「TaoTronics TT-BH06」2,000円台の高音質Bluetoothイヤホン
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今回は、安価なBluetoothイヤホンで定評のあるTaoTronics TT-BH06を紹介します。
スマートフォンの周辺機器や電子機器を発売する、アメリカ・カリフォルニア州にあるメーカーTaoTronics。同社の製品はおしなべてコストパフォーマンスが高く、Amazonで高い評価を得ています。
TaoTronicsのTT-BH06は、口コミで評判のBluetoothイヤホン。
Amazonで実に665件ものレビューが付き、評価は4/5! 米国のamazon.comの方では791件のレビューで、評価は4/5とほぼ同様の高評価。
TaoTronics TT-BH06は2016年3月現在¥2,499で非常に安いのですが、低価格なBluetoothイヤホンにしては音質がいい、という専らの評判です。
以前から気になっていたのですが、幸いにもTaoTronicsさんから製品を試す機会をいただきました。
早速使ってみたのですが、この価格にしてはよく出来たBluetoothイヤホンで感心してしまいました。
音質は「高音質」と断言できるほどではなかったのですが、周波数特性のバランスがよく、2千円台だと思えば出来過ぎです。タイトルに「高音質」と書いて矛盾しているようですが、詳しくは後述します。
バッテリーライフはカタログスペック上5時間ですが、実際は4時間強といったところでしょうか。
マイクが付いていて、通話もできます。マイクにはノイズキャンセル機能まで付いているのですが、少々感度が低いようです。
Bluetoothの接続性については問題なし。iPhone 5sで問題なく使えました。
2台までのマルチペアリングに対応していて、2台同時に接続できます。
AmazonでベストセラーになるBluetoothイヤホンの価値を実感できました。
音楽を緻密に聴き込むような使い方や、通話をしまくる使い方には向いていませんが、ランニング、電車での通勤通学に使うならうってつけのBluetoothイヤホンですね。
生成りの紙に銀の箔押しが格好いいパッケージ。
内容物は、TT-BH06本体、イヤーチップS、M、L(Mは本体に装着済)、イヤーフック6種、巾着、ショートMicroUSBケーブル、取り扱い説明書。
左右のユニットをつなぐやや固めのきしめん状のケーブルは、カバンの中で絡みづらい一方、体を動かしたときにゴソゴソ音を発生させやすい側面も。重さは17g。
音量調整、曲の送り戻しなどをするボタンは右ユニットの前側に付いていますが、押し込みが固くてちょっと操作しづらい。操作すると装着状態のズレを招いてしまうのが気になりました。
音量調節ボタンを押すと、TT-BH06側の音量を調節するタイプで、接続機器とは音量が別管理となります。気になる人は気になる仕様かもしれません。
音量調節ボタンの下にある穴がマイクです。
イヤーピースとユニット本体との間に、イヤーフックをかけるくびれがあります。
イヤーピースは3種類6個、イヤーフックは6種類6対付属しており、フィッティングに配慮がされているのがうれしいところです。
こちらは、スポーツ向けの固めのイヤーフック。固定力が高くなります。
このタイプのBluetoothイヤホンを使ったことがないとイヤーフックがどのように機能するのかピンと来ないかもしれませんが、写真の向きで取り付けて装着します。
左ユニットのゴム製のハッチを開くと、充電用のMicroUSB端子が出てきます。
充電には普通のMicroUSBケーブルが使え、特別な付属品を使用せずにモバイルバッテリーから充電できて便利です。充電は2時間で完了します。バッテリーライフは4時間強。
Bluetooth 4.0に対応しており、iOSのバッテリーAPIにも対応。iPhoneなどからバッテリー残量を確認しやすくなっています。
付属のMicroUSBのショートケーブルは持ち運びに便利。ショートケーブルが付属品になっていることはまれなので、ありがたみを感じました。
この機種の最大のトピックである音質についてです。
