ひとりぶろぐ

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2017年春に購入した原付二種のバイク、クロスカブ。

2018年発売の新型登場で影が薄くなっていますが、非常に気に入って乗っております。

クロスカブの欠点の一つに、ヘッドライトが暗いというものがあります。

純正のヘッドライトのランプはハロゲンのHS1 12V 35/35W。

PIAA(ピア) ヘッドライトバルブ ハイパワー(純正ハロゲン光) HS1 12V35/35W 3200K MB4

その暗さは、夜間街灯のある市街地を走っていると路面に光が照らされているのが確認できないほど。

そこで、LED化を検討してみました。

キジマのLEDヘッドライトバルブの導入

ヘッドライトは安全上言うまでもなく重要で、その故障は命にもかかわると思い、信頼性を期待して最初に導入したのはキジマのLEDヘッドライトバルブ。

クロスカブは交流電源で、市販の置き換え用LEDヘッドライトバルブがそのまま付かないという問題があります。

LEDは直流で点灯するので、交流から直流に変換する回路を中継する必要があるのです。

従って、車種対応がうたってあるこの製品は間違いがないと見込みました。

このキジマのLEDヘッドライトバルブには、無加工で取り付け可能という専用品ならではの特徴があります。

不運の故障

キジマのLEDヘッドライトバルブ。取り付けてみるとハロゲンランプと比較して省電力だからか、エンジンの回転数を問わず明るさが一定なのはいいのですが、意外と明るさを感じない。

10%〜20%ほど明るいかな? というほのかな変化は感じるのですが、期待したほどではありませんでした。

また、取り付けて数日で点灯しなくなってしまいました。

16,000円もしたのに手痛い故障です。修理をすれば直ると思うのですが、何となく信頼性に疑問を感じて修理は保留に。

中国製の直流交流兼用バイクLEDヘッドライトを試す

信頼性に疑問を感じた上での再挑戦という意味ではある意味逆張りなのですが、Amazonで「クロスカブ LED」と検索すると出てくる以下の製品を試すことにしました。

RTD 直流交流兼用バイクLEDヘッドライトH4 H6 HP7 HP8対応 Hi/Lo 切替式 30W DC&AC 9-18V 6000K Hi 3000lm/Lo 2000lm 冷却ファン内臓 取付簡単

曰く、12V・交流にも対応したLEDヘッドライトということです。

クロスカブ純正のハロゲンランプはHS1という規格ですが、本製品はH4 H6 HP7 HP8対応という表記でHS1と互換性があるのかどうか分かりません。

しかし、価格が魅力です。

キジマのLEDヘッドライトバルブは約16,000円なのに対し、本製品はたったの1,530円。1/10の値段です。

PIAAのハロゲンランプが約2,600円なので、それよりも安い。

レビューを見ると、クロスカブでの利用例もあるようです。買ってみました。

製品オーバービュー

RTD 直流交流兼用バイクLEDヘッドライトは、後部に放熱用の小型電動ファンが付いたLEDユニットの先にプラスチックケースに収められたコントローラーがあり、その先が青、緑、白3本のギボシ端子になっています。

キジマなどのメーカー品と比較したときの差異が、電動ファンの採用です。

メーカー品は放熱板で放熱する作りですが、そこが電動ファンになっているのです。一見進んでいるかのように思えますが、ヘビーデューティー性は放熱板より劣ります。

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  • 消費電力:30W
  • ルーメン:Hi3000LM/Lo2000LM
  • 発光色:ホワイト(6000K±500)
  • 本体:航空アルミ素材
  • チップ:COB CHIP
  • 製品寿命:30000時間以上

付属品は3種類の金具、スプリング、ネジとナット。

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金具は脇からネジで固定する作りです。ネジの裏側の本体側に溝が切ってあり、そこにナットを落とし込む構造。溝に沿って金具の固定位置を前後に移動でき、光軸の調整が可能というわけです。

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コントローラーのスペックは、入力9〜18V、出力は20〜40W。防水はIP65ということです。

  • 防塵6級 粉塵が中に入らない(耐塵形)
  • 防水5級 あらゆる方向からの噴流水による有害な影響がない

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HS1との互換性

気になるクロスカブ純正ハロゲンランプ、HS1との互換性。

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付属の金具のうち、三叉のH4がHS1と同サイズかつ同形状。

