ひとりぶろぐ

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ものすごく久しぶりにバイクを買いました。実に17年ぶり?

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車種はホンダのクロスカブ。

排気量110cc。ピンクナンバーの、小型二輪に分類されるバイクです。

納車は2017年の5月頭。既に納車から2カ月ほど経過しています。

クロスカブは新聞配達、郵便配達でおなじみスーパーカブのバリエーションモデル。

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スーパーカブ110プロ(カブプロ)という車種をベースに作られていますが、いかにも営業用という雰囲気のカブプロから離れ、主観ですがデザインが結構かわいい。

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デザイン以外のカブプロとの一番大きな違いはホイール。

ホイールが大きくなった影響で車格が一回り大きくなっています。

クロスカブ専用の厚めで幅広のシートと相俟って足着きがあまりよくなく、信号待ちでは縁石に足を乗せています(笑)。

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この2カ月、世田谷から長野の辰野までの往復400kmを含む往復200km程度を繰り返し走りましたが、軽量な車体、直立ポジションとシートの作りの良さから長距離走るのが辛くなく、200km程度では疲労感ゼロ。

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かなり気に入ったので、今回はクロスカブの良さをお伝えしていこうと思います。

なぜクロスカブを選んだか

たくさんあるバイクの中からクロスカブを選んだのは、ソロキャンプに行くための交通手段に最適だと考えたからです。

クロスカブはスーパーカブ系列ということで荷物がたくさん積載でき、ソロキャンプに行くための交通手段としてはかなりいいセンを行っています。

クロスカブには標準でリアキャリアが付いていますが、スーパーカブ用のパーツを流用するなどでキャリアを増設できます。

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前、中央、リアと3カ所にキャリアを取り付けるカスタムも可能。

  • 前カゴ
    • プレスカブという新聞配達向けのスーパーカブの前カゴが取り付け可能(フロントキャリアと排他利用)。取り付け用のフレームだけ流用し、カゴの代わりに箱を取り付けるカスタムも
  • フロントキャリア
    • ヘッドライトの上に、小型のキャリアを取り付け可能
  • ミドルキャリア
    • 足の間に位置するメインパイプのカバーの上にキャリア(ベトナムキャリア)を増設可能
  • リアキャリア
    • キャリアを延長するダブルリアキャリアなどの拡張パーツが豊富
    • 郵便局が使用している大型キャリアへの換装が可能

現在はノーマルのリアキャリアの上にホームセンターで売っている箱(いわゆるホムセン箱)を結束バンドで取り付けています。箱を本格的にボルトオンする前に、やりたいことがあるのです。

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これで、走行時はバックパックを。降車時はヘルメットやグローブを収納可能。

一応鍵がかかるので、ここにヘルメットを収納したまま駐輪場などに置いています。

そのうち、郵便局のカブが昔使っていたMRDのフリーボックスという巨大な箱を取り付けようと思っています。

フリーボックスは最大で168Lという大容量を誇り、この大きさがあればキャンプ道具が一通り入ってしまうのです。

しかも鍵付きの箱の中への格納ですので、雨に濡れず、また盗難の心配がなく、入れっぱなしにしたまま駐輪場に置けることになります。

バイクそのものを楽しみたい人にとって、後ろに大きい箱を取り付けるなど格好悪くて考えが及ばないことかもしれませんが、箱のあるバイクライフはバイクの利用目的を広げることができて意外に楽しいものなのです! 箱バンザイ!

カブの後ろに大きな箱を付けている人を見かけたら、よく観察してみてください。バイクライフをエンジョイしている雰囲気が伝わってくるはずです。

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17インチの大径ホイール、普通のバイクと同じくエンジンを中央に配置した自然な重量配分、フットレストが中央にあり、スタンディングができることなどから、キャンプ地に赴くまでの悪路をこなせる点でもクロスカブはキャンプ向きです。

経済的な負荷が低い

クロスカブとの二者択一で悩んだバイクにヤマハのツーリングセローがあります。

ツーリングセローは大型キャリアを搭載したオフロードバイクで、クロスカブ同様キャンプ向きの車種。

その二者択一でクロスカブに傾いた理由は、その経済性です。

排気量125cc以下の小型二輪は、税金や保険などが非常に安い。

久しぶりのバイクでどこまで活用するかよく自分でも分からなかったため、経済的な失敗のないクロスカブを選びました。

クロスカブは小型二輪の中でも燃費がとりわけよく、実燃費の平均が約60km/L。一日200km走り回ってもガソリン代は400円程度です。

ガソリンタンクの容量は4.3Lで、大概3.5Lほど使ったところで燃料計の表示が心許なくなるため、その辺りで給油となります。

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これまで走った3,400kmの合計でもガソリン代は6,700円。

