初めての実用プリント

ThingiverseからSTLファイルをダウンロード。

スライサーでG-codeに変換。

それをKINGROON KP3Sでプリントできるところまで来たら、その知識を使って手始めにKINGROON KP3Sに自己改造を施し、それをもってKINGROON KP3Sを実用投入する。

Micro SDカードスロットの問題を解決する

 

KINGROON KP3Sを使っていて困るのが、Micro SDカードがMicro SDカードスロットのすぐ下にある隙間から、本体内部に落ちてしまうことだ。
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ひとたびこうなると、本体を開けてMicro SDカードを取り出さざるを得なくなる。

それをやるたびに本体を横倒しにし、裏蓋を開けることになるのはいかにも面倒だ。

そこで、筆者が用意したこの欠点を修正するパーツを使う。

本体付属のテスト用フィラメントで何個も作れるほど小さいパーツだが、筆者が今も実際に使っているもので機能に問題はない。

ダウンロードしたSTLファイルをUltimaker Curaに読み込んだら、まずは向きを修正する。

このパーツは一度隙間に差し込むと爪が引っ掛かり、抜けにくくなるようになっている。

しかし、この爪の根元は細く、この爪が上に向く方向でプリントしてしまうと積層面で爪が折れてしまいがちだ。

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積層方向を考慮するという話は、以下のページの最後で書いた。

従って爪が水平方向に向くように向きを整えてプリントする必要がある。

回転ツールを選択した後で読み込んだモデルをクリックし、赤色の矢印をドラッグして向きを正す。下掲のような向きになればOK。

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一方、この向きでプリントすると底面に段差が生じるため、サポートを入れないとならない。

Curaの「Generate Support」のチェックをオンにして、サポートを付ける。

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プリント時に使うフィラメントは、黒にすると本体色と溶け込んで格好いい。

しかし、使っているとMicro SDカードスロットの位置を見失うことがあるので、本体の差し色であるオレンジのフィラメントでも使って、スロットの位置を目立たせるのも一案だ。

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Z軸フレームの穴塞ぎ

続いて、Z軸のフレーム根元の穴塞ぎもやっておくといい。

Z軸のフレームは4020アルミ押し出し材で、2本の窪みが長辺方向に走っている。

この窪みが作る穴に、ホットエンド周りを分解したときに出るネジやナットが不思議と高確率で落ちるのだ。

ひとたびここにネジやナットが落ちると、それを取り出すには本体を逆さまにする必要がある、ということに気づいたときの精神的ダメージはなかなかのものがある。

しかも、これを不思議と何度も繰り返してしまうのだ。

このような悲劇を避けるために、穴塞ぎのパーツを用意しておいた。

これをプリントして窪みに挿しておくといい。ラジオペンチで抜きやすい形にしておいた。

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こちらも本体付属のテスト用フィラメントで作れるほど小さいパーツだが、確実に役に立つ。

3Dプリンターでは役に立つものが作れ、スモールビジネスを立ち上げることも可能

初めてだと不思議な感じがするが、3Dプリンターでは確かに役に立つものが作れ、3Dプリンター自身の使い勝手や性能を改善することにも役立つ。

3Dプリンターの販売ページに行くと、造形サンプルとして役に立ちそうもないものばかりを挙げているので、3Dプリンターは役に立たないもの、という捉え方をしている人が少なくない雰囲気を感じるが、全然そんなことはない。

役に立つものを作ってそれを販売し、収益を上げている人すらいる。

KINGROON KP3Sもビジネスの道具になりうる。造形品質は平均以上の実力があるので、十分販売に値するものを作れる。

どんなものを作るべきか?

趣味 × 3Dプリンターという掛け合わせが威力を発揮するという実感がある。

自分の趣味を拡張する方向性で3Dプリンターの活用を考えてみるとアイデアが湧きやすいのではないだろうか。

以下は実際に3Dプリンターを活用し、ビジネスにしている人もいる分野だ。

  • 自作キーボード(ボディなど)
  • カメラ(フード、ホルダー、カスタムグリップなど)
  • 自転車(電子機器、LEDライトのマウンターなど)
  • エアガン(グリップやディテールアップの小物など)
  • 釣り(ルアーなど)
  • ミニ四駆(チューニングや工作に使う治具など)
  • 電子工作(ケースなど)
  • 球体関節人形(球体関節人形そのもの)
  • オーディオ(スピーカーのエンクロージャー)
  • ポータブルオーディオ(自作プレイヤーのケースなど)
  • マイクロドローン(ボディ、カメラ搭載のフレーム、補修部品など)

KINGROON KP3SのようなFDM式の3Dプリンターは、小さくて精細なデティールを持つものを作るのに向いていない。以下のような分野では、光造形式の3Dプリンターが主に使われている。

  • フィギュア
  • 鉄道模型

光造形式はとにかく扱いが面倒臭いので、3Dモデリングを極めているならともかく、実用品ベースの活用が予想されるなら、買っても使わなくなること請け合いだ。

なお、商売にすべきでないのは、3Dプリンター関係の改造パーツだ。

3Dプリンターユーザーは改造ネタに気付いたら自らの技術活用と死蔵する大量のフィラメント消費の格好のチャンスと考え、自給自足を始めがちだからだ。