日本語入力プログラムSKKのiOS版FlickSKKがついにリリース
2016/05/24
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2016/05/24
iOS 8からは、サードパーティーがカスタムキーボードを開発できるようになり、待望のATOKが発売されるなど界隈が賑わっていますが、個人的にはSKKという日本語入力プログラムの移植に期待していました。
SKKとは、エディタEmacsの中で動作する日本語入力プログラムとして、1987年に現京都大学名誉教授の佐藤雅彦氏によって開発されたもの。
特徴は、日本語入力プログラムに付いて回り、変換効率を左右する文法解析をスッパリ諦め、漢字で表記する部分を人力で指定することで変換精度を高めるアプローチを取っているところにあります。
はっきり言って初めての人には使いこなせない代物です。訓練を要します。漢字に変換する単語の始まりの部分と送り仮名の境目でShiftキーを押すことになります。
SKKで「漢字と送り仮名の境目」と入力するには「Kanji toOkuRiGana noSakaime 」のようになります。
送り仮名のことを意識して入力する経験は普通ないので、頭が混乱するはずです。
とても便利だとは思えないでしょうが、ところがどっこい、候補が絞り込まれるので、AI変換で頑張ろうとして失敗している日本語入力プログラムより、ずっと期待する単語が出てくるまでが早く、手戻りのない、紙に文字を書いているのに近い感覚が得られるのです。
SKKには熱狂的な愛用者がおり、また仕組みが単純であるため、日本語入力プログラムが作れるプラットフォームには、必ずといっていいほど移植されてきました。
AquaSKK 4.2.3(Retina対応) – みずぴー日記
そんなSKKのiOS版とでも言うべき、FlickSKKがリリースされました。
ソースコードも公開されています。
作者のみずぴー氏による解説はこちら。
早速使ってみましたが、十分実用に耐える印象です。FlickSKKでは入力できない記号がたくさんありますが、QWERTY英語と組み合わせて使えば問題ありません。
普段SKKを使っていてもFlickSKK向けの練習が新たに必要ですが、裏切りの少ないSKKならではの使い心地が再現されていて、僕は凄く気に入りました。
でも、SKKを知らない人に勧めようとは思いません。OS標準のフリックキーボードなら必要のないShift操作が必要であることを、大概の人はバカバカしく思うでしょう。