5年分の自賠責込みの乗り出し価格が27万円程度。

27万円分の交通費でできることと比較したらコストメリットは微妙かもしれませんが、移動することに対する心理的な障壁を著しく下げる効能を発揮している点はプライスレス。

車体の寿命を10年、年間15,000km走行と想定してざっくりとした維持コストを計算してみました。

支払い金額 1年当たりの金額
車両代 約250,000円 25,000円(寿命を10年と想定)
自賠責 16,990円(5年) 3,398円
車検 無し 0円
重量税 無し 0円
任意保険 13,140円(1年)(30歳以上補償、対人/対物無制限、搭乗者200万円、車両保険なし) 13,140円
駐輪場代 5,400円(1カ月) 64,800円
軽自動車税 2,400円(1年……初回2018年支払い) 2,400円
オイル交換代 オイル交換約1,000円(2,000km毎) 7,500円(15,000km走行と想定)
タイヤ交換代 純正タイヤ(前後共2.75-17 41P)1本約3,300円(約20,000km) 2,475円(15,000km走行、前後ローテーションありと想定)
ガソリン代 60km当たり約130円 32,500円(15,000km走行と想定)

1年当たりの金額の合計が151,213円。月当たり12,601円。

僕のケースでは駐輪場代が占める割合が大きく、この点が自分でも気になったため、駐車場代を捻出する名目でiPhoneをSoftBankからmineoにMNPしました。この乗換で差額5,000円は捻出できているため、それでよしとしています。

駐輪場代がいらない場合は1年間のコストが86,413円、月当たり7,201円。

実際には、車体の寿命は10年以上あると思われます。また、普通は年間15,000kmも走らないでしょう。

実際のコストはもう少し軽減されるはずです。

意外にクロスカブのリセールバリューは高く、中古車の価格が新車とあまり変わりません。買い取り価格が10万円を超えることも珍しくないようです。売ることまで考えると、総費用を圧縮する余地はまだありそうです。

意外に速い!?

クロスカブで長距離を走るとなると、気になるのが移動時間。

印象としては110ccでは非力で、スピードが遅く、あまり長距離走れそうに感じません。

しかし、意外にもそうでもないのです。

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クロスカブで長距離走るときに一番制約を受けるのが高速道路が使えないこと。

下道を走ることになるため、Googleマップで高速道路を使用しないルート検索をしますが、実際には渋滞の影響を受けにくいため、出てきた所要時間よりも短い時間で目的地まで到着できます。

80kmほどの道程で、Googleマップが出した所要時間より、おおよそ20分〜30分短縮できる感じです。

下道を走ることが前提なら、自動車よりも早く目的地まで到着できるのです。

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例えば、世田谷から秩父までなら所要時間2時間程度で到着します。

下道を使った移動なら、雨などの悪天候の要素を除けばクロスカブもそんなに見劣りするものではありません。

先述の通り、楽なポジション、幅広なシートのおかげで長距離走っても疲れず、一日400kmはあっけないほど楽に走破できます。

400km走ってもお尻が全く痛くならない。バイクに乗っている少なくない割合の人が、羨ましく思うのではないでしょうか。

一日800kmはいけると豪語する人もいますが、それは確かでしょう。

走行性能・走行フィーリング

クロスカブのエンジンは4ストローク110ccということで、お世辞にも速いとはいえません。

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最近非常に多い125ccのスクーターにはスタートダッシュで完全に置いていかれます。

60km/hまでの間に3回もシフトアップするため、付いていくのは無理。

また、血気盛んな車にはこちらが信号待ちから全開で加速していてもピッタリ後ろにつけられるぐらいには遅い。

最後に乗ったバイクはYAMAHA TDR250(45ps)だったため、やや屈辱を覚えます。

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ただし、通常の流れなら信号待ちのすり抜けで車列の前に出た後、普通に加速していけば十分にリードできるぐらいの加速力はあります。

従って、カブだからといって信号待ちで車列の後ろに甘んじるということはありません。

低回転のトルク重視のエンジンなのでビンビンに回転数を上げてもパワーが出る感じがなく、低い回転からトコトコトコと加速するので早々とシフトアップしていく感じです。

基本的に遅いため駆動力が途切れる時間が惜しく、最初はショックの少ないシフトチェンジを心がけていましたが、今ではスパスパと最短時間でつないでいくようにしています。

ミッションは4速ロータリー式。最高速はギリギリ90km/h(横浜新道で計測)ぐらいで、流れの速い郊外のバイパスでもまず流れに乗れます。

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60km/hぐらいまでは快適に巡航ができ、70km/hぐらいまでは許容範囲。

