macOS標準ソフトウェア「写真」の調整項目「ライト」の補正効果が実に素晴らしい
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macOSに標準でインストールされている写真管理ソフトウェア「写真」(Photos)。
「写真」には写真を補正・編集する機能が内蔵されていますが、これまで「写真」でしか見たことのない調整項目、「ライト」の効果が素晴らしいのです。iOSの「写真」の「ライト」も同じですが。
「ライト」超好き。
もし使ったことがなければお試しください。
「ライト」を使用するために編集ツールに入るには、写真を選択中にEnterキーを押します。編集ツールの中の「調整」に、「ライト」が含まれています。
例えばこの写真。露出が空に合っているので、全体的に露出がアンダーです。
これを調整項目「露出」だけで持ち上げようとすると、空がオーバーになって飛んでしまいます。八ヶ岳の姿はぜひ残したいので、これでは不満が残ります。
これを調整項目「ライト」で持ち上げると、空のトーンを残したまま、森林部分が持ち上がって良好な結果を得られました。It’s a magic! 狂ってる? それ、誉め言葉ね。
結果的に全体のトーンが圧縮され、HDR風に仕上がります。ちょっとイヤラシさを感じますが、全然アリではないでしょうか?
肉眼は撮像素子より広いラティチュードを持ちますが、補正結果は記憶色ならぬ記憶ラティチュードに大分近い感じがします。
「ライト」を調整すると配下の7項目が一斉に動き、ここの時点では、
といった調整になっていますが、「ライト」のスライダーを上げ下げすると、それぞれの調整項目が各々の振れ幅、各々の方向に動いて、何らかの知的な判断により決定されているものと推察できます。
個別に手動で調整すれば「ライト」を使う必要はないわけですが、僕がこれを自分で再現するのは無理です。
こちらも、空のトーンは維持されたまま、地面のトーンが持ち上がっています。
樹木と空の境界に不整合が出て縁取りのようになっていますが、僕としてはなしではありません。
こちらは空も少しアンダーでしたが、「ライト」の適用でやや持ち上がり、地面はそれ以上に持ち上がって調和が取れました。キツネにつままれたような気分です。
こんな画像処理ができるんだ! と。
これらは写真がアンダーに撮れたために空のトーンが残り、「ライト」の適用で空と地面の共存ができたわけですが、地面の方に露出を合わせていれば空は白く飛んでしまい、「ライト」の適用をしてもこのような仕上がりにはなっていませんでした。
「ライト」の存在を前提にすると、写真の撮り方もちょっと変わりそうですね。
ちなみに、iPhoneで撮影したパノラマ写真と「ライト」の相性もいい感じです。
パノラマはHDRと同時指定できないのですが、アンダーに撮ったパノラマ写真への「ライト」後がけでも雰囲気が出てきます。
別環境での「こんな処理があるよ!」という情報があれば、ぜひお寄せください。