KINGROON KP3Sの歴史

KINGROON KP3Sは、2020年7月頃の1.0発売以来細かに仕様を変え、2021年8月現在販売されているのは3.0というバージョンになっている。

筆者はその変遷のすべてを知っているわけではないが、大まかに把握している変化の歴史を知る限りでまとめておく。

使いこなし上での初期版との最大の差異は、プリントヘッドの変更だ。

初期版である1.0のエクストルーダにはMK8というものが使われていたが、現在の3.0ではTitanというエクストルーダが使われている。

MK8とTitanのエクストルーダとしての差については以下のページに書いている。

2回形状を変えたことで、3種類のプリントヘッドがあることになる。

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時期バージョン採用
エクストルーダ
内容日本のAmazonでの扱い
2020年7月頃1.0MK8初期版なし
2020年8月頃(1.0.1)MK8
  • Z軸のスプリング強化
  • 3DTouch対応ファーム搭載
  • (日本のAmazonでは2020年12月から販売開始)
2021年1月頃(1.0.2)MK8
  • Z軸の根元に補強追加
  • リジッドカプラ採用
  • 電源ユニットの冷却ファンが常時回転する仕様に
2021年2月頃2.0Titan
  • Titanエクストルーダ版 Ver.1
  • (MK8版用Titanプリントヘッドキット登場)
なし
2021年5月頃3.0Titan
  • Titanエクストルーダ版 Ver.2
2021年の後半3.0Titan
  • MPUが3種類に

※1.0のマイナーバージョン番号は筆者が便宜上付けたもの

Titanエクストルーダ版には2.0と3.0の2種類あり、2.0は登場後すぐに3.0に置き換えられたため、2.0は短命に終わった。

2.0は以下に写真を掲載している。

2.0と同時に、1.0にTitanエクストルーダを搭載するためのTitanプリントヘッドキットが登場している。

3.0は、1.0にMK8版用Titanプリントヘッドキットを組み込んだものとなった。

なお、1.0、2.0というバージョン番号は3.0登場時に初めて遡って命名されたため、1.0、2.0はそのバージョン番号を自称しないケースがほとんどだ。

Thingiverseでたくさんの改造パーツが発表されているが、プリントヘッドに三つの形状がある関係で、改造のためのパーツの互換性に問題が生じている。

バージョン番号が後から登場した関係で、改造パーツはどのバージョン用のパーツなのか説明がない場合がほとんど。登録時期や構造から、ユーザー自身で類推するほかない。

現状、最初に登場した1.0用の改造パーツがほとんどだが、今後3.0ユーザーが増えてくるに従い、3.0向けの改造パーツが増えてくるだろう。

筆者は3.0を持っておらず検証できていないが、1.0向けの改造パーツでも、「ホットエンドファンModまとめ」に掲載した表中で「標準鉄板マウンタ使用」が×になっており、なおかつMK8エクストルーダを流用しない改造パーツは3.0にも流用可能と思われる。

2021年の後半になって、新型コロナの影響による半導体不足でMPUが3種類に増えている。詳しくは以下のページに書いた。