「OM-D E-M1 Mark II」用の「BLH-1」互換バッテリーがついに登場!
2017/03/17
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2017/03/17
Olympusのミラーレス一眼のフラッグシップ機「OM-D E-M1 Mark II」用のバッテリー、「BLH-1」。
「OM-D E-M1」、「OM-D E-M5」、「PEN E-P5」用のバッテリー「BLN-1」より容量が増え、またインフォリチウムになりました。
バッテリーが新しくなったことでバッテリー駆動時間が長くなり、残量が正確に把握できるようになったのはありがたいことなのですが、同時に安く買える互換バッテリーの恩恵も受けられなくなってしまいました。
「BLN-1」はまた、社外品のUSB充電器が使えることもメリットだったのですが、「BLH-1」になってそれも使えなくなってしまいました。
もくじ
バッテリー内部にコンピューターを搭載したインフォリチウムになったことで、ひょっとすると互換バッテリーの登場は望み薄なのかと心配していたのですが、そんな心配をよそにシレっと登場していました! 待っていた人も多いのではないでしょうか。
筆者が買ったものは入手不能となり、USB充電式のものが代わりに登場していました。最初からこっちを売れよ……。orz
届いたので軽くレビューを書いておくと、バッテリーに関しては本記事のもの同様インフォリチウムではありません。
本記事の互換「BLH-1」(A)は容量が1,750mAhあるのに対し、こちらの互換「BLH-1」(B)は容量が1,720mAhで純正と同じです。
容量 | 電圧 | |
---|---|---|
互換「BLH-1」(A) | 1,750mAh / 13.0Wh | 7.4V |
互換「BLH-1」(B) | 1,720mAh / 12.8Wh | 7.4V |
このセットに付属の小型軽量で素晴らしいUSB充電器は、互換「BLH-1」の充電完了に3時間36分(216分)かかりました。
充電開始時に1Aぐらい流れますが、流れる電流がなかなか下がらずいいペースで充電されているようでした。
充電のために流れた電流は2,890mAh。10,000mAhのモバイルバッテリーなら2回充電可能です。DC-DCコンバーターを経由するので効率は60%ぐらいになってしまうようですね。
充電が完了すると流れる電流が0mAhになり、モバイルバッテリーから充電した場合のバッテリードレインを心配する必要がなく、非常に優秀。
おすすめできます。
今のところ、「BLH-1」互換バッテリーだけを単体で買うことができません。
「BLH-1」互換バッテリー単体で買えないのなら、考えるまでもありません。専用充電器と「BLH-1」互換バッテリー2個のセットの方を購入してみました。
これを買っても純正の「BLH-1」1個の半額ぐらいにしかなりません。純正の「BLH-1」1個の値段で、「BLH-1」互換バッテリー4個と「BLH-1」互換バッテリー専用充電器2台が入手できることになります。
個数 | 価格 | |
---|---|---|
純正バッテリー | 1個 | 7,658円 |
互換バッテリー2個+専用充電器 | 2セット | 8,396円 |
※2017年3月4日時点の価格
セット内容は以下の通りです。
「BLH-1」互換バッテリーを純正の「BLH-1」と並べてみました。
当然形状はほぼ同じなのですが、互換「BLH-1」の方が30mAhほど容量が多くなっています。アテにはなりませんが……。
容量 | 電圧 | |
---|---|---|
純正「BLH-1」 | 1,720mAh / 12.8Wh | 7.4V |
互換「BLH-1」 | 1,750mAh / 13.0Wh | 7.4V |
互換「BLH-1」の商品説明に「バッテリー残量を液晶モニター表示するインフォリチウム機能搭載」とありますが、実際にはインフォリチウムではなさそうです。
純正の充電器と並べてみました。「BLH-1」互換バッテリー専用充電器の方がサイズが小さく、コンパクトになっています。
「BLH-1」互換バッテリーは純正充電器では充電ができず、「BLH-1」互換バッテリー専用充電器を使って充電する必要があります。
互換バッテリー専用充電器は折りたたみ式のコンセントが内蔵されており、純正充電器のようにメガネケーブルを別途必要としません。
互換バッテリー専用充電器のスペックは、以下のようになっています。
「Max 150mA」とありますが、1,500mA(1.5A)の間違いではないかと思います。
秀逸なことにDC 12V-24Vの入力端子が付いており、自動車のシガーソケットからも「BLH-1」互換バッテリーを充電できるようになっています。