コーデック(無線転送のためのデータ圧縮方式)として音質のいいaptXに対応しており、スペック上からも音質への期待値は高いといえます。
iPhone 5sとの組み合わせで、音質を確認しました。
まず感じたのがノイズの少なさ。サーッというヒスノイズは聞こえず、接続確立状態でもほぼ無音です。ボリュームを大きくしても、曲間などでは無音を保ちます。
音質のファーストインプレッションは「これは常用できる!」というものでした。その瞬間、僕の顔はパっと明るく輝いていたはずです。
これまで試した2,000円〜4,000円の価格帯のBluetoothイヤホンの中では上位に位置します。
イヤーチップは最初から付いていたMを使用しましたが、この状態で僕の耳にはぴったり。低域から高域までのバランスが整っており、イコライザーでの調節の必要を感じません。
システム全体に対してイコライジングを適用できないiOSデバイスでは、何もいじらずに済むのは非常にありがたく感じます。
iPhoneはaptX非対応なので、コーデックはaptXより音質の劣るAACかSBCが使われているはずです。しかし、特に表現に差が出る高域においても大きな不満を感じません。低域も出ますが過剰でなく、周波数特性の素性がいい。
ただ、低域が歪んだりすることや、音が割れることがままあります。
上記のような破綻が生じることがあり、また有線のイヤホンとの比較では高域の表現に差を感じてしまうので、絶対的な高音質とまではいえないものの、高い水準でバランスが保たれた音質です。
過去に低価格帯のBluetoothイヤホンの音質に失望したことがあるので、この低価格で、ここまでの音質が実現できていることには驚きを感じました。
TaoTronics TT-BH06はスポーツ向けのBluetoothイヤホンであるといううたい文句なので、それを期待して買う人が多いと思いますが、その用途では果たしてどうなのでしょうか?
ランニングに使ってみての感想です。
フィット性については、メガネのツルのように耳の外側にかけるイヤーフック付きのモデルより頼りない感じを受けましたが、イヤーフックをスポーツ向けの固いタイプのLにしたら自分の場合はズレを気にせずに済むようになりました。
パーツを交換しながら自分の耳に合わせることは、とても重要ですね。
カナル型ゆえに遮音性が高く、外界の音が聴こえづらいのがランニング中に使っていて気になりました。住宅街の見通しの悪い交差点を通過する際には気を使います。
ケーブルがきしめんタイプで少し固めなので、走っているとそこから衝撃が伝わってノイズとして聞こえてきます。ケーブルクリップを取り付けたら、ノイズが抑えられました。
防水性はありません。防滴でもないので、濡らさないように注意する必要があります。まだ雨に降られたことはありませんが、汗が付着するレベルでは問題ないようです。
通話に使ってみましたが、通話相手から声が小さいことを指摘されました。緊急の用足しというレベルなら使えないこともありませんが、大事な通話をするのは憚られるかもしれません。
Amazonに説明がありませんが、TaoTronics TT-BH06は2台までのマルチペアリングに対応しています。
2台とペアリングを済ませると、自動で接続されるのは後からペアリングした方のみですが、一つ前にペアリングした方とも手動で接続できます。
1台と自動接続した後に2台目からも手動で接続すると、2台と同時接続状態になります。
2台と同時接続状態にあるからといって、2台分の音を同時再生できるわけではありません。
どちらかからの音が再生状態にあると、後からきた方は再生ができません。
そういう制約はありますが、2台分のスマートフォンの通知音を集約して聞きたいというような使い方はできるので便利ですね。
できる状況にないので試していませんが、2台分の通話の待ち受けも可能だと思います。
細かい欠点がなくはないのですが、音質が一定水準に達しているということが本機を使う強いモチベーションになっています。
音質がイマイチな低価格帯のBluetoothイヤホンをつかんでしまった、あるいは世代が古いBluetoothイヤホンを使っているなら、乗り換える価値はあるでしょう。
Bluetoothイヤホンが初めてなら、最初の一台として文句なしにおすすめできる機種です。