「Kingston HyperX Savage SSD 480GB」読み/書き500MB/秒超の高速SSD
2016/10/14
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2016/10/14
メモリなどのPC用パーツの製造・販売でおなじみKingston Technology(以下Kingston)から2015年5月ごろに発表になった「Kingston HyperX Savage SSD」シリーズ。
「Kingston HyperX Savage SSD」は読み取り速度最大560MB/秒、書き込み速度最大530MB/秒と非常に高速なMLC NANDを採用した、SATA 3(SATA600)接続のハイエンドSSD。
厚さは7mmと薄型で、様々なノートPC、デスクトップPC、HTPCなどに搭載することができます。
今回は、シリーズ中2番目の容量を持つ480GB版「Kingston HyperX Savage SSD 480GB」(SHSS37A/480G)をレビューします。(サンプル提供Kingston)
もくじ
HyperXとは、Kingstonが展開するゲーミング向け製品のブランド。ゲーマーの高い水準の要求に、高品質な製品群でこたえてきた10年の歴史を持ちます。
Kingstonが展開するSATA SSDのラインナップは現状4ラインあり、うちゲーミング用途のHyperXブランドを冠するものは「Savage SSD」と「Fury SSD」の二つ。
今回紹介する「Savage SSD」は「Fury SSD」の上位グレードに位置します。
Fury SSD | Savage SSD | |
---|---|---|
容量 | 120GB〜480GB | 120GB〜960GB |
読み取り | 500MB/秒 | 最大速度 560MB/秒 |
書き込み | 500MB/秒 | 最大速度 530MB/秒 |
特徴 | 手頃な価格で優れたパフォーマンス | Phison S10 コントローラ |
新しく「Savage SSD」に搭載されたコントローラPhison S10は、クアッドコア、8チャンネルで高い応答性、状況に左右されにくいマルチタスク機能を備え、安定した性能を発揮します。
容量によって読み書きの速度に微妙な差異があり、今回取り上げる480GB版は読み取り520MB/秒、書き込み500MB/秒となっています。
製品は化粧箱に収められ、高級感が演出されています。赤と黒のテーマカラーが精悍な雰囲気を醸しています。
先日紹介した同社、同ブランドのゲーミングヘッドセット「HyperX Cloud Revolver」とデザインが統一されていますね。
付属品は以下のリストの通りで、3.5インチベイにも固定できるよう、アダプターが付属しています。
HDDクローンソフト「Acronis True Image HD」のアクティベーションキーが付属し、今使っているHDD、SSDの中身をそっくりコピーするために新たにソフトの用意を必要としません。
同梱品 |
---|
本体 |
3.5インチベイ用アダプター |
2.5インチ用ビス |
3.5インチベイ用ビス |
7mm→9.5mmスペーサー |
Acronis True Image HD(HDDクローンソフト)アクティベーションキー |
ステッカー |
取扱説明書 |
「Acronis True Image HD」のインストールメディアは付属しないので、ダウンロードページからダウンロードします。
「Acronis True Image HD」ダウンロードページ
アルミ製の3.5インチベイ用アダプターにまでアルマイト処理、ヘアライン加工を施す凝りようで、高級感があります。
本体の厚さは7mmのロープロファイル。付属の7mm→9.5mmスペーサーはウレタンスポンジ製で、本体に乗せると以下の写真のような感じです。
裏面には特筆すべきものはなし。インターフェースはSATA 3(SATA600)。設定を変えるディップスイッチやジャンパのようなものは存在しません。
「Kingston HyperX Savage SSD 480GB」(SHSS37A/480G)を、以前組んだ録画サーバに組み込んでみました。
この録画サーバは、二つの3.5インチSATA HDDホットスワップベイを持つ、非常に録画サーバに向いたmicroATX規格のケース「SilverStone Grandia SST-GD06B」を使っています。
接続は簡単で、SATA電源ケーブルとSATA信号ケーブルを差し込んでおしまい。このマザーボードのSATAにはSATA300とSATA600の2系統ありますが、当然SATA600の方に接続。