それ以上にスピードを出すような局面はほとんどありませんが、80km/hだと震動が気になってスピードを落としたくなります。

コーナリングはリーンウィズからリーンアウトでゆっくり。そうしている範疇では車体が軽量なこともあって曲がりくねった林道でも軽快に走破できます。

車体の重量配分が普通のバイクと同様なので、非常に自然な走行感覚です。ただ、タンクが足の間にないためホールドができず、コーナリングの際には「男がスカートを履いている」かのような拠り所のなさを感じます。

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コーナーが連続するようなシチュエーションでは、シートから荷重を抜いてステップを強く踏み、シートを腿で挟んで下半身で曲がるような感じになります。

ブレーキは前後ドラムですが、せいぜい速くて70km/hからの制動なので不足は感じません。後輪のブレーキが強力で、軽くスキール音を響かせてしまうこともしばしば。

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平地を走っている限りは少々遅くとも至って普通のバイクで走っている感覚ですが、これが登りの続く山道となると話は変わります。

アクセルを全開にしていても40km/h出るか出ないかということがしばしば。少なくとも2速、3速まで落とさないとスピードが維持できないというほど弱々しい走りに、これがカブなのだということを思い知らされます。

どうやらパワーの出方には高度も関係しているようで、標高600m〜800m程度でも大分違いが出るようです。

燃費は60km/l、タンクは4.3L。おおよそ200km走ったところで給油となりますが、意外に長距離を楽々走ってしまうことから、しょっちゅう給油している感じになります。

郊外に出ると心もとなさを感じることがあり、ガソリン携行缶を装備している人も少なくないようです。

全体としては高速に乗れない以外大きな制約を感じることなく走り回ることができており、自分には応分の走行性能は備えていると感じています。

バイク散歩ができるクロスカブ

クロスカブは車体が軽量。

このことは楽しみ方に意外に大きな影響を与えます。

それは、先が行き止まりであることや、道間違いを恐れず探索ができるということです。

郊外や山の方に走りにいくとひなびた感じのいい小路を目にするのですが、大抵は先が行き止まりになっています。

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こんなとき、大きいバイクだとUターンや切り返しの億劫さから「どうせ行き止まりだから」と進むのを躊躇するのですが、クロスカブならどうとでもなるため、先の分からない道を進むことに躊躇がありません。

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小さな狭い未舗装の道をあえて選んで走ると感動できる風景との出会いもしばしばで、そんなとき小型軽量のありがたみを噛みしめます。

未舗装林道も十分走れる

クロスカブは17インチホイールを採用。

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積載能力の高いカブプロのものを流用しているということで、比較的ストロークの長いサスペンションになっています。

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ノーマルのタイヤこそロングライフタイプでグリップがいいわけではありませんが、105Kgと軽量な車体もあってか意外に走破性がよく、無舗装の林道もノーマル状態でトコトコと走ってしまいます。

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途中、かなりガレている(小岩が浮いている)場所もある林道大名栗線は走破できました。

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奥多摩、奥武蔵、丹沢の林道に走りに行くのが楽しくなり、自分にとっての新境地を開拓できてホクホクしています。

クロスカブに使えるセミブロックタイヤがJRCなどから出ており、ローギアードな1速との組み合わせで、林道をトコトコ走る程度ならまず困ることはなさそうです。

コースミスから30度はありそうな斜面を突破する必要に駆られたことがありますが、そんなとき、ローギアードな1速に助けられました。

クロスカブユーザーの間ではスプロケットを交換してハイギアードにする改造が流行っていますが、気がつくと山の方に向かっている僕はノーマル状態のギア比の方が向いていそうです。

バイクがあるということ

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僕はスケジュールを組むことや、電車に乗るのが苦手。

非常に気分屋で、ちょっとした理由で外出したくなくなります。

人混みがとても嫌いで、列に並ばなければならないことは基本的にしない。

結果として電車という選択肢しかないとほとんど出掛けなくなるのですが、バイクがあるとその辺りの障害がきれいになくなって、よくほうぼうへと出掛けるようになりました。

危険を伴うものなので他人に気軽に勧めることはできませんが、退屈な毎日を変えたいと思うなら、クロスカブのような人を外に誘い出すバイクが一台あってもいいかもしれませんよ。

維持費が安く、多目的に使えるクロスカブは、いろいろなライフスタイルにピッタリはまる選択肢だと確信します。

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