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ヘッドライトにきちんと固定できました。

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バルブの付け外し方法

ゴムブッシュを外した後、バルブの外し方が分からず往生する人もあるかと思います。

ゴムブッシュを外した後露出するネジを外す必要はありません。バルブは針金だけで押さえられており、針金のネジで止まっていない側を押し込み、横にずらすだけで固定を解除できます。

ただし、冷却ファン部分が太くなっているために、後ろからゴムブッシュをはめることができません。ゴムブッシュに切れ目を入れてはめるということをやっている人がいるそうですが、カッターがなかったので、とりあえずゴムブッシュははめず組むことにしました。

ゴムブッシュをはめてから金具を固定することも考えましたが、ゴムブッシュをはめるとネジが隠れて回せません。

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使用した工具一覧

品目 用途
プラスのドライバー ヘッドライトを分解/組み立てする
8ミリのスパナ ヘッドライトを分解/組み立てする
カッター ゴムブッシュに切れ目を入れる
エーモン ターミナルセット(中) 電工ペンチ付 E2 LEDヘッドライト末端のギボシ端子メスをオスに付け替える

ヘッドライトは、プラスのネジ2本と8mmの六角ボルト1本の合計3本を外すと分解できます。

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ヘッドライトの上側にツメがあるので、ヘッドライトの下側から開けていきます。

実際の取り付け〜配線編

取り付けのためには、3本のギボシ端子をH4型の端子に変換する必要があります。

そのためにうってつけのH4変換コネクターが販売されています。クロスカブに取り付けるには、この製品の入手が不可欠でしょう。

デイトナ(DAYTONA) H4変換コネクター 37284
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LEDヘッドライトをH4変換コネクターを介して接続したものと、純正のハロゲンランプとの比較を図にしてみました。

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ギボシ端子の青、白はH4変換コネクターと難なく接続できるのですが、緑だけはメスとメスの組み合わせになってしまい、そのままでは接続できません。

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そこで、コントローラー側のギボシ端子メスを、オスに付け替えます。メスのギボシ端子のキワのところで切断し、被覆を剥いた後にオスに付け替えという手順になります。

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この加工は、エーモンのターミナルセットが一つあればパーツから工具まで全部片付きます。エーモンのターミナルセットはおよそ1,000円で買え、全然問題なく使えます。

エーモン ターミナルセット(中) 電工ペンチ付 E2
エーモン(amon) (2012-05-09)
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加工方法については下に紹介する解説記事が非常に丁寧で、だれにでもできることが分かります。

緑のラインのギボシ端子の付け替えで、このようになればOK。くれぐれも、透明樹脂のスリーブをギボシ端子圧着前に通すのをお忘れなく。

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実際の取り付け〜取り付け方向問題

H4の金具にネジ穴が二つあり、取り付け方向が天地逆にもできるために、どちらが上なのか分からなくて往生します。

  • LEDヘッドライトに通電して確かめてみると、Lowで三角柱の二つの面に取り付けられたLEDが点灯。Hiで残り1面も点灯し、三つすべて点灯する
  • 純正のハロゲンランプは、Lowでライトの上側のみ、Hiでライトの下側も点灯(上下同時点灯)
  • H4の金具は、上側に来る方が突起1、下側に来る方が突起2で「人」のような配置になる

上記のような事実関係から、Lowで点灯する二つのLEDがライトの上側にくればいいことになります。

配線を入れ替えて逆の動作にすることも考えましたが、普段Lowでしか使わないこと、車体前方近距離から広範囲に光が広がる方が使いやすいと考えて、配線色通りの動作としました。

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▲最終的なセッティング。写真は天地逆転した状態で置いている。

金具の取り付けに当たっては位置を前後させて光軸調整をする必要があります(後述)。

純正のハロゲンランプを横に並べた感じでは、金具の取り付け位置は後ろいっぱいまで下げるとハロゲンランプの発光部の位置が大体一致するので、そのようにしてあります。

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実際の取り付け〜組み付け

組み付けはパーツが増えている分工夫が必要となります。増えた分の収め方を考えないとならないわけです。

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ヘッドライト後部の空間が多少空いており、ハーネス類を詰め込むことはできるのですが、コントローラーの部分が厳しそうです。

