西武秩父駅前温泉「祭の湯」の簡易宿泊施設を調査してきた
2017/04/27
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2017/04/27
関東の奥座敷、埼玉県秩父市にある西武秩父線・西武秩父駅の駅前モール街、西武秩父仲見世通りが駅前温泉「祭の湯」として生まれ変わり、2017年4月26日にオープンしました。
池袋駅から西武秩父駅までの所要時間は、特急レッドアロー号で約80分。
関東では珍しい駅前温泉ということで、奥武蔵、奥秩父の山々への登山、ハイキング、秩父札所巡りと組み合わせての利用で人気が出そうです。
西武秩父駅の外観も「祭の湯」と併せて改修され、西武秩父駅前は見違えるようになりました。
「祭の湯」は2階建てで、西武秩父仲見世通りの機能が移植された物販エリア、フードコートと、スーパー銭湯の様態を成す温泉エリアから成ります。
物販エリアは、西武秩父仲見世通りで軒を連ねていたお店が一つの空間に納まった状態となっています。
非常に垢抜けて、とても秩父とは思えない空間となっています(笑)。
物販エリアでのオススメは、「祭の湯」オープンに合わせて新発売となった水戸屋本店の「ちちぶ餅ロール」。
ふわふわモッチリの、名物ちちぶ餅が中央のホイップクリームに埋め込まれたロールケーキで、ホイップクリームとちちぶ餅との取り合わせが絶妙!
個人的に気になったのが、秩父を舞台にしたアニメ「あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。」の関連グッズが大分減ってしまったこと。「心が叫びたがってるんだ。」と合わせて棚2列しかなくなってしまいました。
水戸屋本店の「あの蒸しパン」は健在ですが、イラスト入りのポップがなくなってしまいました。
武甲酒造の「あの花 オリジナル商品」は、2種のみとかなり減りました。
のぼりも、アニメツーリズム協会のフラッグもなくなってしまい、かなり「あの花」色が後退した感じで、ファンとしては寂しい限りです。
フードコートは、広々とした飲食スペースの端に飲食店がズラっと軒を連ねる標準的なレイアウト。注文すると無線の連絡機が渡され、出来上がると音で知らされる例の形式です。
フードコートにはSETARIA(ジェラート・シュークリーム)、秩父わらじかつ亭(わらじかつ丼)、丼屋 燻り(豚みそ丼・炙りサーモン丼)、おやつ本舗(たい焼き・たこ焼き)、武蔵野そばうどん(そば・うどん)、秩父味噌拉麺(味噌ラーメン)、焼肉ホルモン ほうりゃい苑(ホルモン)といったおなじみの店舗が入っています。
僕は丼屋燻りの豚みそ丼をいただきました。
「あの花」勢としては気になるSETARIAのあの花コールドドリンクは健在でした。ただし、こちらも立て看板は消失していました。
本命の温泉エリアですが、通常のスーパー銭湯の施設に加え、簡易宿泊施設を備えている点が特徴的です。
温泉エリアだけは入館料が必要です。
営業時間や料金の詳細は公式ページに詳しく掲載されています。
入館料は大人1人1,080円(平日980円)。ただし、フェイスタオルとバスタオルは付属しませんので、この場合は持ち込む必要があります。
フェイスタオルとバスタオル付きのタオルセット(入館料+フェイスタオル・バスタオル)の場合は大人1人1,300円(平日1,200円)。
リーズナブルですし、タオルセットの差額は220円ですから、大分良心的な料金設定ですね。
1階のフロント奥には、フードコートとは別の御食事処「秩父湯台所」。
2階に上がってすぐのところに有料の個室「プレミアムラウンジ」。
「プレミアムラウンジ」には女性専用のものも用意されています。
その奥手には、オープンスペースの休憩所「くつろぎ処」。
「くつろぎ処」には電動でリクライニングできるチェアが38脚設置されています。ほぼ水平になるので寝ることもでき、宿泊料金(20:00~翌9:00)2,490円を追加で支払えば、ここで夜を過ごすことも可能です。
宿泊ができるのは金・土曜日・祝前日・特定日に限られるので、少なくとも入館料1,080円が別途かかり、合計で3,570円になります。タオルセットの場合は3,790円。ぶらりと泊まってみたくなる魅力的な料金設定です。
毛布の貸出もあります。
チェアの左袖には操作パネルがあり、AC100Vのコンセント一つ、リクライニングの角度のコントローラー、テレビのリモコン、手元を照らすランプのスイッチが付いています。
チェアには一脚につき1台のテレビが備え付けてあるので、テレビを見ながらくつろぐことができます。