バッテリー1個セットの商品説明に「USB充電器入力:DC5V 出力:DC8.4V 500mA (x2) 」とありますが、実際にあるのは、上記の通りDC 12V-24Vの入力端子のみです。
シガーソケットからの給電ケーブルのDCプラグ側サイズは、直径3.5mm 内径1.35mmである模様です。
「OM-D E-M1 Mark II」はUSB Type-Cが付いているものの、USB Type-C経由での給電や充電には対応していません。
「BLH-1」は7.4Vと普通のリチウムポリマーバッテリーの倍の電圧、つまりリチウムポリマーバッテリーを二つ直列につないだ構造になっている模様で、充電にはそれより高い電圧が必要です。USB Type-Cならそれでも充電回路を構成できそうですが、発生する熱の関係で断念したのかもしれませんね。
「BLH-1」の充電には充電器が必要となり、「BLH-1」への充電をしようと思うとAC100V、壁のコンセントに依存することになってしまいます。
従って、互換バッテリー専用充電器がシガーソケットからの充電を可能にするのは非常に意義が大きいといえます。自動車やシガーソケット装備のバイクで移動していれば、そこからいつでも充電ができるわけです。DC12Vさえ都合できれば、自動車がなくとも「BLH-1」の充電ができるようになる可能性ももたらしてくれます。
ここまでの話をまとめると、
ということです。当然生まれる疑問に、以下のようなものがあります。
現時点ですべて検証できてはいませんが、できることから調べてみました。
「OM-D E-M1 Mark II」に入れて電源を入れてみたところ「純正バッテリーを使用してください」という警告が出ました。
警告はシャッターを半押しすれば消えるので実害はありません。
また、充電残量の表示に純正「BLH-1」使用時には表示される残量のパーセンテージが表示されません。
ひょっとすると、互換「BLH-1」を使っている間は残量が全く分からないのかな? と予想しましたが、バッテリー残量を示す緑の残量計の方は消耗に伴い減っていったので、全く残量が分からないわけではありませんでした。
純正「BLH-1」に交換すると、残量を示すパーセンテージ表示は復活しました。
僕は買う予定がありませんが、Amazonのレビューに情報を投稿している方がいました。
曰く、
ということでした。本体と「バッテリーホルダー HLD-9」の両方に互換バッテリーを入れた場合にどうなるかは、まだテストした人がいなさそうです。
テストが難しいので定量的なデータを示せません。専門的な機器が必要でしょう。
ざっくり使ってみたところ十分な持続時間があり、純正「BLH-1」と変わらないと感じます。残量を示すパーセンテージ表示がない以外は至って普通です。
互換「BLH-1」専用充電器によるAC100Vでの充電時、4時間30分(280分)かかりました。
純正「BLH-1」の充電時間は1時間57分、約2時間であることを考えると、倍以上の充電時間がかかることになります。
条件 | 充電時間 | |
---|---|---|
純正「BLH-1」 | 純正充電器「BCH-1」使用(AC100V) | 1時間57分(117分) |
互換「BLH-1」 | 互換「BLH-1」専用充電器(AC100V) | 4時間30分(280分) |
ためしに「BLH-1」互換バッテリーを純正充電器で充電してみました。
赤いLEDが点灯した後、すぐに緑に変わってしまい、充電が停止します。インフォリチウムではないということを充電器が検知し、充電をストップするのでしょう。
そもそも、純正「BLH-1」をセットするとまずは黄色いLEDが点灯しますし、いろいろとダメな模様です。
今度は、純正「BLH-1」を互換「BLH-1」専用充電器で充電してみました。
しばらく充電して「OM-D E-M1 Mark II」にセットしてみると残量を示すパーセンテージ表示が100%までカウントアップしており、充電ができていることが確認できました。
しかし、バッテリー残量を示す緑の残量計の方は満充電でもバリ4(笑)にはなっておらず、欠けた状態のままです。
互換「BLH-1」専用充電器はインフォリチウム対応ではないので、「BLH-1」内蔵コンピューターのステータス情報を更新できないのでしょう。
そこで、バッテリーの充電状態とステータス情報の不一致が生じた純正「BLH-1」を純正の充電器にセットしてみました。すると、すぐにLEDが緑になり充電が終了。
これを「OM-D E-M1 Mark II」にセットしたところ、バッテリー残量を示す緑の残量計表示の方も満充電を示すようになり、残量を示すパーセンテージ表示との不一致が解消されました。