シャドウベイが空いているはずですが、マウンタがどこかに行ってしまったようなので、とりあえず空中配線で済ませました。
シャドウベイ用のパーツが出てきたら、ちゃんと固定しようと思います。
ベンチマークには、おなじみCrystalDiskMarkの64bit版を使用しました。
テスト環境 | |
---|---|
ケース | Silver Stone Grandia GD06 SST-GD06B |
電源 | 玄人志向 KRPW-PT500W/92+ |
CPU | Intel Core i5 3570K |
CPUクーラー | リテール |
メモリ | W3U1600HQ-4G/N |
マザーボード | P8H77-M PRO |
VGA | オンボード |
SSD | CT128M4SSD2 |
OS | Windows 7 Home Premium 64bit |
さて、結果はどうかといえば、シーケンシャル読み取りが554MB/秒、同書き込みが534MB/秒と、カタログスペックの読み取り520MB/秒、書き込み500MB/秒を上回る数字をたたき出しました。
実売で21,680円+1,200pt(実質20,480円)ということを踏まえると、素晴らしい性能といえるのではないでしょうか。
比較対象として、2TBのHDD、WD20EZRX/Nの結果を掲載します。「Kingston HyperX Savage SSD 480GB」の高速性が際立って見えます。
起動ディスクとして使用すれば、きびきびとしたレスポンスが得られそうですね。
Amazonなどのレビューに記載されたIntelのSSDのCrystalDiskMarkのデータを調査してみましたが、定番IntelのSSDとの比較でも、性能面、コスト面で優位性がありそうです。特に、書き込みが速いのが目立ちますね。
シーケンシャル 読み取り |
シーケンシャル 書き込み |
2016年10月時点 実売価格 |
|
---|---|---|---|
Savage SSD 480GB | 554MB/秒 | 534MB/秒 | 実質20,480円 |
Intel SSD 53 480GB | 519MB/秒 | 277MB/秒 | 24,092円 |
Intel SSD 520 480GB | 490MB/秒 | 275MB/秒 | 40,480円 |
Intel SSD 535 480GB | 519MB/秒 | 277MB/秒 | 31,017円 |
Intel SSD 540s 480GB | 557MB/秒 | 444MB/秒 | 17,780円 |
Intel SSD 730 480GB | 475MB/秒 | 488MB/秒 | 32,200円 |
IntelのSSDは価格が高めで、安定性というスペックに見えない部分を評価されるため、これだけの要素で評価するのは間違いかもしれませんが。
Amazonでの2016年10月時点の実勢価格を調べ、1GB当たりの単価を計算してみました。
容量が多いほど、1GB当たりの単価が安くなる傾向にあります。
型番 | 容量 | 実勢価格(2016年10月) | 1GB当たり単価 |
---|---|---|---|
HyperX Savage SSD SHSS37A/120G | 120GB | 9,620円 | 約80円 |
HyperX Savage SSD SHSS37A/240G | 240GB | 13,210円 | 約55円 |
HyperX Savage SSD SHSS37A/480G | 480GB | 実質20,480円 | 約42円 |
HyperX Savage SSD SHSS37A/960G | 960GB | 実質31,125円 | 約32円 |
120GBと960GBとを比較すると、1GB当たりの単価は2.5倍もの開きがあります。
従って、使い方にもよるかと思いますが、予算の許す限り大容量のものを選ぶのがよさそうです。
以前HyperXブランドのゲーミングヘッドセット「HyperX Cloud Revolver」をレビューした際、張り出しの強いデザインとは裏腹に、実直な作りの製品で好感を持ったため、今回の「Kingston HyperX Savage SSD 480GB」にも期待を寄せていましたが、スペック通りのパフォーマンスを発揮し、自分の中のHyperXブランドへの信頼感はより増した感があります。
それにしても、最近のSSDは非常に高速ですね。価格も十分リーズナブルですし、最大容量の960GBの導入でも、躊ちょなく決断できるレベルではないかと思います。
ゲーミング用途といううたい文句ですが、仕様はごくごく一般的なSSDなので、SSDを検討している方であれば、選択肢の一つに加えてはいかがでしょうか。