10,000mAh〜20,000mAhクラス激安USBバッテリ4種の容量をガチで調査
2013/01/28
価値ある情報をユーザー視点で発信するブログ
2013/01/28
もくじ
パワーブロガーひとりぶろぐのmoyashi (@hitoriblog) です。
10,000mAhのUSBバッテリ大好きです。
これを毎日使い切れるかというと使い切れないんですが、持ち歩いている際の安心感がハンパない。
バッテリ切れを起こすことは、ほとんどありえないという強大な後ろ盾は、モバイラーを攻め気にさせます。
今回は、そんな愛する10,000mAhのUSBバッテリ、そして新しく買った20,000mAhのUSBバッテリの実力を、「USB接続 容量チェッカー」なる新兵器を投入して調査していきたいと思います。
2013.01.28追記: 新発売のcheero Power Plus 2を加えて、焼き直しをしたエントリを書きました。このエントリの内容を内包していますので、こちらをお読みください。
ひとりぶろぐ » 新機種の実力をガチで探る!cheero Power Plus 2のベンチマークテストを実施
(続きは[Read More]から)
そんなこんなで10,000mAhのUSBバッテリを3つも買ってしまいました。
おなじみcheero Power Plus。
ひとりぶろぐ » 【乗るしかない 】話題の10000mAh激安大容量モバイルバッテリを僕も買ってみた【このビッグウェーブに】
Anker Astro 3E。
ひとりぶろぐ » 強力3A!激安10,000mAh大容量バッテリの新時代を築くAnker Astro3E
そして最近発売されたMOBILE-GARAGE TBF B030-4も買い足しました。
MOBILE-GARAGE TBF B030-4はブログで紹介したことがないので、ここで簡単に紹介しましょう。
MOBILE-GARAGE TBF B030-4は、10,000mAhの容量を持つUSBバッテリ。
特徴は、LED2灯のライト付きであること。そしてSDカードスロットが付いており、SDカードリーダとしても使えること。
大きさはcheero Power Plusより小さい。
LEDライトとSDカードスロットは使いそうな機能であるため、バッテリの活用度が上がるのではないかと考えて買ってみました。
僕はシルバーを買いましたが、カンペンケースのような質感であまり高級感はありません。黒の方が格好いいかもしれません。
SDカードスロットは、SanDisk Extreme Proでベンチマークを取ってみたところ、スピードが出ないのであくまで緊急用といった感じかと思います。
Results 24.96
System Info
Xbench Version 1.3
System Version 10.8.2 (12C3006)
Physical RAM 16384 MB
Model MacBookPro10,1
Drive Type Mass Storage Device
Disk Test 24.96
Sequential 29.28
Uncached Write 28.81 17.69 MB/sec [4K blocks]
Uncached Write 27.78 15.72 MB/sec [256K blocks]
Uncached Read 25.52 7.47 MB/sec [4K blocks]
Uncached Read 37.42 18.80 MB/sec [256K blocks]
Random 21.75
Uncached Write 17.23 1.82 MB/sec [4K blocks]
Uncached Write 8.75 2.80 MB/sec [256K blocks]
Uncached Read 580.09 4.11 MB/sec [4K blocks]
Uncached Read 101.51 18.84 MB/sec [256K blocks]
LEDライトの方はいいですね。電源ボタンを長押しすると、LEDライトのオンオフができます。
結構明るく、実用的。LEDを点灯しまくってMOBILE-GARAGE TBF B030-4のバッテリを空にしようと思っても、巨大なバッテリ容量に対しLEDの消費電力は小さいため、ほぼ無理でしょう。LEDライト使い放題!
