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cheero Energy PlusをベンチマークしてPower Plus 2と比較してみた

      2014/06/18

cheero Power Plus 2より大容量なのに軽い最大容量機種登場

大容量低価格USBバッテリの定番、みんな大好きcheero Power Plus 2は2013年1月21日発売。いつの間にか発売されてから1年以上経過してたんですね。

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そんなcheero Power Plus 2を上回る容量を持つcheeroの最大容量機種cheero Energy Plusが、2014年6月1日の今日、発売されました。12,000mAhもの容量を持ちます。

これは、iPhone約6回分の充電容量に相当します。

今回は、このcheero Energy Plusの実力に迫ってみたいと思います。

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付属ACアダプタは2A!パッケージ内容物

以下が、パッケージ内容物。cheeroのUSBバッテリには、これまで付属してこなかったACアダプタ。

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cheero Energy Plusには珍しく付属。しかも2Aの強力なものがチョイスされているところに、メッセージが籠められていますね。これは一体どういう風の吹き回しでしょうか?

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薄くて軽いのに性能アップ

cheero Energy Plusは12,000mAhの容量があるにもかかわらず、cheero Power Plus 2より15g軽く、6mm薄い! その代わり、41mmも長いんですけどね。

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詳細は後述しますが、cheero Power Plus 2と比較して、

  • 充電容量は13%増加
  • 自身への充電スピードは21%増加

という地味ながら着実な進化を遂げていることが、本エントリで実施したベンチマークで確認できました。(続きは[Read More]から)

機種 容量 重さ 充電入力 充電時間 寸法
cheero Power Plus 2 10,400mAh 290g 5V/1.0A 10時間〜12時間 111×80×22
cheero Energy Plus 12,000mAh 275g 5V/1.6A 10時間 152×70×16

基本機能はcheero Power Plus 2を踏襲

cheero Energy Plusの基本機能は、cheero Power Plus 2と変わりません。

ライトの点灯、消灯方法が、電源スイッチのダブルプッシュから長押しに変わったぐらいです。

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LEDライトは一灯だが明るさは互角

cheero Energy PlusにもLEDライトは継承されています。cheero Power Plus 2は二灯なので一つ減っています。

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右がcheero Energy Plusですが、一つ減っても明るさはそれほど変わっていません。LEDライトの色が、青みがかった、より白に近い色になっています。

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LEDライトは、最近USBバッテリ直結タイプが流行しています(主に自分の中で)。

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当面cheero Power Plus 2は併売

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cheero Energy Plusの登場で、cheero Power Plus 2はどうなるんだろう?

そんな疑問が生じたのでcheeroさんに確認を取ってみたところ、cheero Energy Plusとcheero Power Plus 2は当面併売とのこと。

cheero Power Plus 2はアルミボディ、cheero Energy Plusは成形色の樹脂多用ということで、質感はcheero Power Plus 2の方が上。デザイン面でcheero Power Plus 2を選択する人がいることを想定しているようです。

低価格USBバッテリの次なるトレンドはエネルギー密度1.5倍のリチウムイオンポリマー!

cheero Energy Plusは、cheero Power Plus 2より大容量なのに軽量。

これを実現できたのは、今回初めてリチウムイオンポリマーバッテリを採用したため。

リチウムイオンポリマーバッテリは、エネルギー密度がリチウムイオンバッテリの1.5倍にもなります。ゆえに、従来機種より大容量なのに軽量化が実現できたわけです。

cheero Power Plus 2まではリチウムイオンバッテリでした。

リチウムイオンポリマーバッテリは、一般にリチウムイオンバッテリより高価。USBバッテリでは大手家電メーカーのものを中心に採用が進んでいましたが、cheero Energy Plusが採用したことで、今後は低価格USBバッテリにも採用が進んでいくでしょうね。

リチウムイオンバッテリを使ったUSBバッテリは、大抵18650という直径18mm長さ650mmの円筒状のセルを内蔵しています。

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リチウムイオンポリマーバッテリは四角く薄いシート状の形であるため、デザインに自由度が出てきます。

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18650を使っていては、厚さ16mmのcheero Energy Plusは実現しえなかったわけですね。

今後、低価格USBバッテリは、その性能の指標として、リチウムイオンポリマーバッテリを使っているかどうかが見られる時代になっていくでしょう。

容量1.13倍!恒例の容量ベンチマークを実施

cheero Power Plus 2の10,400mAhから、12,000mAhへと容量アップを果たしたcheero Energy Plus。

cheero Power Plus 2から1,600mAh増えています。

満充電のUSBバッテリにUSB電流計を取り付け、RaspberryPiを動作させる。バッテリの電源が落ちるまでにどれだけ電流が流れたかを計測する、当ブログでよくやる容量ベンチマーク。cheero Energy Plusでも実施しました。