純正「BLH-1」は互換「BLH-1」専用充電器でまがりなりにも充電できますが、可能な限り避けた方がよさそうに思えます。
自動車を持っていないのでテストができません(笑)。実家にある自動車もシガーソケットがありませんし。
テストした方がいらしたら、ぜひ結果をお教えください。
といっても、それだけでもなかなか大変ですが、僕はWebカムから1分おきにキャプチャした画像を使って充電時間を計測しています。
観察カメラ(静音)のようなインターバル撮影ができるアプリをモバイルバッテリーと組み合わせて使うとよさそうですね。
条件 | 充電時間 | |
---|---|---|
純正「BLH-1」 | 純正充電器「BCH-1」使用(AC100V) | 1時間57分(117分) |
互換「BLH-1」 | 互換「BLH-1」専用充電器(AC100V) | 4時間30分(280分) |
互換「BLH-1」 | 互換「BLH-1」専用充電器(シガーソケット) | テスト環境なし |
冷静に考えると現時点でバッテリーが3つあるので必要性はほぼないのですが、モバイルバッテリーから「BLH-1」を充電したくてたまらず、以下のような機器を購入してみました。
一つは、「USBブースターモジュール」。USB-Aから5V/2Aを入力し、DCプラグから12Vを出力するDCコンバーターです。ロットによっては8V近辺から連続的に電圧を可変できるものもあるようです。
互換「BLH-1」専用充電器のDC入力とサイズが合うと思われる直径3.5mm 内径1.35mmの変換アダプタ付きなので、何の加工もなしで使えるはずです。
これを以下のように接続して、いつでもどこでも互換「BLH-1」を充電できる環境を作ってやろうというのです。
試したら追記します。モノが到着したので早速試してみました。
USBブースターモジュールは無加工で互換「BLH-1」専用充電器に接続できました。
そして、USB出力のモバイルバッテリーからの給電で互換「BLH-1」の充電を完了させることができました! 5V側で流れる電流が1A程度なので、空になった互換「BLH-1」を満充電させるのにはどれぐらい時間がかかるでしょうか? 試してみました。
空になったバッテリーを満充電にするのに5時間30分程度かかりました。
モバイルバッテリー側から流れた電流はおおよそ3,300mAh。開始時には1A程度流れていたものが充電の進行とともに減っていき、完了時には230mAほど流れていました。
問題は、完了しても230mAほど流れ続けることです。このまま放っておくとモバイルバッテリーは空になってしまいます。電流がしきい値以下になったら、あるいはより簡易的にタイマーでシャットダウンする回路を作って挟んでもいいかもしれませんね。
AC100Vからの充電では4時間30分で完了していたところ、USBブースターモジュールを使ったモバイルバッテリーからの充電では5時間30分ですから、かなり健闘していますね。
条件 | 充電時間 | |
---|---|---|
純正「BLH-1」 | 純正充電器「BCH-1」使用(AC100V) | 1時間57分(117分) |
互換「BLH-1」 | 互換「BLH-1」専用充電器(AC100V) | 4時間30分(280分) |
互換「BLH-1」 | 互換「BLH-1」専用充電器(シガーソケット) | テスト環境なし |
互換「BLH-1」 | 互換「BLH-1」専用充電器(USBブースターモジュール+モバイルバッテリー) | 5時間30分(330分) |
思いのほか実用的です。「OM-D E-M1 Mark II」をAC100Vから開放する大いなる一歩です!
併せて以下のものも注文してみました。これは入力側が2.5A(最大3A)まで対応しているので、入力2Aの「USBブースターモジュール」より12V側で取り出せる電流が多いかもしれません。
これまで紹介してきた通り、互換バッテリーは互換とは言っても充電器が異なりますし、扱いに注意を要します。
実運用面では、純正バッテリーと交ぜて使うときに充電器を二つ持っていくかどうするか、というのが悩みのタネになるでしょう。
僕の場合は互換「BLH-1」専用充電器のみ持ち、純正バッテリーは外では充電しないというルールで運用することになりそうです。
少し気持ちの悪い互換バッテリー事情ですが、新たな展開があることを期待しつつ、現場からは以上です。USB充電式の充電器が付属の新商品が登場していました。こちらをおすすめします。
筆者が買ったものは入手不能となり、USB充電式のものが代わりに登場していました。最初からこっちを売れよ……。orz こちらも互換バッテリーはインフォリチウムではなく、パーセンテージの残量表示は出ないということです。