KINGROON KP3Sによる造形物の実例と抱えた課題
KINGROON KP3Sによる造形物は、意外にも大変美しい。
この品質を確認してすぐに2台目を発注したぐらいだ。
ただし、Z軸の組み立て精度に個体差があるため、問題ない個体、あるいは調整・改造を施した元・不良個体で造形した場合、という前提が付く。
ダイレクトエクストルーダーであるがゆえに、ボーデン機よりフィラメントの押し出し精度に緻密さが感じられる。
筆者はスピードを40mm/sに抑えて造形している。スライサーはSimplify3Dを使っている。
ここで掲載している造形物のサンプルは、パーツクーリングに使うファンを標準の3010軸流ファンから5015ブロアファンに交換する改造後に出力している。ファンシュラウドは標準のままだ。
冷却能力が向上し、オーバーハングの部分はその改造の恩恵で標準状態より綺麗になっているが、1,000円もあればできる改造だ。
今はもう使っていないが、入手初期に以下の非標準冷却ファン取り付け用パーツを作って取り付けた。
オーバーハングやブリッジが関係しない部分は、標準状態でこの綺麗さだ。
標準のパーツクーリングファン・ファンシュラウドは片方からのみ送風するタイプであるため、風下にある方はオーバーハング耐性が低かったり、反ったりする。
従って、コミュニティではそれを克服するModが盛んに作られているし、筆者も作っている。
筆者は、今はOriginal Prusa i3 MK3S用に作られたBMG Extruder融合型のBear ExtruderをRemixして取り付けている(筆者の個人的なこだわりから作ったというだけで、おすすめというわけではない)。
Z軸の不良による造形不良の例
Z軸の不良個体では、積層が波状に揺らぐという症状が出る。
Z軸のステッピングモーターの軸の中心と、リードナットの軸の中心がずれていることが主な原因だ。味噌汁氏のブログが詳しい。
このZ軸の問題に関しては解決方法をまとめたので参考にしてほしい。
なお、2021年2月ごろからの出荷分では、Z軸が改良されたバージョンになっている(問題が解決したわけではない)。これについても上記のページに書いた。
筆者の2台の個体は2020年8月に買ったもので、1台はZ面に揺らぎが出ていた個体だが、調整を経てZ軸の問題はなくなっている。