スマートフォン対応手袋の良し悪し、そしてヒーターを内蔵した話
2016/03/17
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2016/03/17
もくじ
ひとりぶろぐのmoyashi (@hitoriblog) です。
最近ポータブル暖房器具的なものに興味が戻ってきて、ハクキンカイロ関係のエントリを投下しました。
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ハクキンカイロは世界に誇る日本の発明品だと思います。
ハクキンカイロでカバーできない場所に手指があります。
ハクキンカイロで服の中がチリチリに熱くなっていても手指は冷たく、そのギャップを理不尽に感じていました。
手袋系の装備を強化してみました!(続きは[Read More]から)
Photo: alc990
そこをカバーするものとして、USB温熱手袋に着目しました。
USBを必要とすることから、主に自宅でPCを使うときに使うものとして想定されているようです。
しかし、大容量USBバッテリーを電源として使い、外出時に使えば案配がよいのではないか、そのように思い入手してみることにしました。
USB温熱手袋には、大きく2種類あります。ヒーターが片面か両面かの違いです。
Amazonのレビューを見ると、片面のものはレビューの点数が低く、皆、物足りなさそうです。
両面ヒーターのものはレアで、国産ではサンワの400-TOY020が唯一のようですが、なかなか買えません。
Amazonで両面ヒーターのものを検索してみると一件ひっかかりました。在庫もあるので、これはもう買うしかありません。
結果的に、これがナイスな買い物となりました。
届いたUSB温熱手袋がこれです。
届いてしばらくしてから気づいたのが、手袋からめちゃくちゃ毛が取れてちらばること。
カバンに入れておいたら、中のものが毛だらけになってしまいました。猫屋敷であるかのようです。
たまらず使用を断念しました。
説明によれば、ヒーターを外して手袋のみを洗うことができるというので、とりあえず外してみることにしました。
手袋とヒーターとは平面ファスナー(マジックテープ)で固定されており、それをベリベリと剥がすと上掲の写真のように取り出すことができます。
ヒーターだけ手持ちの手袋に入れて使ってみると、普通に使えてしまいます。
飛び散る毛に悩まされること無くUSB温熱手袋として使えるようになり、とりあえず一安心。
手持ちの手袋と合体させてUSB温熱手袋が使えるようになりましたが、移動中はほぼ常にiPhoneをいじくっていることから、スマートフォンが使えなくなる普通の手袋に不満が出てきました。
ここでハタと気付いたのが、ヒーターをスマートフォン対応手袋の中に入れたら、ヒーターで暖かく、しかもスマートフォンも使える最強の手袋ができるんじゃないか、ということ。
これはいっちょやってみるしかありません。
「いくらスマートフォン対応とはいえ、手袋なんかしたら、恐らく細かい操作ができなかろうし、必要なときは手袋を外すべきじゃないか?」という考えだった自分。
スマートフォン対応手袋というものを全く分かっていないため、着用して試してみるために取扱店に出かけました。
何種類かあるスマートフォン対応手袋を試してみると、ものによって全然使いやすさが違うことが分かりました。
まず初めに試したのが、下掲のような指の腹にタッチ対応パッドが貼り付けてあるタイプ。
これは正直言って使いづらい。指の腹での操作を強要されるのが何とも辛く感じました。
普段あまり意識しないと思いますが、画面の下の方は指先で、画面の上の方は指の腹でスクリーンに触れています。
親指の付け根を固定して、工事現場のクレーンのように親指を動かしてタッチするこの操作が、タッチ対応パッド貼り付けタイプだとやりづらくなります。
肘から先を動かして、指先をスクリーンと平行に移動するように使うことになります。それが窮屈に感じてしまうのです。
貼り付ける作りだと、触感が鈍くなるのも問題です。
バイク、釣り向けに、厚手の手袋にタッチ対応パッドを縫い付けたスマートフォン対応手袋があります。
これもまた使いにくいものでした。
指の細かい動きを封じられるので明らかに操作しづらくなる上に、厚手の手袋はタッチ対応パッド貼り付けタイプに準じる構造となるため、二重苦となる感じです。
この用途では防寒性の高さも重要であるため、操作性だけでは語れないとは思いますが。
ニットで、指の第一関節までスッポリタッチ対応しているタイプは、どれも基本的には使いやすい。
▲100円ショップで販売されているニットタイプのスマートフォン対応手袋。
これは100円ショップで入手できるタイプも同じ。
しかし、多くが親指と人差し指のみのタッチ対応となっています。
▲国産のニットタイプ。まずまず使いやすいが、せめて中指までタッチ対応であってほしい。
しかし、これも僕にとっては窮屈に感じました。
僕は、iPadの場合、操作に中指を使うクセがあるのです。また、iPadのマルチタスクジェスチャのためには指4本は欲しいところです。
いろいろなスマートフォン対応手袋を使い比べると、ダントツで使いやすいのが全指対応のニットタイプ。
具体的な製品名で言うと、iTouch Gloves、THE NORTH FACEのE-KNIT GLOVE。
これは同時に無縫製タイプにもなっていて、縫い目が無いことが指の動きの自由度上有利だと感じます。無縫製タイプは指先のフィット感が高く、抜群に操作がしやすくなっています。
縫製タイプのものは指先がダブ付くことが多いのですが、これが著しく操作感を損ねるのです。