僕が行ったときはオープン初日ということもあってか、平日ながらこのくつろぎチェアが大人気で、一つも空きがない状態でした。
宿泊に使用する際には、手荷物の扱いに困るかもしれません。連絡通路に大きめのロッカーがあるものの18ほどしかなく、「くつろぎ処」にいっぱいの宿泊者があった場合にロッカーが足りなくなってしまいそうです。その場合は浴場のロッカーを使わせてもらうか、フロントに預けられるか打診する感じになるでしょうか。
「くつろぎ処」の隣には、和室の休憩室「ねころび処」があります。
「ねころび処」の壁面には、何箇所か2個口のコンセントがありました。ただし、利用可能な人数に対して数が少ないため、電源が生命線のライフスタイルの方は、マルチタップを持ち込んだ方がよさそうです。「ねころび処」は、宿泊には利用ができないかもしれません。
「プレミアムラウンジ」は、有料の個室。「プレミアムラウンジ」が13室、「女性専用プレミアムラウンジ」が8室となっています。
2時間からの一時利用が可能で料金は760円(平日540円)。
金・土曜日・祝前日・特定日は「プレミアムラウンジ」宿泊プランが利用でき、料金は3,460円。入館料が少なくとも1,080円別途かかり、合計で4,540円になります。タオルセットの場合は4,760円。「プレミアムラウンジ」を宿泊に使うには、事前の予約が必要です。
1室1.5畳ほどで、うなぎの寝床のように細長いスペースです。大部屋をパーテーションで区切った構造で、天井は抜けています。
大部屋の照明はパイロットランプと非常灯ぐらいしか点灯しておらず、薄暗い。明かりは電動でリクライニングが可能なソファーベッドの右袖に取り付けられた小さな照明のみで取ることになります。窓際の2室だけは、窓の上にある間接照明でかなり明るく照らされていました。これは夜の間も明るい可能性があるので、暗くないと寝られない人はアイマスクを用意した方がいいかもしれません。
ソファーベッドの横に空間があり、そこに手荷物を置くことができます。折りたたみ自転車のBROMPTON、ロードバイクを輪行状態にしたものを置けるぐらいの広さがあります。
毛布が1枚付きますが、入り口付近に毛布置き場があり、寒ければここから借りて追加することができます。
ソファーベッドの右袖側面に、操作パネルがあります。照明スイッチ、テレビのリモコン、リクライニング調整と並びます。
入り口はカーテンで目隠しできるのみで、セキュリティは期待できません。貴重品の保管には、1階のフロント近くにある貴重品用の小型ロッカーが利用できます。入り口脇、ソファーベッド足元の壁面にテレビが据え付けられています。
ソファーベッドの右袖にはAC100Vのコンセントと、ペットボトルホルダーがあります。コンセントが一つでは足りない方はマルチタップを持ち込みましょう。
予約ができない「くつろぎ処」に対し、「プレミアムラウンジ」は予約ができるというアドバンテージがあります。混雑が予想される日は「プレミアムラウンジ」の利用を検討したいですね。
浴場は2階一番奥手にあります。連絡通路に喫煙所と大きめのロッカーがあるのが分かりますね。
浴場内は写真が用意できないので、詳しくは公式サイトをご覧ください。
旅館の大浴場のように充実した設備で満足できます。秩父吉田の星音の湯に何度か行きましたが、それと同じレベルの浴場だといっても過言でないのではないでしょうか。
特筆すべきはロッカーの大きさ。バイクで馳せ参じたため、かさばるフルフェイスのヘルメット、35Lクラスのバックパック、そして衣服など合わせるとワッサワサの大荷物で、籠に入れろという形式だったら嫌だなと思っていましたが、更衣室には無料で使える大型のロッカーが設置されており、これらの荷物が全部入ってしまいました。
駅の付帯施設であるため鉄道利用客を前提にしており、登山客が訪れることを想定しての取り計らいなのでしょう。
注意すべきは、髪を乾かし、身繕いをする化粧台にブラシや櫛の備えがないことです。手グシで髪を整えましたが、気になる方は持ち込んだ方がいいでしょう。
比較的安価に利用できる「祭の湯」は、簡易宿泊施設を絡めて金曜日夜に前入りして、秩父で土日をフルに活用するために非常に便利に使える施設ではないでしょうか。
池袋からレッドアロー号で80分。意外と都心から近い秩父を、「祭の湯」のおかげでより気軽に訪れることができるようになりました。
登山、ハイキング、サイクリング、秩父札所巡り、聖地巡礼の疲れを癒やすのにもうってつけですね。
何かのイベント期間中は周辺のホテル、旅館はすべて満室になるので、「祭の湯」もまたハイシーズンは混雑しそうな点には注意が必要です。
興味のある方は、ぜひ利用を検討してみてください。