cheeroから防水・防塵のアウトドア向けモバイルバッテリcheero Tough 9000mAhが登場
2016/01/15
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2016/01/15
もくじ
モバイルバッテリの定番を続々輩出するcheeroから、今度は珍しい防水・防塵のモバイルバッテリ、cheero Tough 9000mAh (CHE-051)が登場しました。
cheeroさんからサンプルをご提供いただきましたので紹介します。9000mAhという容量で、大きさはcheero Power Plus 2などより一回り小さい。重さも220gと、290gのcheero Power Plus 2より一回り軽い感じですね。
本ブログをお読みになられている方ならご承知の通り、自転車の電装を強化する試みを続けてきておりますし、最近ではヤマノスストレッキングを始め、GarminのハンディGPSを何種類か使い出したので、アウトドアでの安定的給電手段には興味津々。cheero Tough 9000mAhはどんな感じの製品なんでしょうか。
– | 製品仕様 |
---|---|
品名 | cheero Tough 9000mAh |
型番 | CHE-051 |
容量 | 9000mAh (33.3Wh) |
内蔵バッテリ | リチウムイオン |
サイズ (本体) | 約93mm × 74mm × 28mm |
重量 | 本体 約220g |
入力 | 5V, 2A max |
出力 | DC 5V, 2.1A max |
本体充電時間 | 約6時間 (2Aアダプタ利用の場合) |
使用回数 | 500回まで |
各種保護機能 | 過充電 (電圧/電流) 時、過放電 (電圧/電流) 時、短絡化 (ショート) 時、発熱時、自動停止機能 デバイス充電完了時自動停止機能 ※でバイス充電完了時の自動停止は未対応機種あり |
対応機種 | iPhone 3G/3GS/4/4s/5/5s/5c/6/6 Plus, iPod, iPad, iPad Air, iPad mini, MicroUSB対応スマートフォン, Wi-Fiルータ |
(続きは[Read More]から)
防水・防塵といえど、一般的なモバイルバッテリと変わりません。MicroUSBケーブルと、取り扱い説明書のみとシンプル。
ボディはほぼすべてがシリコンラバーで覆われています。周囲は水色のシリコンラバー。端の部分が輪になっていて、ここにカラビナなどを引っ掛けることができます。cheeroさんはザックの外側に吊るせるので収納の邪魔にならない、というアピールをしていますが、トレッキング中の電源喪失は重大な問題なので、僕にはそうする勇気はありません。ザックの中の上蓋の方に固定することには意味があると思うので、そうした用途に使う感じですかね。
底の部分もシリコンラバー。天の部分もシリコンラバーで、硬質な素材の露出は、バッテリ残量インジケータの透明なカバー。そして水色のシリコンラバーと、天、底の黒色のシリコンラバーの境目のみ。
天の部分は、コネクター類を塞ぐ蓋になっています。
蓋はツマミを持って引っ張ると取れます。蓋は端の部分でつながっているので、引っ張っても外れて本体と離れ離れになってしまうことはなく、蓋は本体にブラブラする感じになります。
蓋の下からは、2Aの入力用MicroUSB端子、2.1A出力のUSB端子、そして内蔵LEDライトが現れます。
出力は1系統です。前述の通り、2.1A対応。
本体側面の部分には、電源兼、LEDライトのスイッチがあります。
cheero Tough 9000mAhは、入力が2A。これは、現時点において、cheeroのすべてのバッテリの中でも最も高い数字。
cheero Tough 9000mAhに対して充電するときに、短時間で済ませられることを意味しています。これまでの最高がcheero Energy Plusで1.6Aでした。
それより400mAも増えていて、新しい世代の息吹を感じます。
早速、充電にかかる時間を計ってみました。いったんバッテリを放電させ、残量をゼロにしたところから2Aの出力のUSB ACアダプタで充電開始。
結果、308分(5時間08分)で充電完了しました。これは早い! cheeroのバッテリは、充電電流が0になるのと、充電インジケータLEDの点滅が止まるのが同じタイミングなのが非常にいいですね。ちなみに、cheero Tough 9000mAhのLEDインジケータの色は白! 4段階です。
Omaker、EasyAccのバッテリは、充電インジケータのLEDの点滅が終わってもまだ全然充電中で、アテにならないのとは大違いです。
機種 | 実質の容量(5V) | ゼロ〜満充電までの充電時間 | 1分当たり充電容量 (5V) |
---|---|---|---|
cheero Power Plus 2 | 8,520mAh | 636分 | 13.39mAh |
cheero Energy Plus | 9,640mAh | 590分 | 16.33mAh |
cheero Tough 9000mAh | 7,390mAh | 308分 | 23.99mAh |
後述の実質の容量比較で、充電スピードはcheero Power Plus 2の1.8倍、cheero Energy Plusとの比較でも1.47倍にも達しています。
特に旅先で使う性質の製品ですので、このスピードは宿泊地での充電において有利に働くはずです。EasyAcc PB8200Mのときも思いましたが、入力2Aあると使い勝手が確実によくなります。
モバイルバッテリEasyAcc PB8200M (8200M-GR)の恐るべき基本性能
