EvernoteからMicrosoft OneNoteへの乗り換え検討、移行方法を紹介
2016/07/05
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2016/07/05
Evernoteに関して、驚くべきニュースが飛び込んできました。
本日から有料プランの料金を改定し、値上げ。ベーシックプラン(無料プラン)で利用可能な端末台数を30日後に制限するというものです。
それに関連したトピックをお伝えします。
もくじ
2016年6月29日、Evernoteが有料プランの料金改定と、ベーシックプラン(無料プラン)で利用可能な端末を2台までに制約することを発表しました。
新料金は、これから有料プランを契約する場合に適用されます。
ベーシックプラン | プラスプラン | プレミアムプラン | |
---|---|---|---|
従来料金 | 無料 | 月額240円 | 月額450円 |
年額2,000円 | 年額4,000円 | ||
新料金 | 無料 | 月額360円 | 月額600円 |
年額3,100円 | 年額5,200円 |
月額で33%〜50%の値上げです。
ベーシックプラン(無料プラン)は利用が2台までに制限されてしまいました。移行までの猶予期間が30日与えられ、新仕様での運用は2016年07月28日〜29日以降から始まることになります。
今後、Evernote ベーシックで利用可能な端末の数を 2 台までに変更させていただくことになりました。例えばパソコン 1 台とスマートフォン 1 台、パソコン 2 台、あるいはスマートフォン 1 台とタブレット 1 台といった具合です。お客様は現在、2 台よりも多い端末で Evernote をお使いいただいております。この仕様変更には 30 日の移行期間を設けさせていただきますので、お手数をおかけいたしますが、ご利用端末数の調整をお願いいたします。なお、Evernote プラスまたは Evernote プレミアムの場合、引き続き端末数の上限なくご利用いただくことができますのでご検討ください。
Web版は台数に数えられないので、デスクトップPCではWeb版を使い、本当に必要な端末2台を参加させるといった運用は可能ですが、それにしても大きな制約です。
リストラ、ラインナップの整理とEvernoteの苦しい台所事情を察する出来事が続いていましたので、いよいよか、という感慨があります。
ソースネクストが販売する「EVERNOTE(エバーノート) プレミアムパック」というEvernoteのプレミアムプランの1年、または3年プランがあります。
1年 | 3年 | |
---|---|---|
Evernote プレミアムプラン 新料金 | 5,200円 | 15,600円 |
月額433円相当 | ||
ソースネクスト EVERNOTE プレミアムパック |
4,000円 | 10,000円 |
月額333円相当 | 月額277円相当 |
1年で4,000円(23%オフ)、3年で10,000円(36%オフ)ですので、新料金との差は歴然としています。値上げ対策にこれを使うのも一つの手でしょう。
複数買って自分のアカウントに継ぎ足すこともできます。例えば6年分で20,000円。これで問題を6年先送り、と考えると?
