ミュージシャンの元プリンスを表すUnicode特殊文字はある?
2016/04/24
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2016/04/24
世界的なミュージシャンのプリンスという枠すら狭過ぎる感のある、かのプリンスが2016年4月22日に亡くなったということです。
Rest in peace under the Purple Rain.
デヴィッド・ボウイ(2016年1月10日没)の訃報の驚き冷めやらぬ中という人も多いのではないでしょうか。
プリンスは、改名していた時期があります。それは、1994年から2000年までのこと。
改名は、レコード会社とのトラブルが原因だったということです。
世界的なミュージシャンの改名自体も驚きですが、そのときに付けた新しい名前が……。
名前というより、シンボルです。このシンボルそのものは、ラブ・シンボルと呼ばれています。読み方は規定されておらず、以降名前を戻した2000年までは「元プリンス」(the Artist Formerly Known As Prince、略してTAFKAP)、「ジ・アーティスト」(The Artist)と自称/呼ばれるようになりました。
今回の訃報を聞いて気になったのが、このプリンスを示すシンボルが、文字コードの業界規格であるUnicode文字セットの中にあるのかどうかということ。
Unicode 1.0.0は1991年の登場。2015年のUnicode 8.0.0までバージョンアップが続いているので、どこかの時点で取り込まれていても不思議ではありませんが、結論から言うとありません。
しかし、1999年の時点でそのことがUnicodeコンソーシアムのメーリングリストでも話題になっていて、メンバーのMarco Cimarostiさんが結合文字(Combining Character Sequence)での再現を提案しています。
曰く、次のUnicode文字を上から下の順序で並べると……。
Unicode | 名称 | 記号 |
---|---|---|
U+01AC | LATIN CAPITAL LETTER T WITH HOOK | Ƭ |
U+030A | COMBINING RING ABOVE | ◌̊ |
U+0335 | COMBINING SHORT STROKE OVERLAY | ◌̵ |
U+032C | COMBINING CARON BELOW | ◌̬ |
このように、かなり近い形で再現できるということです。
2000年に名前をプリンスに戻しているので「R.I.P. Ƭ̵̬̊」などと書くのは間違いですが、プリンスを偲んで当時の話題に言及するときに使ってみるのもいいかもしれませんね。