全指対応のニットタイプは指の裏側ですらタッチできる作りとなっているため、操作の自由度が非常に高く、ストレスがありません。
指先にフィットするので、意外にも素手でしているのとそれほど変わりなく操作ができてしまいます。
唯一大きく勝手が変わるのが、片手ではきっちりホールドできなくなること。
片手でも操作できなくはありませんが、落下の危険が非常に高くなります。
従って、普段片手で操作している人でも、片手で本体をホールド、もう片手で操作というスタイルにならざるを得ないはずです。
また、手袋をして太くなった親指の代わりに、人差し指を使うスタイルに落ち着く人も多いのではないかと思います。
全指対応のニットタイプが至高という手ごたえを得たところで、iTouch GlovesとTHE NORTH FACEのE-KNIT GLOVEに候補を絞り込み、30余分逡巡。
基本性能としては甲乙付けがたい両者。もう一つ選択の条件に入れたのが、滑り止めの存在。
全指対応のニットタイプには、手の平にゴム状の滑り止めが付いているものと、付いていないものがあります。
本体を落とさないためには滑り止めがあった方が有利に違いありません。
iTouch Glovesは、ソリッドの黒のみ手の平に滑り止めが付いています。
THE NORTH FACEのE-KNIT GLOVEには、すべての色に滑り止めが付いています。
iTouch Glovesソリッドの黒と、THE NORTH FACEのE-KNIT GLOVEならほぼ互角。
価格はiTouch Glovesの方が大分安い。
大方の人はiTouch Glovesの方を選ぶだろうという確信はありましたが、僕は最終的にTHE NORTH FACEのE-KNIT GLOVEの方を選びました。
生産国の違いが決め手となりました。
そこが気にならない人はiTouch Glovesも全然アリだとは思います。
滑り止めが付いているTHE NORTH FACEのE-KNIT GLOVEであっても、ガッチリホールドしながら片手操作できるかというと、できない。
ただ握るだけなら滑り止めの効果はありますが、どっちみち操作は両手を使ってすることになるのです。
そういう前提の上なら、滑り止め無しを選ぶのもアリだろうと思うわけです。
▲買ったのはコレ。無難に黒にしてしまいました。
▲燦然と輝くタッチスクリーン対応を示すタグ。
▲指先を避ける形で滑り止めが付いています。薬指、小指だけは指先の方まで滑り止めが付いていますが、薬指、小指でも操作可能です。でも、指の腹を使うと反応しないことがあるので、中指までと同様な処理にしてほしかったですね。
▲縫い目の無い無縫製タイプであるため、指にフィットし、また動かしやすい。
▲伸縮性があり、また指先がぴったりフィットしている方が操作しやすいと考え、あえてSを選ぼうかと悩みましたが、両方試して大差が無かったのと、Sだとやや指のまたが浮いてしまうので、Lを選びました。
▲滑り止めが蜘蛛の巣状なので、ちょっとスパイダーマン気分。
E-KNIT GLOVEを買ったところで、USB温熱手袋から外したヒーターを取り付けることにします。
取り付けるといっても、ヒーターを中に押し込むだけですが。
▲右は、ヒーターを押し込んだ位置を示しています。平面ファスナー(マジックテープ)でひっかからないよう、手でカバーしながら中まで挿入します。
▲電源としては、cheero Power Plus、Anker Astro 3Eを使ってみました。3Aの電流が取れるAnker Astro 3Eの方が発熱するようです。
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▲ケーブルがすぐ途中で合流して、このまま使うと手錠をかけられた人みたいになってしまうので、根元の方まで裂いて使います。
▲裂いたケーブルを上着の袖から通し、腕先まで出しています。
▲腕先で手袋と合体。
▲実際に装着してみると、ジオン軍のモビルスーツになった気分です。
バッテリーの消費は激しく、10,000mAhの容量を持つAnker Astro 3Eでも、4〜5時間使っただけでLEDの点灯が一つにまで減りました。
両面ヒーターのアドバンテージは感じますが、手は手の平に向かって湾曲していますから、手の平側のヒーターが密着せず、熱が伝わりづらいという問題がありました。
ヒーターからはかなり熱が発されているはずですが、E-KNIT GLOVEだと熱のかなりの部分は外に発散されているようで、熱がとどまる感じがありません。
ヒーターのメリットを最大限活かすためには、バイク用の、もっとフカフカしたスマートフォン対応手袋の利用が必要そうです。
やや番外編ですが、100円ショップで入手できるスマートフォン対応手袋を買ってみました。
100円ショップで買えるニットのものは化繊ベースでやや薄手。
かなり軍手感が強い見てくれですが、羊毛入りより毛羽立ちが少なく、これが意外に使いやすい。
▲安いので二つ買ってみました。
▲買うときは見落としていましたが、「片方の親指、人差し指のみ対応」という説明書きが!
▲確かに、片手のみタッチ対応で、もう片方はただの手袋です。平面的な作りなので、左右を交換するだけで右利き、左利きに対応可能です。
▲二つ買って、タッチ対応している方だけ残せば、両手対応になります。親指2本フリック入力をするためには、こうでないと! 買うときに分かっていれば、同じ色を二つ買ったものを……。
▲前述の通り、かなり軍手感が強い見てくれですが、毛羽立ちが少なく、意外に使いやすい。使いやすくとも軍手ではありますが……。
ここで紹介したもの以外では、無印良品のものが3指対応で評判がいいみたいですね。ダイソーでは200円で両手3指対応のものが買えるそうです。