出力は1Aと2.1Aの二つ。cheero Power Plusと同じです。MOBILE-GARAGE TBF B030-4への充電は、microUSB端子から。cheero Power Plus同様5V1Aの電流で充電できるようです。
バッテリの残量表示が思いのほか格好よく、無意味に点灯させてしまいます。
電源スイッチはソフトウェア制御で、軽く押すと電源が入り、また一定時間残量が表示されます。
何も接続されていなければ、一定時間経過でオートパワーオフされます。
ボタンは電源スイッチ一つだけで、長押しがLEDライトのオンオフに割り当てられていることから、明示的にオフにする操作は存在しないようです。
ベンチマークで容量ギリギリまで使ってみましたが、きちんとオートパワーオフが作動しました。
項目 | スペック |
---|---|
サイズ | H99mm × W71mm × D21mm |
重量 | 約250g |
容量 | 10,000mAh |
USB端子 | 2 / 端子1: 出力2.1A / 端子2: 出力1A |
充電/SDカードリーダ用USB端子 | 1 / microUSB / 5V1A |
SDカードスロット | 1 |
LEDライト | 白色2灯 |
残量表示 | 4レベル |
電源スイッチ | 1 / オートパワーオフ対応 |
最近、定番のcheero Power PlusとAnker Astro 3Eが値上がりして3,000円近くなってしまっているので、2,000円台前半である価格設定(2013.01.14現在)と、付加価値には心を動かされます。
後述しますが、実容量は3機種の中で一番少ないので、最強ということはありません。この機種を選ぶか否かは価格、付加価値とのトレードオフで決まります。
1A、2.1A、どちらの端子でもiPhone 5を充電できることを確認しています。
最近20,000mAhの容量をうたう3,000円台の製品が登場しています。
代表機種がこのSUPER POWER PACK 20000mAh POWER BANKでしょう。
正式名称は不明です。SUPER POWER PACKの20,000mAh品で概ね特定できるかと思います。
2013.01.14現在の価格は3,400円。cheero Power Plusが2,880円まで来ていますから、その差は500円。500円で10,000mAh追加できるのならお買い得かもしれません。
この機種もブログで紹介していなかったので簡単に紹介をば。
10,000mAh、12,000mAhと、ほぼ同型の製品があり、その20,000mAh版という感じかと思います。
USB端子は二つ付いており、一つが2.1A、もう一つが1Aの出力。端子は隣り合って配置されているので、ケーブルによっては干渉する可能性があります。
1A、2.1A、どちらの端子でもiPhone 5を充電できることを確認しています。
残量表示は四つの青LEDで。電源ボタンを押すと電源が入り、何も接続されていなければオートパワーオフが働きます。電源ボタンを長押しすると、電源を明示的にオフできます。
ベンチマークで容量ギリギリまで使ってみましたが、きちんとオートパワーオフが作動しました。
本機への充電のためのUSB端子は、Mini USB端子。昨今においては、Mini USB端子を採用するものは批判されがちですね。5V1Aでの充電が可能です。
HYBX AA-168では検索に出てきません。ちなみに、決してHYBX AA-168というキーワードでGoogle画像検索してはいけません。
20,000mAhという強烈な容量は普通の用途で使い切れるようなものではありませんが、やはりどこか男というものは、絶対的なパワーにあこがれてしまうのかもしれません。
誘惑に負けてしまい、買ってしまいました。
項目 | スペック |
---|---|
サイズ | H135mm × W71mm × D21mm |
重量 | 約330g |
容量 | 20,000mAh |
USB端子 | 2 / 端子1: 出力2.1A / 端子2: 出力1A |
充電用USB端子 | 1 / Mini USB / 5V1A |
残量表示 | 4レベル |
電源スイッチ | 1 / オートパワーオフ対応 |
20,000mAhもの容量を誇るSUPER POWER PACK 20000mAh POWER BANKを入手したことをきっかけに、果たして、それぞれのバッテリにどれほどの実容量があるのか気になってきました。10,000mAh、20,000mAhといってもそれは公称であり、そのままの容量は無いはずです。
そこで用意したのがBitTradeOneのUSB接続 容量チェッカー。
電源とデバイスの間に接続し、流れている電流量(mA)、その累計(mAh)をカウントできるものです。
ただ、精度はそれほど高くありません。また校正をしていないので結局絶対値としてはアテになりません。しかし、バッテリ4種で同一条件にて計測すれば、相対値は分かります。
バッテリに接続するデバイスは、スマートフォンなどだと充電が完了した時点で消費電力が極少になってしまうので、延々と電気を消費し続けるデバイスを選びました。
Linuxを動作させられるARM CPU搭載コンピュータRaspberry Piです。
ひとりぶろぐ » 約3,300円で買えるLinuxパソコンRaspberry PiをMacで使う
自分のRaspberry Piは、おおよそ530mAの電流を消費しました。
