Ubuntuも動く安価な手の平コンピュータBeagleBone Black Rev. A5CがAmazonで販売中
2016/05/24
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2016/05/24
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ひとりぶろぐのmoyashi (@hitoriblog) です。
ARMプロセッサを搭載した、非常に安価なシングルボードコンピュータRaspberry Pi。抜群のコストパフォーマンスもさることながら、そこから引き起こされた世界的な入手困難の方が話題になっていた気がします。
そのRaspberry Piの対抗馬となる、BeagleBone Blackを入手しました。
BeagleBone Blackの見た目は原始的なマイコンのようですが、Ubuntu 13.04やAndroid 4.2がインストールできるほどパワフル。μHDMIポートが付いており、映像、音声の取り扱いも可能です。
だからといって、パソコン的な使い方をしなければならないということではありません。シリアルコンソール、ないしはSSHでログインして環境構築した後は電源とセンサ、イーサネットケーブルだけ接続してセンサノードにするといったマイコン的な使い方もできます。
消費電力はおおよそ2W。1時間に0.0020kWhの消費。1時間の電気代を22円とすると、0.0020 * 22 = 0.044。
1時間に0.044円。24時間、31日とすると、月額で約33円。つけっぱなしにしていても極めて安価に運用できます。
– | BeagleBone Black | Raspberry Pi |
---|---|---|
価格 | $45 | $35 |
CPU | 1GHz TI Sitara AM3359ARM Cortex A8 | 700 MHz ARM1176JZFS |
RAM | 512 MB DDR3L @ 400 MHz | 512 MB SDRAM @ 400 MHz |
ストレージ | 本体2GB eMMC / microSD | SD |
映像出力 | Micro-HDMI × 1 | HDMI × 1 / コンポジット × 1 |
解像度 | 1280×1024 (5:4) / 1024×768 (4:3) / 1280×720 (16:9) / 1440×900 (16:10) すべて16bit | 640×350〜1920×1200 (1080pを含む) |
音声出力 | HDMI (ステレオ) | HDMI (ステレオ) / 3.5 mmジャック(ステレオ) |
OS | Angstrom (デフォルト) / Ubuntu / Android / ArchLinux / Gentoo / Minix / RISC OS ほか | Raspbian (推奨) / Ubuntu / Android / ArchLinux / FreeBSD / Fedora / RISC OSほか |
消費電力 | 210〜460 mA @ 5V (条件によって変動) | 150〜350 mA @ 5V (条件によって変動) |
I/O | 65ピン | 8ピン |
周辺回路 | USBホスト × 1 / Mini USBクライアント × 1 / 10/100 Mbps Ethernet × 1 | USBホスト × 2 / 電源供給用microUSB × 1 / 10/100 Mbps Ethernet × 1 / RPi カメラコネクター × 1 |
※比較表はこちらのものを参考にしました: Comparing Raspberry Pi and BeagleBone Black
BeagleBone Blackも、Raspberry Piに負けず劣らず魅力的なシングルボードコンピュータです。
BeagleBone Blackはハードウェアですが、こまめにアップデートされていて、2013.8.15の今の最新のリビジョンはA5C。初期ロットのA5Aとはhdmiまわりの抵抗値が違う程度で特に大きな変化があるわけではありませんが、できれば最新のリビジョンを買いたいところですよね。
買うならA5C。しかしながら、AmazonでBeagleBone Blackを扱う業者は初期の段階ではリビジョンを明示していなかったり、A5Cと銘打ちながら実際にはA5Aが送られてくるなど混乱が見られたようです。
僕も買うつもりだったんですが、こういう話があると萎えるもので、しばらく様子見していました。
先日、思い出したようにAmazonをチェックしてみると、リビジョン問題が盛んにレビューに書き込まれたことに呼応して、業者の多くが扱いのリビジョンを明示するようになっていました。
これ幸いと、「A5C」と付記された業者に注文して買ってみました。(続きは[Read More]から)
届いたのがコレ。箱に「Rev A5C」とあります!