弊ブログ恒例の実質の容量計測を、cheero Tough 9000mAhでもやりました。
モバイルバッテリは、3.7Vのリチウムイオンバッテリを搭載。昇圧回路を通してUSBの5Vに変換しています。この回路の効率は100%にはなりえず、必ずロスが生じます。
モバイルバッテリの容量はリチウムイオンバッテリの容量の合計を表記しますから、表記の容量と、実質の容量に差異が出てきます。
こうした事情があるので、モバイルバッテリの満充電の状態からUSB端子を通してどれだけ電流が流れるかを計測しているのです。これを、実質の容量と表現しています。
計測方法は、モバイルバッテリにBit Trade OneのUSB接続 充電容量チェッカーと、負荷としてRaspberry Piを接続。USB接続 充電容量チェッカーには累積の電流量が表示されるので、それを読み取っています。ちゃんとした校正はしていないので、相対値にはなってしまっていますが。
計測の結果、chero Tough 9000mAhの実質の容量は、7,390mAhと出ました。
搭載した9000mAhのリチウムイオンバッテリに対し、実質の容量7,390mAhですので、効率は82%ということになります。cheeroのいつもの水準ですね。
iPhoneを約4回フル充電できる容量に相当します。
cheeroのモバイルバッテリではおなじみの内蔵LEDライト。cheero Tough 9000mAhにも内蔵されています。側面の電源スイッチを素早く2回押すと、LEDライトのオンオフができます。
LEDライトもシリコンラバー蓋の下にあるので、点灯するためには、シリコンラバーの蓋を外す必要があります。
写真では青みがかって見えていますが、LEDライトの色は、白色に近い色で印象はいいです。アウトドア用途では、役立つ場面もたくさんありそうです。
明るさは普通といった感じ。cheero Power Plus 2(写真左)とcheero Tough 9000mAh(写真右)を比較してみました。ややcheero Power Plus 2の方が明るいが、こちらの方が色がかなり緑に傾いていて、ちょっと気持ち悪い感じです。
シリコンラバーで覆われた本体は、衝撃に強い。cheeroでは、以下の過酷な試験を実施し、それに耐えることを確認しているということです。
自転車での使用時には、こういう対衝撃性は特にありがたそうですね。
日常の使い勝手においては、外装が柔らかいので、金属製のLEDライトなどと同じところに気兼ねなく収納できるのが助かりますね。
これをcheero Power Plus 2でやってしまい、ボディが傷だらけになってしまいました。
cheero Tough 9000mAhはIP66等級の防水・防塵。IP表記については、ここに説明がありました。
防水規格 IP表記 | TAKIGEN | タキゲン製造株式会社
IP66とは、以下のような防水、防塵性能を有することを意味するようです。
防水性がどんなものか確かめてみます。
天の部分の蓋を閉じた状態で、上からシャワーをかけてみました。
1分ほどかけ続けてみました。
水気を拭きとった上で蓋を開けてみましたが、水の侵入は認められませんでした。穴となる各種コネクタ、LEDライトの開口部の周囲は壁が立ち上がっていて、蓋から浸水があったとしても、端子内に流れ込まない構造になっています。また、蓋の裏面にはこの壁がはまり込む溝が出来ていて、気密状態になっているようです。
実際にはこんなに大量の水に触れる機会はなさそうですが、蓋を閉じていれば、うっかり水に落としてしまってもしばらくは大丈夫そうです。
cheero Tough 9000mAhを手持ちのデバイスに接続して、どのぐらいの電流が流れるか試してみました。
バッテリ残量をゼロまで減らしたiPhone 5sに接続したところ、910mAほど流れました。ほぼフルスピードといっていいですね。
バッテリ残量をゼロまで減らしたiPad 3に接続したところ、1.74Aほど流れました。フルスピードには少し足りません。
比較のために、cheero Energy Plusで試したところ、1.91A流れました。
同じく、cheero Power Plus 2では1.63A流れました。
最大1.7Aほどの電流を要し、モバイルバッテリによっては安全装置が働いて使えない、中華爆光ライトでテストしてみました。
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1.45Aほど流れました。ただ、PWM制御がかかっているようで、数値はパラパラと変化します。最大光量で263分 (4時間23分)動作したため、実質の容量から算出した電流は1,685mAとなりました。
比較のために、cheero Energy Plusで試したところ、1.39Aが読み取れました。
同じく、cheero Power Plus 2では1.41A流れました。
中華爆光ライトでは、差が出ていないと見てよさそうです。
非常に珍しい過酷な環境に耐えるモバイルバッテリということで、必要な人にはありがたいものですね。
僕は、山行にはこれを持っていこうと思っています。
地図やコンパスも持っていくとはいえ、スマートフォンをハンディGPS代わりに使おうとするとき、電源の問題は切実。
僕は一度山の中でLightningケーブルが切れるというトラブルに遭遇したことがありますが、そうしたトラブルの確率を減らす意味では、こういうタイプのバッテリはありがたい。
この場合、ヘビーデューティーなLightningケーブルもないとダメですが(笑)。
僕の場合、自転車での使用時にはiPhoneと、USB給電のLEDライトを同時に使うことが少なくないので、出力が1系統しかないcheero Tough 9000mAhはサイクリングにはちょっと持っていきにくいかもしれません。