載しiOS機、Android機から直接iX500をコントロールしてスキャンできるようにもなりました。在来の定番ScanSnap S1500はA4両面20枚/分でしたが、iX500では毎分25枚にスピードアップしています。この差は結構大きい。
200DXの方は、在来定番機種より軽量、収納性、安全性が高まって家庭内に持ち込みやすくなっています。
また、これまでの定番品、PLUS PK-513Lは断裁可能厚が15mmでしたが、200DXは18mm。断裁能力において、3mmのアドバンテージがあります。
PLUS PK-513Lには無い、比較的安価なメンテナンスサービスによるサポートもうれしいところです。
これまで道具をそろえてこなかったのは、断裁機を家庭に持ち込むことに抵抗があったからです。
小型ギロチンのようなもので、いかにも危なそうじゃないですか。
大きく重い断裁機は置き場的にやっかいですし、怪我の呼び水にもなりそうで、とにかく買いたくなかった。
かといって、小型のカッターでしこしこやる気も無し。カッターで切るのが面倒で、自炊をやらなくなりそうな予感があります。
スキャナだけ買って、断裁はキンコーズでやろうとも思ったのですが、やはり面倒くさそう。そうこうするうちに、時間が経過してしまいました。
悩みに悩んだ末、エイヤと200DXとiX500のコンビをそろえてしまいました。
200DXを買った後まで後悔したぐらいですが、実際に手に入れてみるとかなり安全に気を使った設計になっていて、また200DXは在来機種より収納性、重量の面で扱いやすくなっていて、買う前に思っていたほど生活環境を、またその安全性を破壊するようなものではありませんでした。
PLUS PK-513Lはレバーハンドルを上げたところでしかロックがかかりませんでしたが、DX200はレバーハンドルを下ろした状態でもロックがかかるため、収納時の安全性が高まっています。
Durodex スタックカッター200DX。電子書籍自炊用を標榜する製品です。発売元はダーレー・ジェーピーエヌ、製造元は高崎精器。日本製です。
▲存在感抜群の運搬用カートン。iPhone 5との比較で分かりますでしょうか。
▲運搬用カートンを開けるとこんな感じ。
▲新製品発売記念で、デザインナイフとホッチキスなどのリムーバーが付いてきました。わりとうれしい!
▲おまけ1: カバーを切ったり、本を切り分けたりするのに使うデザインナイフ。
▲おまけ2: ホッチキスを抜いたりするのに使うリムーバー。
項目 | スペック(Durodex 200DX) |
---|---|
サイズ(台) | W400mm × D240mm × H155mm(ハンドル込み420mm) |
質量(本体) | 約9.8kg |
質量(ケース収納時) | 約11kg |
断裁寸法(厚さ) | 18mm |
断裁寸法(幅) | 306mm(A4判横対応) |
カットライン表示 | 赤色LED(単3電池2本付属) |
運搬用カートン寸法 | W460mm × D215mm × H450mm(手提げ仕様) |
参考までにPLUS PK-513Lのスペックも載せておきます。
項目 | スペック(PLUS PK-513L) |
---|---|
サイズ | W402mm × D400mm × H435mm |
質量 | 12.3kg |
質量(ケース収納時) | 13.3kg |
断裁寸法(厚さ) | 15mm |
断裁寸法(幅) | 不明・A4判対応 |
カットライン表示 | 赤色LED(単3電池2本付属) |
運搬用カートン寸法 | W525mm × D425mm × H210mm |
▲立てるとこれぐらいの大きさ。PLUS PK-513Lと違い、この位置でレバーハンドルにロックがかかっているので、ロックを外さないことには動きません。レバーハンドルを持って運搬できます。
▲iPhone 5との大きさ比較。アタッシュケースを連想します。
▲本体裏側には、黄色い「刃受け」が斜めに格納されています。使用時はここから取り外して装着、使用後はまたここに戻します。
▲刃受けの下に単3電池2本の電池ケースがあります。これは、カットラインという、断裁位置を表示するLEDを点灯させるための電源です。
▲運搬用カートンには修理のときの返送用に大切に取っておいてくれと書いてありますが、部屋のスペース問題から自炊を思い立ったわけで、捨ててしまいました。200DXをメンテナンスに出す場合は、刃を研磨、刃受けの交換、本体のオーバーホールをするメンテナンスパックA(税込料金7,980円)と、刃を交換するメンテナンスパックB(税込料金15,120円)という二つのコースから選択できますが、メンテナンスを請け負う高崎精器への返送のために、この運搬用カートンが必要だというわけです。これに入れなければ受け付けてくれないわけではないでしょうから、必要が生じたときに改めて返送方法を検討します。
▲本体裏面から取り外した刃受けを取り付けたところです。レバーハンドルをロックするところまで下げるには、刃受けを抜かないといけない作り。使い終わったら引き抜く必要があるので、わざと本体から飛び出す長さになっているということです。この黄色い樹脂が、下りてきた刃を受け止めます。受け止めるたびに傷ついていき、いずれは使えなくなってしまいます。刃が当たるのは刃受けの中央からずれた場所なので、逆から差し込むと同じ面を二度にわたって使えます。4面×2ということで、8回交換しながら刃受けを使えることになります。
▲カットライン点灯スイッチを押すと、刃受けの上に赤い光の線が走ります。
▲記念すべき自炊第一刷目は、NS Basic/Palmの入門書。
▲むむ、断裁可能厚18mmをわずかに超える厚さがあったため、このままでは断裁できません。
▲カッターで二つに割り、それを一つずつ断裁していくことにします。
▲糊で綴じられた方を奥にして刃の方に突っ込みます。スライドゲージ、サイドゲージに押し当て、真っ直ぐを保ちながら、スライドゲージを奥に押し込んでいきます。すると、赤いカットラインが紙に当たるので、それで断裁位置を確認しながら調整。自分がちょうどだと思うよりも、少し多く断裁すると学習しました。糊が残っていると、スキャンする工程で悲劇が起こります。
▲ハンドルロックレバーを奥手方向に倒し、ハンドルロックを解除。
▲しかる後にレバーハンドルを押し下げていきます。
▲ハサミで紙を切るがごとく、造作も無く断裁が可能。
▲作業を終えたら刃受けを引き抜きます。カットラインを照らすLEDも消灯。
▲刃受けを元通り収納。
▲幸いにして、ベッドと壁とのすき間に収納できました。生活空間を全く侵さずに断裁機を所有できるとは、何となく感覚的に思っていませんでした。もっと早く買っておけばと今では思います。埃対策でカバーが欲しいですね。
▲これは冒頭に掲載した動画中で三つに分けて断裁した700ページの本の断面ですが、非常になめらかに断裁できていることが分かるかと思います。元々の小口側よりもむしろ綺麗な断面というぐらい。
僕にとって断裁機初体験、自炊初体験ですが、200DXを使って断裁するのは、これまで勝手に持っていた印象よりかなりラクなものでした。
この楽さが効いて、後に控えるiX500でのスキャン工程含め、一連の電子化の処理が軽々と回っていく感じはなかなかに痛快です。
みるみるうちに、本棚の区画一つが空いてしまいました。本棚全部を空けるのは、ちょっとホネが折れますが。
空間を消費せずに本を所有でき、iPad 1台分の重量を負担すればどこでも読めるというのは凄いことですね!非常に当たり前のことを言っているような気がしますが、素直にそう思います。