ピンソケット側面にリビジョンの表記がありますが、ここにも確かに「A5C」とあります。無事、最新リビジョンゲットに成功です。「A5C」とページに書いてあるのを読んで注文していますし、Amazonプライム対応の出品を選びましたから、万が一古いリビジョンのものが届いたら面倒なく返品できるだろう、という打算がありました。
パッケージに含まれるのはメインボード、クイックスタートのしおり、そしてMini USBケーブル。microUSBのRaspberry Piと違い、BeagleBone BlackをクライアントとするUSB端子はMini USBなのですね。
ボードの左右に、2列のピンソケットが配置されています。BeagleBone BlackはI/Oが多い。しかも、7つのアナログポートがあるので、アナログの値を出力するセンサなどが直結できます。Raspberry Piにはアナログポートがなかったので、温度センサなどを接続する場合は外部にA/D変換できるマイコンを用意する必要がありましたが、BeagleBone Blackだと単体でできちゃう。PWM出力が6つあるので、LEDをふんわり点滅させたり、フルカラーLEDを制御したりも簡単にできる。I/Oポートをファイルシステムに統合できるので、シェルスクリプトレベルから制御が可能というのもうれしい。
イーサネットコネクタ(写真中央)。もちろんネットワークも扱えます。
ノートPC+BeagleBone Blackというミニマムな環境で開発したい場合は、ドライバをインストールした上でノートPCとBeagleBone BlackのMini USB端子とをUSBケーブルで接続。
Macなら、以下のページの二つのドライバをインストールします。
Installing Drivers (Mac) | SSH to BeagleBone Black over USB | Adafruit Learning System
USBケーブル経由でBeagleBone Blackへ電源が供給されBeagleBone Blackが起動。
しばらくすると、BeagleBone Blackがネットワークインターフェースとして見えます。接続が確立すると、BeagleBone Black上で動作するDHCPサーバから振り出されたIPアドレス、192.168.7.1がノートPCに設定されます。
OSは、本体内蔵の2GBのeMMC FLASHにインストールされています。eMMC FLASHには、工場出荷時にはAngstrom Linuxがプリインストールされています。
Angstrom Linuxの場合、BeagleBone Blackに割り当てられるIPアドレスは192.168.7.2。sshサーバが起動しているので、ログインしてみます。
Overview | SSH to BeagleBone Black over USB | Adafruit Learning System
パスワードは設定されていないので、returnだけでOK。ログインできました。USBケーブル一本で電源供給とネットワーク接続の両方ができて非常に便利。BeagleBone BlackがノートPCを経由して外に出ていけるようにすれば、より便利ですね。
microSDHCにOSイメージを焼き込み、microSDHCスロット(写真左)に挿入し、ユーザーブートモードで起動してeMMC FLASHに転送すると、OSを入れ替えることができます。僕はUbuntuに興味津々。(Mac) OS X用のツールPiFillerでmicroSDHCにUbuntu 13.04のイメージを焼いてみましたが、まだBeagleBone Blackには焼いてません。
μHDMIポートが付いていて(写真中央)、モニタをつなぐと、冒頭で紹介した動画のように、まるで小さなパソコンです。モニタとの接続のためには変換ケーブルが必要です。
BeagleBone Blackの隣にRaspberry Piを置いてみました。I/Oの数の差が歴然としていますね。USBホストの端子はRaspberry Piの方が一つ多いです。
さらにArduinoを置いてみました。アナログポートがあるBeagleBone Blackでは、Arduinoの助けを得なくても各種センサーを直結できるようになりました。
今年の夏は暑いですねぇ〜。BeagleBone Blackは温度センサーが直結できるので、とりあえず温度センサーによる室温監視と、エアコンのネットワーク経由でのコントロールをやってみたいと思っています。
Overview | Measuring Temperature with a BeagleBone Black | Adafruit Learning System
果たして飽きずに完遂できるかw