暗所に弱いRICOH THETAの欠点を補う画像処理で夜景をキメる
2016/01/08
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2016/01/08
もくじ
全天球画像をワンショットで撮影できる革命的デジタルカメラ、RICOH THETA。
RICOH THETAには感度を上げてシャッタースピードを稼ぎ、手ぶれを防ぐ傾向があるようです。
暗いところで撮影すると感度はISO800〜ISO1600程度まで上がり、画像はノイジーになります。
細かい撮影条件の設定ができないので、三脚で固定する代わりに感度を低く、シャッタースピードを遅くしてノイズが乗りにくいようにする、といったことができません。
撮影時に条件を選べないのなら、撮影後の後処理でどうにかならないかと考えました。
天体写真を撮影するときに使われる、コンポジット法によるノイズリダクションが使えそうです。
この方法には、デティールが失われない利点があります。
早速やってみました。
高感度ノイズでザラザラ、ゲジゲジ。
ツルリときれいになっています。ノイズに埋もれたデティールも復元されています。
ノイズリダクション後の方がデティールが増しているというのは、何とも不思議。
(続きは[more]から)別の写真でも見てみましょう。
高感度ノイズでザラザラ、ゲジゲジ。
車が走っている幹線道路の写真であるため、車がゴーストのようになっていますが、やはりツルリときれいになっています。
この手法は、静止した対象にしか有効でないわけです。
画像10枚ほどをコンポジット法によって合成。加えて、アンシャープマスク、レベル補正、色の濃度などをいじってシャッキリポンとさせてみました。
RICOH THETAを三脚に載せ、固定。動かないように、シャッターはスマートフォンなどからリモートで切ります。
10枚ほど撮影。
条件の悪いものがないか確認。あったら削除しておく。
先頭の写真のメタデータをexifcutterで抜き出して保存。これを取っておくと、撮影時のRICOH THETAの角度を処理後の画像に復元できます。
ひとりぶろぐ » RICOH THETAユーザーの悲願、全天球画像のメタデータの保存/復元が実現!画像補正しても天地が狂わない
拡張子.app1のファイルが取得できます。
うん、すまない、Photoshop CCが必要なんだ。Photoshop Elements 12辺りでできるかどうかご存知の方がいたら教えてください。
一応ImageMagickでやった例も後で掲載しています。
メニュー「ファイル>スクリプト>統計…」を選択。
「画像のスタックを選択 :」は「平均値」を。「使用 :」は「フォルダー」を。「参照」ボタンを押して、対象のファイルがあるフォルダを選択。
「ソース画像を自動的に配置する」のチェックボックスをオフにして、「OK」ボタンを押す。「ソース画像を自動的に配置する」のチェックボックスをオンにすると画像サイズが変わってしまうことがあってうまくありません。
これでもう奇麗な画像が出来上がります。
仕上げにメニュー「レイヤー>画像を統合」して、あとは好みでアンシャープマスク、レベル補正、色補正などをして保存。ファイル名は「R0001.JPG」としました。
出来た画像にはメタデータが埋め込まれていませんので、保存したメタデータの埋め直しをやります。
さきほど紹介のexifcutterのフロントエンド、ThetaMetaSaverを使っていれば、画像と同一ディレクトリにある画像名+.app1というファイル名のメタデータを埋め込みますので、保存したメタデータのファイル名をR0001.JPG.app1にし、R0001.JPGをThetaMetaSaverにドラッグ&ドロップ。
ImageMagickのconvertコマンドでも近いことができます。
カレントディレクトリにあるJPGファイルを「平均」で合成、アンシャープマスク、彩度増もいっしょに、といった処理。
convert -average -flatten -unsharp 2.5x1.8+0.8+0 -modulate 100,140 R0011* OUT.JPG