まだそんなに時間をかけて試行はしていませんが、ハーネス部分を下側の空間に詰め込み、コントローラーだけは外にはみ出す形で組み付けました。工夫すれば、上側の空間にコントローラーを収めることが可能かもしれません。

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とりあえずコントローラー部だけをはみ出す形にして組み付けましたが、この場合の問題はコントローラーが本当に防水なのかどうかということ。

防水防塵規格のIP65は、あらゆる方向からの噴流水に耐えられることを保証するのですが、何分中国製なので本当に規格をクリアしているのかは疑わしい。

コントローラーはプラスチックケースに綺麗に収まっており、放熱孔などは設けられていないので、コーキング剤(Holts(ホルツ) ブラックシーラー MH208 [HTRC3])で合わせ目やケーブル突き出し部分の防水加工は容易に済むと思われます。

時間が出来次第、自分もそのようにします。

これ以外にも対策はいろいろ考えられますが、その一例としてケーブルを延長してコントローラーをレッグシールド内に隠すということを挙げておきます。

使用感

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さて、RTD 直流交流兼用バイクLEDヘッドライトの明るさはどうなのでしょうか?

これは、掛け値なしに明るいといっていいでしょう。なにせ、キジマのLEDヘッドライトバルブより断然明るいのです。

市街地、例えば世田谷区〜渋谷区の街灯が整備された246号を夕方流していても、地面を照らしているのがはっきり分かります。

純正のハロゲンランプではついているのかどうか疑わしいぐらいでしたから、これははっきりとした変化。

光束の状態もLowを使っている限りはなかなか良好。▲の斜面2面から発光しているからか広がりもあり、広範囲を照らしてくれます。光のムラがなく、スムーズです。街灯のない峠越えも難なくこなせるようになりました。

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ハロゲンの点光源からLEDの面光源になった変化からか、真横方向のフレアが強くなったようです。

光軸調整

ただし、Hiは街路樹の葉を照らすほどで、ちょっと上を向きすぎでした。光軸調整が必要です。

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Amazonのページにこのような場合の調整方法が書いてありました。

光軸はハロゲンランプのLoの位置にLEDを合わせるとHi側が上向きすぎるので、できるだけ発光面の飛び出しをリフレクター側(後ろ)に調整するとほぼ問題ない光軸に調整できます。(前後の調整幅は10mm程度あります。)

実際にH4金具の位置を前後させて調整してみました。

H4金具を最も後ろに位置させると、上掲の写真のようにHiが上空を向いてしまって使いものになりません。

H4金具を前にずらしていくとHiとLowが近づいていくため、Hiの上向き加減をH4金具の前後で調整できることになります。図にしてみました。

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ただ、Lowの広がりはH4金具を後ろにした方がいい感じになるようで、H4金具を前に出していくと集束していくようです(リアルタイムに試せないため感覚で)。

自分はH4金具を後端より3mmほど前にしたポイントで固定しましたが、使いながら細かい調整をしていくかもしれません。

前にした分多少光束が狭くなりましたが、別途取り付けてある2基のフォグランプで脇を固めて広角照射をキープしています。

クロスカブにおいても、Hiの向きはH4金具の前後移動で十分調整可能といえます。

総括と気になるポイント

総じて、予算2,000円ほどの費用対効果という意味では、完全に、完全にアリといえます。

信頼性については正直分かりません。Amazonのレビューを見ると、コントローラーが焼けるなどの故障もある一方で、1年を経過しても無事という事例も見られます。

自分は、壊れるものという前提で、交換用のハロゲンランプも積載という運用をしています。2個買って、一つを予備として積載しておくのもいいかもしれません。

メーカー品のLEDヘッドライトは15,000円前後しますから、2,000円であれば俄然食指が動くのではないでしょうか。

気になるメーターランプのチラツキ

気になることもあります。

このLEDヘッドライトを装着してから、アイドリング時にメーターランプがちらつくようになりました。LEDヘッドライトの方はチラツキは全くないのですが、メーターランプが脈を打つようにちらつくのです。

電装系に負荷がかかっているのではないか? と連想をするようなチラツキです。

これがどのような影響を及ぼすのかは未知数。ただ、だからといってやめられない明るさなのも事実。

もしこの記事を見て当LEDヘッドライトの導入を考えるのならば、その点をご承知おきください。

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