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結果は以下の通り。搭載したセルからの出力をUSBの5Vに昇圧する際の効率の関係から、約20%程度低い数字になっています。つまり効率80%ということですが、これは低価格USBバッテリとしては優秀な方です。

セルの容量は10,400mAhから12,000mAhに増えたので15%の増量。計測結果の数字では8,520mAhから9,640mAhに増えたので13%の増量。大体比例する結果になっている感じです。時間がかかるベンチマークなので一度しか実行していません。目安程度ととらえてください。

機種 搭載セル容量 (3.7V) 計測結果 (5V)
cheero Power Plus 2 10,400mAh 8,520mAh
cheero Energy Plus 12,000mAh 9,640mAh

USB電流計で機器に流れる電流量を計測すると、この容量を元にバッテリでの動作可能時間がすぐに分かるので便利です。

470mA流れるLEDライトは、cheero Energy Plusだと、9,640÷470=20.51、おおよそ20時間30分点灯する、といった具合です。

充電スピード1.21倍速!充電スピードベンチマークを実施

cheero Energy Plusの見逃せない特徴に、cheero Energy Plusへの入力電流が1.6Aになっていることが挙げられます。

大体どの低価格USBバッテリも入力電流は1.0Aで横並び。

低価格USBバッテリは、そのバッテリ自身への充電が遅いというのが定説になってしまっていますが、そこに手を入れてきたのは非常にうれしいですね。

cheero Energy Plusには、2Aの出力のACアダプタが付属。充電のスピードに改善が入ったため、理想的な充電環境をユーザー全員に整えてもらおうという考えから、ACアダプタを付けたんですね。

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cheero Power Plus 2のときは入力電流が1.0Aだったので、充電が1.6倍早くなる可能性があります。

早速USB電流計で、付属のACアダプタを使ったときにどれぐらい電流が流れるか確かめてみました。

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cheero Energy Plusの残量がほぼゼロの状態で計測すると、2Aの出力を持つ純正ACアダプタを使っているにもかかわらず、1.26A程度とスペックより少ない電流しか流れませんでした。

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流す電流を自動的に決定するPowerIQ搭載のAnker 40W 5ポート USB急速充電器 ACアダプタでも試してみました。

ひとりぶろぐ » Anker 40W 5ポート USB急速充電器がパワフルでいい!完成度を高めた上位機種

やはり、こちらでも1.26A程度にとどまりました。

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充電がある程度進んだ段階で再度流れる電流を計ってみたら、1.36A〜1.43Aと、大分スペックの1.6Aに近い数字になっていました。

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充電率に応じて、流す電流を随時変化させているのかもしれません。なのだとしたら、1.6倍速という単純な結果にはなりそうにないですね。最大1.6Aということなのでしょうか。

ちなみに、容量を使い切ったcheero Power Plus 2にcheero Energy Plus付属の2AのACアダプタを使って充電してみると、より少ない820mAしか流れませんでした。比較すると、cheero Energy Plusはcheero Power Plus 2とは全然違いますね。

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爆光中華ライトで一度cheero Energy Plusの残り容量を使い切り、ゼロから充電し直してみたところ、満充電までにかかった時間は9時間50分(590分)でした。

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カタログデータでは10時間なので、充電時間は記載通り。

cheero Power Plus 2でも同じ2Aの純正ACアダプタを使い、充電時間ベンチマークを実施したところ、ゼロから満充電まで10時間36分(636分)かかりました。

cheero Energy Plusの方が容量が多いのに、cheero Power Plus 2より充電完了までの時間が短くなっていますから、増速は確かに認められます。

時間当たりの充電容量で言うと、下表のように約1.21倍となっています。充電率によって流れる電流量は変化していることが予想されるため、満充電までの平均が21%の増速ということですね。

機種 容量 (5V) ゼロ〜満充電までの充電時間 1分当たり充電容量 (5V)
cheero Power Plus 2 8,520mAh 636分 13.39mAh
cheero Energy Plus 9,640mAh 590分 16.33mAh

このUSBバッテリへの充電スピードもまた、今後の低価格USBバッテリの性能競争ポイントになりそうですね。

ジワジワとよくなっているcheero Energy Plus

ベンチマークで、cheero Power Plus 2と比較すると容量では1.13倍、充電スピードは1.21倍になっていることが確認できました。なのに、重さは15g軽い。厚さは6mm薄い。地味ながら、確実に使い勝手が良くなっている印象です。

このクラスのUSBバッテリを買うなら、cheero Energy Plusは検討から外せませんね。

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