これを、以下のように接続しました。端子は1A、Anker Astro 3EではAndroid端子を選んでいます。
10,000mAhクラスのUSBバッテリでは、どの機種でもRaspberry Piを10時間以上動作させられます。延々とUSBバッテリが切れるまで動作させ、切れる直前で容量チェッカーに表示された数値を読み取る、という形で記録していきました。調査には、もの凄い時間がかかっています。
まずは、それぞれのUSBバッテリでRaspberry Piを何分動作させられたかを見ていきましょう。
※棒グラフにマウスオーバーすると具体的な数字が表示されます。
機種 | Raspberry Pi駆動時間 |
---|---|
SUPER POWER PACK 20000mAh | 1262分(21時間2分) |
cheero Power Plus | 1041分(17時間21分) |
Anker Astro 3E | 987分(16時間27分) |
MOBILE-GARAGE TBF B030-4 | 889分(14時間49分) |
一見して突っ込みたくなるのが、SUPER POWER PACK 20000mAh POWER BANKの駆動時間でしょう。10,000mAhの3機種の中で最も駆動時間の短いMOBILE-GARAGE TBF B030-4の2倍あってもよさそうなものですが、実際には一番短いMOBILE-GARAGE TBF B030-4の約1.42倍の時間しか駆動できていません。
他3機種の重量が約250gなのに対し、SUPER POWER PACK 20000mAh POWER BANKは330gと1.32倍でしかありませんからね。おおよそ、その重量の差が容量の差になっています。
10,000mAhクラスでは、cheero Power Plus、Anker Astro 3E、MOBILE-GARAGE TBF B030-4の順に駆動時間が長くなっています。
cheero Power Plus強すぐる。
今度は容量です。10,000mAh、20,000mAhという表記は、3.6Vリチウムイオンバッテリセルの容量の合計においてのもので、これをUSBバッテリ内部で5Vに昇圧する段階で目減りし、数値通りではなくなります。
これを受け止めるデバイスの方でも、大概5Vから3.3Vなどに降圧してから利用することになり、ここでも目減りします。
容量チェッカーは昇圧段階での影響しか被っていませんから、わりと公称容量に近い数字になっていますね。
Raspberry Pi駆動時間と結果は変わりません。
※棒グラフにマウスオーバーすると具体的な数字が表示されます。
機種 | 容量 |
---|---|
SUPER POWER PACK 20000mAh | 10,700mAh |
cheero Power Plus | 8,860mAh |
Anker Astro 3E | 8,370mAh |
MOBILE-GARAGE TBF B030-4 | 7,410mAh |
価格で容量を割った場合、一番コストパフォーマンスがいいのはどれでしょうか?
価格は変動しますから、2013.1.14時点での比較です。
※棒グラフにマウスオーバーすると具体的な数字が表示されます。
他機種と比較して容量が少なくいいとこ無しのMOBILE-GARAGE TBF B030-4でしたが、容量におけるコストパフォーマンスは一番いい結果となりました。
機種 | 容量 | 価格(2013.01.14) | 1円当たり容量 |
---|---|---|---|
MOBILE-GARAGE TBF B030-4 | 7,410mAh | 2,280円 | 3.250mAh |
SUPER POWER PACK 20000mAh | 10,700mAh | 3,400円 | 3.147mAh |
cheero Power Plus | 8,860mAh | 2,880円 | 3.076mAh |
Anker Astro 3E | 8,370mAh | 2,799円 | 2.990mAh |
20,000mAhをうたっていながら10,000mAhクラス最少容量の1.42倍の容量しかないSUPER POWER PACK 20000mAh POWER BANKに失望を表明して終わりたいところですが、容量に対するコストパフォーマンスで言えばむしろcheero Power Plus、Anker Astro 3Eよりいいですし、重量比でいえば妥当な容量。一概に悪者にもできない。
最少容量のMOBILE-GARAGE TBF B030-4は、コストパフォーマンスでは最高ですし、SDカードリーダ、LEDライトといった付加価値も捨てがたい。
cheero Power Plus、Anker Astro 3Eは容量については定番にふさわしいものはある一方で、売れすぎて価格が少しずつ高くなってきていてライバルのつけいる隙を与えているところはありますが、激安であることに変わりありませんし、その品質は無数のレビューでお墨付きです。
容量の大小は今回の調査で明らかになりましたから、そこに拘るのであれば、今回の調査結果を参考に選べばいいということになります。
2013.01.21追記: cheero Power Plusは旧製品となって入手困難なようです。ベンチマークを取っていないので実力は未知数ですが、容量が400mAh増え、デザインが格好よくなり、LEDライトが付いたcheero Power Plus 2をお勧めします。