Evernoteの新料金発表で追従の値上げはありそうです。従来の料金で使える最後のチャンスでしょう。
残留か、それとも別のサービスに移行か。
MicrosoftがリリースするMicrosoft OneNoteへの移行を検討してみました。
Microsoft製とはいっても、Windowsで囲い込むようなものにはなっておらず、対応プラットフォームはEvernoteと比肩するものになっています。
Microsoft OneNoteは以前は有料のアプリでしたが、現在はすべて無料化されています。
表内のリンク先が、各プラットフォーム用クライアントのダウンロード先となっています。
Evernote | Microsoft OneNote | |
---|---|---|
Webアプリ | Evernote Web | OneNote Online |
iOS | ○ | ○ |
Android | ○ | ○ |
Windows | ○ | ○ |
macOS | ○ | ○ |
Microsoft OneNoteには、WebクリッピングのためのWebブラウザ機能拡張もあります。(Google Chrome、Safari、Firefoxに対応)
Microsoft OneNoteはまさにMicrosoft版Evernoteとでもいうべきもので、Microsoftのオンラインストレージ、Microsoft OneDriveをバックエンドとしたWebサービスでもあります。
Microsoft OneNoteでどのぐらい容量を使えるかは、Microsoft OneDriveの空き容量によるわけです。
Microsoft OneDriveには無料プランが存在し、容量は5GB使えます。以前のキャンペーンで容量を獲得し、維持していれば、その容量を活用できます。
無料 | 基本(月170円) | |
---|---|---|
容量 | 5GB | 50GB |
Evernoteを使っている人はスルーしていたかもしれませんが、評判の方も非常によく、移行を十分に検討できるものです。どのプラットフォームでも4/5をキープしているのは凄いことです。
本家Windowsデスクトップ版の評価がありませんが、Windowsのメトロ版より完成度は高いので、レビューの機会があれば4/5以上は獲得しているはずです。
GooglePlayでの評価
App Store(iOS)での評価
App Store(macOS)での評価
Microsoft ストアでの評価(メトロ版)
※Windows版にはデスクトップ版とメトロ版の二つがあります
サービス、アプリそのものの評価は非常に高いMicrosoft OneNoteですが、Evernoteと歴然とした差が付いている点があります。
それは、サードパーティーアプリの対応。Evernoteは無数のサードパーティーアプリが対応をしていますが、Microsoft OneNoteはEvernoteの陰に隠れてサードパーティーからは軽視されています。
ただ、APIは十分に公開されているので、今回の決定を受けて、今後サードパーティーのMicrosoft OneNote対応は進んでいくものと思われます。
開発者の皆様、ビジネスチャンスですよ!
IFTTTはOneNoteに対応していました。
さて、本題のEvernoteからMicrosoft OneNoteへの移行方法ですが、これはMicrosoftが移行(インポート)用のツール「OneNote Importer」を用意しているので、それを使え、ということになります。
ただし、タグなどのメタデータの移行には対応していないので、注意が必要です。
利用には、Windows 7以降と、Windowsデスクトップ版のEvernoteがインストールされたPCが必要です。具体的な手順は以下のサイトが詳しいです。
User AgentがWindowsになっていないとダウンロードできないので、一応直接リンクを置いておきます。
Microsoft OneNote単体で移行できるようになるといいのですが、現状は上記の環境が必須となっています。
移行作業は一度だけのこととはいえ、デスクトップPCを使わない人も多いでしょう。
「OneNote Importer」のページにEvernoteとMicrosoft OneNoteとの比較表があります。
OneNote | Evernote | |
---|---|---|
Windows、Mac、iOS、Android、Web で利用可能 | ○ | ○ |
モバイルのメモにオフラインでアクセス | ○ | Evernote Plus または Premium が必要 |
毎月無制限のアップロード | ○ | 60 MB/月 (無料) 1 GB/月 (Evernote Plus) |
自由形式のキャンバスを使用してページの任意の場所に書き込む | ○ | × |
コンテンツを他のユーザーと共有 | ○ | ○ |
Web からコンテンツをクリップ | ○ | ○ |
メモにメールを保存 | ○ | Evernote Plus または Premium が必要 |
名刺のデジタル化 | ○ | Evernote Premium が必要 |
[出典] Evernote のコンテンツを OneNote にインポート
Evernoteだと無料プラン(ベーシックプラン)ではオフラインでの不便さがありましたが、Microsoft OneNoteはオフラインに制約がないのは大きなメリットでしょう。
Microsoftにとって、Microsoft OneNoteそのものがキャッシュポイントでなく、その上位にあるMicrosoft OneDriveの有料プランの契約こそが本命なので、こういう差が出てくるわけです。
しかし、50GBで月額170円だったら、払ってもいい人が多いのではないでしょうか。
Evernoteの新料金は最低でも月額258円(プラスプラン年払い)ですので、差は歴然です。
幸いにして、僕の場合は過去のキャンペーンでMicrosoft OneDriveに36GBの容量を確保しているので、当分有料プランのお世話になることはないのですが。
しばらくMicrosoft OneNoteへの移行を試してみるつもりです。